標

僕はキミの標（しるべ）にはなれない。
キミを導くことなど僕はできない。
何を期待されても答えられない。

暮らしている時間が違う。世界が違う。
あまりに違いすぎる。
キミを今以上に親密に感じる事はできない。
キミが感動している事に僕は感動できない。
キミが信じているモノの裏側が僕には見えてしまう。
多分、がっかりさせる。

キミはスタート位置に立ったばかりだ。
僕は既に折り返し地点が近付いている。
先に通ってきた道なりで得た経験から助言は
幾らでもできる。けど、その答えがキミにとっての
正解とは限らない。
だって、キミが下す判断は僕と違うかもしれない。
僕の誘導による事前回避が全てキミの為になるか、
疑問に感じる。
残念ながら人は自ら痛みを負ってこそ、
その経験こそが糧となり明日に繋がる。

「自分の存在を確認したくて、必要とされたくて
結果として沢山の人と過ごしてしまった。
そんなダメな人間だった。」とキミは言ったが、
自分の弱さに気付けた人はダメな人間ではない。
その程度の事、大した事ではない。
死ぬわけじゃない、汚れたわけでもない。

キレイで潔白と言える人間など存在しない。
キミが汚れているなら、僕などヘドロだ。
この先からは、自分を安売りしなければイイ。
無闇にその場限りの温もりなど求めなくても
自分を磨いていれば自然に必要とされる。

今、俯いていてもいい。
後さえ振りかえらなければ。
前を向けない日だってある。

以前、僕は死んだ自分のオヤジをポンコツだと書いた。
家族を捨てたが、多くの犠牲を払って繋がった愛する人
だけは最後まで守った。男として意地を通して死んだ。
何にも守れず、守らず、ただ能書きを並べるだけの
僕はポンコツ以下の「ガラクタ」だと最近、思う。

ガラクタ→ごみ→大掃除→大晦日→田村潔司！
ポンコツ→故障→怪我→両膝→桜庭和志！

天命の日まで後、３１日です。