【カウチンセーター】
カナダのバンクーバー島に住む先住民のカウチン族に由来する。白やグレー系をベースにして、狩猟文化を反映した自然に関する文様(特に動物が多い)と幾何学的なデザインを組み合わせたものが編み込まれているのが特徴。現在は、広くカウチン族の伝統工芸として知られているが、元は19世紀初頭にスコットランド人からカウチン族に編み物の技術が伝えられたものが基本となっている。その技術と、古くから伝わる芸術的な要素が融合することで、独特のデザインを持つカウチンセーターが成り立ったのである。狩猟の際の作業着として用いられたため、太い毛糸で編まれ、厚地で丈夫に作られており、(本来のものは)脂肪分を抜かないために撥水性と防寒性も高い。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オーナー:「そのカウチンいいでしょ?」
代表:「はい、凄く気に入ってます。でも最近毛玉が出来てきたんですよね。」
オーナー:「まさか、その毛玉取って無いよね!?」
代表:「あっ、はい。取ってないですけど…。(実は少しだけ取った)」
オーナー:「取っちゃダメだよ。それは宝物だから。」
代表:「宝物…?」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『本物』のカウチンセーターは毛玉が出来る。脱脂しないピュアバージンウールを手紡ぎし、きっちりと目を詰めて編みこんだカウチンセーターは、着込むことで出来る毛玉が隙間を埋めてただでさえ高い防寒性をさらに高める。
風を通しにくく、ラノリンを含んでいるため雨や雪もはじき、汚れなどをもつきにくく、コートがわりになるほどの暖かさをもつカウチンセーター。カタチだけを真似たニセモノも多く出回っているが、『本物』のカウチンセーターは着れば着るほど味わいが深まり、親子2代(100年)は使える、まさに一生モノのセーターなのだ。
そんな『本物』のカウチンセーター(確か40,000円くらいした)を僕に売ってくれたのは、隣町のアウトドアショップのオーナーだった。
そのオーナー。かなりの偏屈者だった。自分が認めたモノしか売らなかった。それ故、オーナーの店に置いてあるのは高価な商品ばかりだったけど、そのどれもが『本物』だった。今僕が持っているレッドウイングの靴もヤフーオークションなんかに出品したら、えらい値がつくプレミアムなレッドウイングだ。勿論そのオーナーの店で買った。
オーナーは業界ではちょっと有名だったらしい。釣り好きだったオーナーには、某有名アウトドアメーカーからフィッシングベストのデザイン依頼が来るぐらいだった。
オーナーはとにかくウンチクが凄かった。買うまでにその商品についてのウンチクを延々と聞かされる。聞かされたうえで買わされる。聞かないと買えないのだ(笑)
それほど、オーナーの本物志向は徹底したものだった。
そして、『本物』に思い入れ、『本物』しか売らなかったオーナーの店は…
先日破綻した。
僕もここ数年、ファッションの嗜好が変わったこともあってオーナーの店から足が遠ざかっていたのだけど、僕に『本物』への思い入れとか、『本物』しか認めてはいけない精神を教えてくれたのはオーナーだった。
オーナーは言っていた。
「皆で同じような安物のフリースを着て、何が面白いんだ?」
僕もそう思っている。皆で同じような安物のフリースを着て、何が面白いんだ?安ければいいの?それが金科玉条なの?
『本物』を理解して、そこにお金を出す日本人は減ってしまった。
『本物』のカウチンセーターに出来る毛玉を理解する日本人は何人いるの?
「宝物」はどこかへ消え…そしてオーナーは破綻した。
オーナーの気持ちを思うと、僕も悔しくて悔しくて仕様がない。やりようのない気持ちになる。
もう、『本物』なんて必要ないのかな?
それでも僕は『本物』しか求めない。
そういう人生を送りたい。
〔text. The Gag Council〕
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カナダのバンクーバー島に住む先住民のカウチン族に由来する。白やグレー系をベースにして、狩猟文化を反映した自然に関する文様(特に動物が多い)と幾何学的なデザインを組み合わせたものが編み込まれているのが特徴。現在は、広くカウチン族の伝統工芸として知られているが、元は19世紀初頭にスコットランド人からカウチン族に編み物の技術が伝えられたものが基本となっている。その技術と、古くから伝わる芸術的な要素が融合することで、独特のデザインを持つカウチンセーターが成り立ったのである。狩猟の際の作業着として用いられたため、太い毛糸で編まれ、厚地で丈夫に作られており、(本来のものは)脂肪分を抜かないために撥水性と防寒性も高い。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
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オーナー:「そのカウチンいいでしょ?」
代表:「はい、凄く気に入ってます。でも最近毛玉が出来てきたんですよね。」
オーナー:「まさか、その毛玉取って無いよね!?」
代表:「あっ、はい。取ってないですけど…。(実は少しだけ取った)」
オーナー:「取っちゃダメだよ。それは宝物だから。」
代表:「宝物…?」
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『本物』のカウチンセーターは毛玉が出来る。脱脂しないピュアバージンウールを手紡ぎし、きっちりと目を詰めて編みこんだカウチンセーターは、着込むことで出来る毛玉が隙間を埋めてただでさえ高い防寒性をさらに高める。
風を通しにくく、ラノリンを含んでいるため雨や雪もはじき、汚れなどをもつきにくく、コートがわりになるほどの暖かさをもつカウチンセーター。カタチだけを真似たニセモノも多く出回っているが、『本物』のカウチンセーターは着れば着るほど味わいが深まり、親子2代(100年)は使える、まさに一生モノのセーターなのだ。
そんな『本物』のカウチンセーター(確か40,000円くらいした)を僕に売ってくれたのは、隣町のアウトドアショップのオーナーだった。
そのオーナー。かなりの偏屈者だった。自分が認めたモノしか売らなかった。それ故、オーナーの店に置いてあるのは高価な商品ばかりだったけど、そのどれもが『本物』だった。今僕が持っているレッドウイングの靴もヤフーオークションなんかに出品したら、えらい値がつくプレミアムなレッドウイングだ。勿論そのオーナーの店で買った。
オーナーは業界ではちょっと有名だったらしい。釣り好きだったオーナーには、某有名アウトドアメーカーからフィッシングベストのデザイン依頼が来るぐらいだった。
オーナーはとにかくウンチクが凄かった。買うまでにその商品についてのウンチクを延々と聞かされる。聞かされたうえで買わされる。聞かないと買えないのだ(笑)
それほど、オーナーの本物志向は徹底したものだった。
そして、『本物』に思い入れ、『本物』しか売らなかったオーナーの店は…
先日破綻した。
僕もここ数年、ファッションの嗜好が変わったこともあってオーナーの店から足が遠ざかっていたのだけど、僕に『本物』への思い入れとか、『本物』しか認めてはいけない精神を教えてくれたのはオーナーだった。
オーナーは言っていた。
「皆で同じような安物のフリースを着て、何が面白いんだ?」
僕もそう思っている。皆で同じような安物のフリースを着て、何が面白いんだ?安ければいいの?それが金科玉条なの?
『本物』を理解して、そこにお金を出す日本人は減ってしまった。
『本物』のカウチンセーターに出来る毛玉を理解する日本人は何人いるの?
「宝物」はどこかへ消え…そしてオーナーは破綻した。
オーナーの気持ちを思うと、僕も悔しくて悔しくて仕様がない。やりようのない気持ちになる。
もう、『本物』なんて必要ないのかな?
それでも僕は『本物』しか求めない。
そういう人生を送りたい。
〔text. The Gag Council〕
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