「侍っ子」関谷ひさし

ＭＳＳの復刊シリーズで高野よしてる「13号発進せよ」を
当時としてはかなりリアルでうまい絵だと思い、
懐かしくて購入して読んでみたら、チョット話の方が、
相当に行きあたりばったりのとんでもない展開で驚いた。
いまならギャグマンガとして読まれる内容だろう。

逆に関谷ひさしのＭＳＳシリーズを読んで、
当時は本当に楽しく読んでいただけで、絵がうまいとか
そんなことは全然考えたこともなかったですが、
ええ～、当時にしてこんなに絵がうまい作家だったんだと
あらためてビックリいたしました。
こりゃ、他のＭＳＳの関谷先生の作品は全部集めないと、

と、思っていたところでした。
そうしたら本屋でばったりこの本に出会いました。
http://www.amazon.co.jp/侍っ子-関谷-ひさし/dp/4575300896

去年亡くなられたことは知っていましたが、
まさかその８０歳で亡くなられる前に１０年描けた未発表の
作品があったとは！コツコツと描きためた２００頁！！
それが今回のこの単行本。

素晴らしすぎます！
あとがきでも皆さんが書いてますが、ブランクとか
年取って枯れた感じとかが全然ありません。
ずっとずっと描き続けておられたんですね。
生き生きとした線で描かれたこの物語は、
作者の人の良さと情熱が沁みこんでいるような作品です。

正直、本当に感動してしまいました。
頭が、いえ感性が年とらなければ
作品が年とるなんてことはないのですね。

願わくばこの本が遺稿という形で出ずに、これに続けて
もっと関谷先生の作品が読みたかったと心から思いました。