牛熊日記

趣味や関心事を中心に日記をつけてみます。

いまさらながら為替介入とは何か

2012年01月31日 18時12分21秒 | 日記

何を今更と言われそうだが、そもそも為替介入とは何であるのか。
それを調べるには、日銀のサイトにまとめがあった。

「日本銀行における外国為替市場介入事務の概要」
http://www.boj.or.jp/intl_finance/outline/expkainyu.htm/

「日本経済は、変動相場制度へ移行した1973年2月以来、趨勢的な円高基調の中でしばしば為替相場の大幅な変動を経験してきました。これに対応して、わが国では、そうした為替相場変動がもたらす実体経済への悪影響を緩和するために、しばしば外国為替市場への介入(「外国為替平衡操作」とも言われます。以下、「為替介入」ないし単に「介入」と呼ぶことにします)が行なわれてきています。」

 当然ながらドル円が360円に固定されていた時代には為替介入などは存在していなかった。
1971年のニクソン・ショックを経て1973年2月に変動相場制に移行し、それ以降の為替相場の変動の際に介入が実施された。

 介入の定義・法的位置付けとしては次のようにある。

 「為替介入とは、一般に、通貨当局が外国為替市場において、外国為替相場に影響を与えることを目的に外国為替の売買を行なうことを言います。わが国では、財務大臣が円相場の安定を実現するために用いる手段として位置付けられており、為替介入は財務大臣の権限において実施されます。日本銀行は、その際に財務大臣の代理人として、財務大臣の指示に基づいて為替介入の実務を遂行しています。」

 何で日銀ではなく、財務大臣が指示を出すのか。このあたりは米国や欧州の例と比較があるので、そちらを確認してみる。

 米国の場合には、政府<財務省>及び連邦準備制度理事会に決定権があるが、ただし、政府に優先権がある。
 ユーロエリアでは、欧州中央銀行(ECB)に決定権がある。
 英国の場合には、政府<大蔵省>及びイングランド銀行(BOE)に決定権があるが、BOEの介入は金融政策目標達成に必要な場合に限定。

 為替介入というのは当然ながら相手国がある行為であり、かなり政治的な配慮も必要とされる
このため日本では、財務大臣が売買指示を出すことにしたと思われる。
ただし、これは優先権ではなく決定権である。それはつまりFRBなどと異なり、日本の中央銀行である日銀には一切、介入の決定権はない。

 外国為替資金特別会計法は昭和26年3月30日に施行されているようだが、
為替が変動相場制に移行して以降の介入に関して、どのような取り決めがあったのは、
このあたりはのちほどもう少し調べてみたい。

為替介入の良いタイミングでは

2012年01月25日 11時40分12秒 | 日記

 本日発表された貿易統計によると、2011年の貿易収支は2兆4927億円の赤字となり、31年ぶりの貿易赤字となった。

 年間を通じての貿易赤字は避けられないとの見方は強かったが、
24日の海外市場では、WSJの「日本の輸出大国時代の終わり」などの報道もあり、
日本の貿易赤字転落が意識され、円は下落しユーロ円は101円台に乗せ、ドル円も一時77円85銭まで円安ドル高が進んだ。

 昨日のニューヨーク市場の引け後、発表されたアップルの決算が良かったことでアップルの株価が急伸したこともあるが
この円安も好感してか、本日の日経平均株価は8900円近くまで上昇している。

 ユーロ圏の信用不安については、ギリシャの債務交換協議が難航するなど予断は許さない状況にある。
しかし、市場のマインドは以前に比べ改善してきているのも確かであり、
安全資産として買われていたドイツ国債、米国債、英国債などに戻り売りが入ってきている。
このため日本の貿易赤字転落をきっかけとして、安全資産への資金流入の反動から、
円売りに流れが傾いたとしてもおかしくはない。

 つまり、これまでの円買いの巻き戻しが入りつつあり、それが日本の貿易赤字転落をきっかけにその動きを強めている。

 ここは為替介入、つまり円売り介入には絶好のタイミングではなかろうか。

 個人的には相場を人為的に動かそうとする、為替介入そのものには反対である。
それでも介入はやる、というのならばタイミングが重要であり、いまがその良いタイミングではなかろうか。
さらなる貿易赤字の解消のための介入ならば、目的も明確となる。
(ただし、欧米諸国の理解を得るのは難しいであろうが)

 円買いの勢いが強い際の介入は効果は薄く、むしろ投機筋の標的にされる懸念がある。

 しかし、その勢いに衰えが見えた際には、介入はかなり効果的なものになりうる。
市場参加者の間で円が売られ始め、そろそろ円を売ろうかと迷い始めているところに介入、となれば
押し上げ介入ともなり、巻き戻しにより円を売る動きが強まることが予想される。

 また、貿易赤字により日本の国際競争力の低下などが意識され、円安は日本売りなども連想されやすいが
介入での円安となれば、円安に対する解釈も違ったものになりうる。
ただし、今のところ日本の株も債券もしっかりしているので、日本売りといった連想は働いてはいないが。

今回も全員一致で現状維持

2012年01月24日 18時58分53秒 | 日記

ここに9人の専門家がいるとしよう。
それぞれ得意分野を持っている。
そして、この9人は合議制というか委員会制度で重要なことを決めなくてはならない。
もちろん事前の打ち合わせとか、すり合わせとかはしないのが前提。
ただし、事前に現在、その決め事に影響しうることについて、
専門家を補佐する人がおり、専門家はその意見を聞くことになる。
もちろんそれ以外に、いろいろな人に意見を聞く場もあろう。
そんな9人が集まって、何かを決めるとき、意見が全員揃うということのほうが希ではなかろうか。
しかし、これが金融政策になると、なぜか意見がまとまってしまうのである。
これはやはりおかしな事ではなかろうか。何故、反対意見が出てこないのか。
しかも政策が変更されても、これまた全員一致という不可思議な事態も起こりうる。
日本人の気質として大勢に逆らわないというのがあるが、それをここで発揮しなくても良いのではなかろうか。
今年最初の金融政策決定会合も全員一致で現状維持であった。


なぜ海外投資家は日本国債を買っているのか

2012年01月23日 16時55分17秒 | 日記

日本国債に対する海外投資家の保有額が増加しつつあり、
このためいずれ海外投資家が保有する日本国債を売ることで、
日本国債が急落するとの記事があったようであるがこれは少しおかしい。

この記事を見た方から、これはどう思うかとの質問があったので
あらためてその質問に、ここでお答えしたい。

そもそも、ここにきて日本国債の海外保有が増加しているのは短期債主体である。

12月の公社債投資家別売買状況を見ると、海外投資家は11兆7291億円の買い越しとなっているが、
このうち短期債を10兆6589億円も買い越しているのである。
金額は確かに大きいが、海外投資家が日本国債を買い支えているわけではない。

この記事によると新規国債約43兆円のうち約16兆円を海外投資家が購入しているとあるようだが、
これは正しいようで正しくはない。そもそも今年度の新規財源債は44.3兆円である(細かい指摘で失礼)。
しかも新規国債ではなく、今年度の国債発行総額約182兆円(四次補正後)と比べるべきであろう。

さらに買っているのが短期国債主体であり、短期市場には確かにその影響は多少出ている。
それはあくまで日銀の基金オペに札割れが発生したり、政府短期証券が0.1%以下で入札されたりと
需給がかなりタイトになってしまっているためであるが、ここにもし外人売りが入ればむしろ需給は緩和される。

この記事では、イタリアが過去に海外保有が増加して、それがイタリアの国債売りの要因となり
あたかも海外投資家保有が増加すると危険みたいに書かれていたが、
そもそもイタリアはユーロに加盟し、ユーロ圏の国債としては発行額が大きく利回りも比較的高く
ユーロ圏の国々から実需の買いが入っていたことで、その意味ではその後の売りに繋がった。
しかし、日本国債については残念ながら、利回り等の魅力で長期債などが海外投資家に買われているわけではない。
海外保有率が高いと危険というのならば、米国債などのほうがよほど危険に見えてしまう。

少なくとも、海外投資家は日本国債を売り崩したくて買っているわけではなく
ほかに大量に購入できて流動性も高い「安全商品」があまりないので、日本国債を買っているにすぎない。
そもそも急落させるために買う投資家などがいるわけはない。

何故、相場は予測できないのか

2012年01月20日 17時04分25秒 | 日記

相場は予測できない。何故なのか。
相場で形成される価格、特に債券や株式などの価格は
市場参加者が売買する際に注目しているものが変化してくるためである。

価格を構成する要素はいくつもあるが、そのうち何の比重が大きいのかを数値で表すことはできない。
それは価格から、いや相場の感覚から推測するほかはない。

外から見ると、同じような材料なのに相場の反応が異なるのは理解が難しいであろう。
それは相場を取り巻く空気が変化するためであり、
その空気が読めないと、相場そのものも読めなくなる。
しかも、その空気が移ろいやすいので、さらに相場を読みにくくさせている。

相場に勝つには、気持ちの入れ替えが必要というよりも、それまでの固定観念を捨て去る切り替えが重要になる。

S&Pの格下げで、なんでユーロが買われるのか。それは相場の空気が変わっていたためである。

欧州の信用不安はそんなに簡単に解消できるようなものではない。
現実にそうかもしれないが、その思い込みでポジションを抱えたままにするのは危険が伴う。
空気の変わりようは市場参加者もかなり気がついており、いったん逃げようと構えている。
だから、ユーロに対しての悪材料には反応薄となる半面、好材料には敏感に反応するようになる。
いわゆるポジションの巻き戻しが起きていると、その流れに逆らうべきではない。
そして、その動きが一巡後、あらためて相場を動かす要素の何に比重がかかっているかを探ることが重要となる。

こんな相場の世界を機械的に予測しようとすることに無理がある。
相場は人が作っている。だからといって人の集団行動を元にして予測が可能になるわけではない。
それというのもその集団行動を制するものが、今後、何になるのかが予測困難なためである。
そして、その集団行動を制するものへの注目度も変化することで、なおのこと予測を困難にしている。


格付け会社と距離を置きだした市場

2012年01月19日 19時26分52秒 | 日記

S&Pのユーロ圏9か国とEFSFの格下げは、織り込み済みとはいえ
これまでのユーロ圏の国債の格下げ時と明らかに反応が違った。
えっ、格下げもするのか、といったケースがこれまで多かったものが
今回はまだ格下げしないのか、遅いなあ、やっとしたか、との印象だったようである。
これはユーロ圏の信用不安そのものの空気というか流れが変わった証拠なのかもしれない。

日本の不良債権問題のときも、2003年の足利銀行の経営破綻が明るみに出た際とかは
これで金融システム問題がさらに悪化するぞ、というより、これでもう金融機関の悪化には歯止めが掛かるとの印象であり
その後は不良債権問題は市場で悪材料視されなくなっていったが、
欧州でも同様な雰囲気になりつつあるのであろうか。

ギリシャについてはデフォルトの可能性を指摘する声もあるが、それを避けるだけの努力も可能なのではないか。
ユーロ圏の銀行に対しても残るが、少なくともイタリアなどの国債利回りの上昇には少し飽きた印象がある。

そもそもなんでイタリアの国債が売られなければならなかったのか、しっかりした説明ができるであろうか。
ギリシャは本当の財政赤字を隠し、アイルランドは金融の問題が政府財政にも影響を及ぼした。
しかし、ポルトガルやスペイン、イタリアあたりはとばっちりを食らっただけではなかろうか。
たしかに政治の問題もあったかもしれないが、格付け会社の格下げに市場が煽られた側面もあったのではなかろうか。
これらの国の債務状況は良くはない。しかし、債務状況でみるならば、もっと売られてもよい国債もあったはず。

格付け会社と市場が距離を置きだしたように見えるということは、
欧州の信用不安の問題は、少し違った局面に入りつつあるということなのかもしれない。

電子化も含めて遅れている教育機関

2012年01月18日 18時01分09秒 | 日記

電子化が最も早くから進んでいた業種が金融であったと思う。
銀行のシステム化、そして証券取引の電子化などはかなり古くから進められた。
その後、一般企業や役所の電子化も進み、パソコンがデスクの上にあるのが普通の光景となった。

しかし、それに対して電子化が遅れていた業種に、医療機関がある。
早期に導入していたところもあろうが、カルテの電子化などはかなり遅れていたように思う。

それ以上に電子化が遅れているものに、教育機関がある。
先生の机の上や、パソコン教室にはパソコンは置いてあるかもしれないが
先生方はあくまでテストの集計等などに用いて、パソコン教室はあくまで使い方を学習するところである。
つまり一番肝心の子ども達は、いまだに紙ベースのデータを用いて学習にあたっている。
それはつまり重い教科書とか副読本、先生から配られる連絡用紙等々のことである。

これらはすべて電子化でき、しかもiPadなどを使えば、
必要な本のデータのみならず、電子辞書や電子辞典も組み込め、さらに動画での解説も可能となる。
想像を駆使すれば、かなり面白いシステムも構築できよう。
ネットワークを繋げれば、先生とのやりとりも簡単にできるし、
黒板を写すという行為も必要なくなってくる(これが良いことかどうかはさておき)。

私は教育に携わっているわけではなく、電子化に関わる専門知識も持ち合わせてはいないが
アップルがこの教育に手を伸ばそうとしているということは、やはり未開の地であると思われる。

本来、子どもの教育は最も重点が置かれるべきものであるはずが
たとえば、学校のトイレ、また冷暖房などの設備をみても
父親や母親が働いている環境と比べて、まさに雲泥の差というか天と地の違いがあろう。
子どもだから我慢させるのもおかしい。
国の宝であれば、少なくとも親のいる環境と同クラスの環境があってもしかるべきではなかろうか。
国の予算も限られているかもしれないが、たとえば教科書を電子化すればむしろ予算も減らせるのではなかろうか。

子どもの将来のことを考えれば、電子化に慣れるためにも、電子化を早めることも重要であると思う。
インドでは教育向けの安価なタブレット端末も販売していると聞く。このあたりは日本はお得意の分野ではないのか。
日本もまずは国の基礎ともなりうる子どもの教育のため、旧来型の壁を取り払い
教育の環境整備を急ぐことは、今後の国の発展にとっても重要であると思う。
少なくとも、子ども手当といった発想よりも、その費用で教育環境の充実のほうが費用対効果もあるように思うのだが。

体調が知らせた、ポジションを切るタイミング

2012年01月14日 09時59分50秒 | 日記

相場に法則性はなく、いわゆる儲かるシステム売買は存在しないものの
テクニカル分析はディーリングにとってはたいへん重要である。
少し矛盾してしまうかもしれないが、相場には決められた法則性はない。
価格を決定する要因が多岐にわたり、そしてその比重がころころと変わるためである。

しかし、相場にはクセがある。
さきほど規則性はないと言い切ったではないかと、言われそうだが
この場合の規則性とは、似通った相場状況であり、まったく同じようなものではない。
この風景、確かどこかで見かけたことがあるような、といった感覚のものである。
それを感じ取れるかどうかは数字では表現できず、まさに感性に頼ることとなる。

儲けるのがうまいディーラーは、この感性がまさに研ぎ澄まされており、
経験の蓄積により、相場を動かす材料とかではなく、価格の変動だけで何か起こりうることを予見しうるのである。

私は残念ながら天才ディーラーではなく、このあたりの情報はテクニカル分析などにも頼ることとなった。
ストキャスティックやオリジナルのテクニカル分析を参考にして、相場を仕掛ける方向性を探っていた。
しかし、それが常に当たるわけではない。それでもなんとか勝率を上げることを心がけていた。

そして、長らくディーリングを続けられた大きな要因として、損失を極力、限定させられたことも大きかった。
このあたりは経験則によるものなのか良くわからないが、
自分の持っているポジションが怪しくなると、体調に異変をきたしていたのである。
虫の知らせのようなことが、起きたわけだが、からだが勝手に危険信号を送ってきたのである。

そうはいっても、それですぐに対処できるものではなかったが、
結果的に損失が発生していたポジションを切るという選択が可能になった。
損失を限定してしまえば、あとから何とかその損失分は取り戻せるものである。
しかし、ポジションをそのまま抱えてしまうと、取り返しの付かない損失が発生するのが相場の世界でもある。

相場の善し悪しは危険な状況のときに切れる勇気が持てるかどうかで決まると思っている。
それが私の場合は、何故か体調変化に助けられていたということであった。

あなただけに教える、儲かるシステム売買?

2012年01月12日 18時11分50秒 | 日記

私は債券先物の東証上場1年後の1986年から、2000年代にかけて長きに渡り債券先物や国債現物のディーラーであった。
その経験を生かして、ここであなただけに債券先物を使って儲かるをお教えしよう(ただし、最後の注意書きは必読)。

それはたいへん簡単な法則を使って債券先物を売買するのである。
これは他の方には絶対に、教えないでいただきたい。
ほかの人がこの売買手法を知ってしまうと、あっという間に広がって規則性が成り立たないためである。
その手法は意外に簡単なものである。複雑なものよりも単純な方が意外に儲かる、これ鉄則である。

それではさっそく、その手法をお教えしよう。

債券先物中心限月で、前日、引け値が寄付に比べて下がっていたら
当日の債券先物は寄付で売って、それを引けで買い戻すのである。
それだけである。
債券先物の中心限月は、特に大きな材料が出ない限り、前日の地合を引き継ぎやすい。
この売買手法はその特性を利用したものである。

試しに2011年の1月から12月まで、この手法で売買を行うと、1円79銭もの利益が発生した。
1枚立てていれば、粗利益は179万円になる。ちなみに、いま債券先物の1枚あたりの証拠金は50万円程度である。
この手法を使えば、あなたも確実に儲けることができる、なんてことはあるわけない!。

注意書き !!

だまされてはいけない。これで儲かるなんて実は誰も保証できない。
ただし、この手法で2011年に1円79銭の利益が発生するのは、試算すると確かである。
実はここにシステム売買のカラクリがある。
過去のデータを利用すれば、いくらでも儲かったシステム売買は作り出せるのである。
「儲かる」システムではなく、「儲かった」システムであることに注意してほしい。
今回、いかにもありそうな売買手法に見えたかもしれないが、
これはあくまで単純な計算で、プラスが発生するようにエクセルの関数を使って作り出したものである。
問題は「これから」同じ事をやって、儲かる保証は一切ないことである。

パソコンの普及とともに、債券ディーリングが盛んとなっていた1990年代に
ロータス123などを使い、いろいろな移動平均線など組み合わせるなど、多くの債券ディーラーはシミュレートを試みていた。
しかし、錬金術と同様に儲かるシステムなど作り出したものはいなかったのである。
それは私の14年以上のディーラー経験から断言できる。
そんなことはないと言うのならば、それはご自由に、ただし相場は自己責任で、と言うほかはない。
相場に規則性などない。だからこそ儲かるシステム手法など存在しないのである。

相場をコントロールすることはできないし、物価も同様

2012年01月11日 17時10分53秒 | 日記

いまさら相場や投資のことなどを書いても、関心ある人は少ないかもしれないが、
今日は昔、ディーラーを長らく経験した者として、ひとつアドバイスしたい。

投資とは、何かしらの商品の価格の動きを予測して利益を得ようとするものである。
つまりはお金でお金を稼ごうという、まさに錬金術の世界である。
魑魅魍魎がうようよしている世界であり、そんな世界に何かしらの法則なんていうものは存在しない。
相場の世界では、いたるところブラックスワンだらけである。

そんなことはないというのならば、今回のユーロ圏の信用不安を適格に予測できたのか問いたい。
つまり相場には法則性なんてものは存在せず、相場で儲けられる普遍の方法など、ありはしない。

それはつまり、相場にはこれがこれだけ動けば、こちらはこうなるといった方程式はない。
相場はそれに携わる者たちの思惑や欲望により形成されているためであり、
だからこそギリシャ・ショックなどが発生すれば一方方向に振れてしまうことになる。

このような相場の怖さを知らない者が、日銀が物価をコントロール可能などと考えてしまうのであろうか。
物価を金融でコントロールすることは、金利などが統制された経済であればともかく、市場経済ではかなり無理がある。
もちろん理屈の上ではできなくはなく、たとえば信用などおかまいなしに行えばインフレ創出は可能となろうし
無理矢理なインフレ抑制も可能かもしれないが、それには大きな代償を伴う。
さらにそれを行う結果として、マーケットで何が起きるのか想像すらできない怖さも伴う。
マーケットを無理矢理コントロールしようとすれば、マーケットはそれに対し反撃を加えるし、もしくは隙を突く。
今の欧州が良い例であろう。

少なくともデフレ解消のためのマイルドなインフレの創出など、日銀の金融政策だけでは無理がある。
そんなことはないと言うのであれば、一度でも良いから国債先物でも売買してみると良い。
理論理屈で金融市場が動くものでないことや、市場の怖さといったものも売買すれば実感として理解できる。
市場価格は研究室や会議室で決められているのではなく、現場であるマーケットで形成されているのである。