牛熊日記

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格付け会社と距離を置きだした市場

2012年01月19日 19時26分52秒 | 日記

S&Pのユーロ圏9か国とEFSFの格下げは、織り込み済みとはいえ
これまでのユーロ圏の国債の格下げ時と明らかに反応が違った。
えっ、格下げもするのか、といったケースがこれまで多かったものが
今回はまだ格下げしないのか、遅いなあ、やっとしたか、との印象だったようである。
これはユーロ圏の信用不安そのものの空気というか流れが変わった証拠なのかもしれない。

日本の不良債権問題のときも、2003年の足利銀行の経営破綻が明るみに出た際とかは
これで金融システム問題がさらに悪化するぞ、というより、これでもう金融機関の悪化には歯止めが掛かるとの印象であり
その後は不良債権問題は市場で悪材料視されなくなっていったが、
欧州でも同様な雰囲気になりつつあるのであろうか。

ギリシャについてはデフォルトの可能性を指摘する声もあるが、それを避けるだけの努力も可能なのではないか。
ユーロ圏の銀行に対しても残るが、少なくともイタリアなどの国債利回りの上昇には少し飽きた印象がある。

そもそもなんでイタリアの国債が売られなければならなかったのか、しっかりした説明ができるであろうか。
ギリシャは本当の財政赤字を隠し、アイルランドは金融の問題が政府財政にも影響を及ぼした。
しかし、ポルトガルやスペイン、イタリアあたりはとばっちりを食らっただけではなかろうか。
たしかに政治の問題もあったかもしれないが、格付け会社の格下げに市場が煽られた側面もあったのではなかろうか。
これらの国の債務状況は良くはない。しかし、債務状況でみるならば、もっと売られてもよい国債もあったはず。

格付け会社と市場が距離を置きだしたように見えるということは、
欧州の信用不安の問題は、少し違った局面に入りつつあるということなのかもしれない。

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