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萌えるゴミ

写楽考考

2007年04月24日 | 舞台・映画・ツ氏
思いがけず回数を重ねた写楽考。
話自体は全開のタンゴの法が好きったのに、タンゴ三回に対して、明日で4回目、今週末で5回の観劇になる。

やはりそれなりに回数を重ねると色々と考える事も多くなるもので・・・。



僕が興味をそそられたのは伊之と勇助の変化と本質について。
二人は真逆の成長を遂げたのだなあ。と思う。

勇助は自分の中にある「冷たさ」や(当時の勇助にとっては)醜さに気づかずに(或いは気がついていたとしても)世間で言うところの美しく正しい事に目を向けて、自分も、自分の絵もそうであるように努力を続ける。

逆に伊之は美しく正しい事はまやかしであり、世間一般で言うところの平穏な幸せというものを嫌悪していて、自分がそれに染まってしまう事を恐れている。

やがて月日を重ねた二人は互いに若き日に自分が否定していたものの正当性に気がついて変化する。

勇助は人の醜さや、自分の中の冷たさを認め、伊之は他者への愛情や純粋な気持ちが時にまやかしでは無い事を他でもない自分の中に認める。

二人は常に対極にあり、相手を嫌悪しながらも惹かれていたのだと思う。
アンビバレンツってやつかな?

最後の最後に自分の一番大事な事を託す伊之に誠実に答えた勇助に二人の奇妙な友情を感じたのでした。