なんか競馬予想ブログみたいになってる。
月曜日から金曜日までは仕事があって忙しく、週末には競馬があるのでその予想を載せるという、そういう感じになっている。
ニュースになっていることに関して考えを書こうと思ってもニュースになった時点では忙しくて書けず、時間が経ったらタイミングを逃した感じで、時間を使ってまで書こうとは思わなくなっている。
まあでも、文楽の問題については少し書いておきたい。
橋下大阪市長が文楽の批判をしている。
その批判の内容と言うのが、中学生的というか、「オレ的基準で言うと全然ダメ」というレベルの恥知らずのものというのは色々なところで似たようなことが言われているので、これ以上は繰り返さない。
唯一客観的と言えそうな「一般(大衆)受けしていないじゃないか」という批判だけれども、それも的外れだ。というか、一般受けするために伝統から乖離していくことをこそ止めさせなければならないことであろう。
まあこれらのことは、橋下市長の標的を決めてみんなで攻撃しようといういつもの大衆迎合手法なので、べつに細かく分析していく必要はない。
ただ、問題なのは文楽まで対象にしてしまったということだ。
私は、補助金を減額することについては、当事者と話し合って決めればいいだけのことで絶対に反対というわけではない。それぞれには事情があるのであって、「(お金が)ないものはない」ということもあるわけだし。
問題なのは、橋下市長が文楽の価値を下げるようなことを言ったことだ。
補助金を減額したりするのにその相手を貶める必要性などどこにもない。
文楽を攻撃の対象にしてはいけないのは(というか、基本的には政治家が何かを攻撃の対象にするなんてことは許されないのだけれど)、大阪の価値を広めていくための大きな財産だからだ。
伝統文化というのはそれだけで価値があるのだ。
300年の伝統のものをつくろうとすれば300年かかる。歴史のあるものは失われると取り返しがつかず、それ故に高い価値がある。
それだけではなく、余所には真似することができない、その地域を特色づけるものだ。
そのようなものがなくなれば、大阪は結局「劣化東京」にすぎなくなってしまう。
まあ、橋下市長とその周辺は下記のような破廉恥な計画を打ち出しているので、劣化東京にも成れなさそうだけれど。
堺屋太一氏が提案した「10大名物づくり」
(1)道頓堀川に2キロのプールをつくり、「世界遠泳大会」を開催
(2)15年ごろに「大阪都発都記念大博覧会」を開催、シンボルとして大阪城公園と天満公園を結ぶ大歩道橋をつくる
(3)御堂筋の美術デザインストリート化
(4)大阪市内か堺市に1万平方メートルの映像「ヘクタール・ビジョン」をつくり、CMなどを上映
(5)近鉄阿倍野タワーに「驚愕(きょうがく)展望台」の設置を依頼
(6)JR大阪駅大屋根下に「空中カフェ」を再開
(7)北ヤード2期工事に高層マンションと空中緑地を実現
(8)北ヤード1期の「ナレッジキャピタル」を世界的名物になるよう改善
(9)咲洲または南港にエレクトロ・ゲーム・センターをつくる
(10)関空と舞洲を一体開発、「国際特区」にする
結局橋下市長は、偉そうなものは否定するという、中学生的なものでしかないようだ。
権威を全否定ではなく、やしきたかじんや石原慎太郎などには媚びるというようなところも、どこか中学生的。
やはり何かを期待できるような人ではなく、終わってみたら先人から受け継いできた大事なものがかなり壊れてしまって、もう取り返しがつかないというような事態になっているだろうと思う。
ということで今回の件に関しては、橋下市長は大阪の価値ある文化遺産を貶めることで、大阪に大きな損害を与えたのだということは言っておく。
彼は「民間ではそんなの通用しない」とよく言っているけれど、もし例えば日清食品株式会社の社長が、自分の独自性を打ち出すために『チキンラーメン』のことを古くさいだのと言って無意味に貶めるようなことをして、その地位を保っていられるのだろうか。