大和浪漫

私、瓜亀仙人が奈良・大和路の社寺や自然、生活の様子などをお伝えしたいと思います。

奈良盆地の霧

2012年12月04日 | 奈良・大和路
今朝は雨やけど、昨日の朝はもの凄く濃い霧やった。
盆地特有の放射冷却により霧が発生したから。
運転が大変で・・・
久々の霧やったので、フォグランプのスイッチがどこか分からへんし!
写真は三輪山にかかる霧。
三輪山の右隣り(東側)がダンノダイラ。

@奈良盆地の霧
奈良県ではよく霧が発生しますが、様々な原因によって発生しています。
まず東部山間部では滑昇霧が発生し、奈良盆地では放射霧、紀ノ川や大和川では蒸発霧が発生します。またこれら複数の要因で発生する事もあります。
奈良盆地での発生時期は春から秋先にかけて最も多く、特に10月、11月に多く発生しています。山間部では暖候期(4月~9月)に発生する山霧も多く見られます。
霧の発生時刻としては朝の4時から6時、消滅時刻は朝の7時から8時が最も多く、継続時間は4~5時間が多く、短いものでは10分程度、長いものでは10時間ぐらい続くものもあります。
発生数は年平均で約11回発生しています。近年、霧の発生は著しく減少しています。これは都市化の進行によるものと考えられています。 

奈良県北西部のような盆地で発生しやすい放射霧について主に説明します。
その前に「放射冷却」という言葉について説明します。
晴天の日、地面付近では日射によって日中気温が上がりますが、日が沈むと日射がなくなります。地面からはいつでも大気に向かって放射熱が出ています。日中は地面に吸収される日射の方が地面からの熱放射よりも多いため地面が温められ、気温は上昇します。しかし日没から日の出までは、地面からの熱放射のため、地面が冷えて気温も下がります。
これを放射冷却といいます。しかし曇りの天気の場合は、雲から地面に向かう熱放射があるため地面が冷えにくく、晴天時ほどは気温が下がりません。
夜間の放射冷却は、地面付近の風が弱いほど進みやすいです。盆地は周囲が山に囲まれていて、風が弱いため夜間は強い放射冷却により急激に気温が下がります。このとき地面付近が適度に湿っていると、空気はやがて飽和に達して、霧が発生するのです。また発生した霧は盆地では風が弱いため流されることがあまりなく、日射が出る朝のうちまで残ることが多いのです。このように盆地は地形的に霧が発生しやすく、また霧が長く滞留しやすいのです。

放射霧以外に、冷たい空気が水温の高い川の上を流れてできる「蒸発霧」(または川霧)、山を登る気流の冷却によって、水蒸気が凝結して形成される「滑昇霧」(または山霧)等があります。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kazuyoo60)
2012-12-04 11:14:38
濃霧だとは来客者から聞きました。晩秋初冬の風物詩ですね。
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Unknown (瓜亀仙人)
2012-12-04 18:13:52
昨日は三輪山を覆う霧でした。
今朝は、三輪山から雲が天に昇っていくのが見えました。
三輪山は本当に素敵な山です。
毎日眺めて生活をしています。
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Unknown (Unknown)
2012-12-05 08:09:56
三輪山を しかも 隠すか 雲谷も
こころあらなむ 隠そうべしや

先日、「大津の皇子をしのぶ」歩き会でも、畝傍山に深く霧がかかっていました。霧のかなたの万葉の人たちのひそやかな言霊が聞こえるような気がしました。
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Unknown (瓜亀仙人)
2012-12-05 18:58:20
ももりさんへ
三輪山と二上山を見ながら毎日暮らせているのは、贅沢なんでしょうね。
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