東北歴史博物館で6月23日まで開催中。
面白いエキシビでした。
だがもうちょっと量があるといい。というか、あるべきだなー。
え、これで終わり?と思った。入場料も若干お安めとはいえ物足りない。
でも内容はとても良かった。
展示物は「スーパークローン」という技術で作った模作。全部模作。
模作というとテンションが上がらない気がするが、今時の技術はすごいんですよ。
すっかりその気になった。
※※※※※※※※※※※※
法隆寺の金堂本尊は本物に見えました。黙って見せられたら絶対わからないな。
あれはたしか、あまり近くに寄って見ることが出来ない仏様なんですよね。
なので今回、間近で見上げられたのが嬉しかった。仏像としてのありがたささえ漂う。
毎回思うんですけど、あの脇侍仏(何の菩薩かは不明らしい)の頭身は激しくオカシイですよね。
顔が何しろ巨大。多分5頭身くらい。股下も全体の4分の1しかないのではないかと思うくらい短足。
いかにも百済から影響を受けましたよ、というような造型。
法隆寺には百済観音と呼ばれているほっそりした仏像もあるが、
それとは別で、頭身が大きすぎて子供みたいに見える造型の方。
そして周りには焼失した金堂壁画の復元がずらりと。これは見たこともないわけだから、
本物みたい!とも言えないわけだが、繊細な線で描かれた美しい菩薩たち。
一つ一つ相当顔が違って見えるので、複数人が描いたのだろうと想像される。
人体のバランス的にも手練れ感がある。
わたしはこの頃の仏教美術は渡来人がメインになって作っていると思っているんだよね。
止利仏師は渡来系だそうだ。まだ生硬な造型。
百済観音は優美で、これは渡来人が作ったのだろうと想像する。
謎めいていて魅力的ですよね。これは物語を作りたい気がする。
金堂壁画と釈迦三尊。環境展示で復元してくれて嬉しかった。
タジキスタンのペンジケント遺跡からとった「ハープを奏でる女性像」も良かったな。
中央アジアは行ったことがないが、叶うのであれば行きたいところだ。
ウイグル自治区のキジル石窟の壁画も良かった。……が、何を描いているのか説明が欲しかったね。
わたしはハーレムに見えたのだが。ハマムに集う女たち。
ウイグル自治区だとハーレムはないですか。どうですか。
莫高窟の第57窟の復元も。莫高窟も行けないだろうなと思うところ。
今回のエキシビは空いてたので(^^;)、実際に行くよりも敬虔な気持ちで見られたかもしれない。
そしてびっくりしたのが、最後の部屋で突然セザンヌが出て来ること。
「はっ?」と、我ながらおかしいくらい動揺した。
ここはドコ?わたしはダレ?という状態になった。
セザンヌとゴッホの「自画像」と「オーヴェールの教会」とマネの「笛を吹く少年」と……8作品くらい。
これもスーパークローン技術だと筆致も再現出来て、本物にしか見えない。
うわあ、と思った。
ゴッホの自画像には変幻光というものが当てられていて、
一瞬見ただけだと気づかないんだけど、部分的に陽炎のように揺らめくようになっているの。
顔が揺らめいたり、体が揺らめいたり、背景が揺らめいたり。
正直、美術を鑑賞する場合は全く要らないと思うけど、こんなことも出来ますよという誇示。
あとマネの「笛を吹く少年」の復元と、そこから3Dに起こした彫刻があったこと。
これも技術的に、こういうことも出来るんですよという誇示。
まあ周知しないと利用しようという人も出てこないからね。
その後、最後の展示は浮世絵だった。
浮世絵は版画なのでそもそも何枚も刷られたものだし、あまりスーパークローンの有難みを
感じないけどね。
※※※※※※※※※※※※
そして実は、今回のエキシビで最も感銘を受けたことは別にある。
香りの多用。です。
最初の展示室である法隆寺金堂再現でもお香のいい香りが漂っていた。
前に、室生寺だったかなー、高野山だったかなー、値段の高い(^^;)いいお香を焚いていた
エキシビがあって、だいぶお得感があったものだが。
今回もいい香りのお香。お香好きなので、しめしめ(?)と思った。
そしたら、2巡目をした時に気づいたんですけど(展示数が少なかったので物足りず3巡くらいした)、
バーミヤンではインド香っぽい甘いお香に変えてるのね!
うわー、凝ってる~!と感心し、さらに浮世絵コーナーでは8枚ある浮世絵の1枚1枚に、
別な香りがつけられていると解説され、画面を触ってその香りを楽しむようにと書いてある。
ここでスーパークローン技術が活きてくるわけですよ。画面が触れる。
しっかりお香を愉しみました。
このお香にしても、写真撮影OKということにしても、ポスターで大々的に謳っても
良い部分じゃないかと思うんだけどね?
チラシにも全然載ってないけど、ポスターとかに載せておけば、20人に1人くらいの割合で、
お香に反応する人もいるんじゃないかな。数字に根拠はないけれども。
そして写真撮影OK、SNS投稿OKということに関しては、……前にも何かのエキシビで
「しまった!」と思ったが。先に言ってくれればデジカメ持っていくのにさ。
悔しいので、スマホでも何枚かは撮ってきたけれども、デジカメだったらもっとガシャガシャ撮ったのに。
そしてガンガン上げたのに。
スマホからパソコンに送るのがめんどくさくて。
東北歴史博物館は、わたしがいうのも何だが、まだまだエキシビ慣れしていないと感じる。
今後とも頑張ってくださいね。
仙台市博物館より、宮城県美術館より、遠いところまでわざわざ行くんだからね。
楽しませてくださいね。
面白いエキシビでした。
だがもうちょっと量があるといい。というか、あるべきだなー。
え、これで終わり?と思った。入場料も若干お安めとはいえ物足りない。
でも内容はとても良かった。
展示物は「スーパークローン」という技術で作った模作。全部模作。
模作というとテンションが上がらない気がするが、今時の技術はすごいんですよ。
すっかりその気になった。
※※※※※※※※※※※※
法隆寺の金堂本尊は本物に見えました。黙って見せられたら絶対わからないな。
あれはたしか、あまり近くに寄って見ることが出来ない仏様なんですよね。
なので今回、間近で見上げられたのが嬉しかった。仏像としてのありがたささえ漂う。
毎回思うんですけど、あの脇侍仏(何の菩薩かは不明らしい)の頭身は激しくオカシイですよね。
顔が何しろ巨大。多分5頭身くらい。股下も全体の4分の1しかないのではないかと思うくらい短足。
いかにも百済から影響を受けましたよ、というような造型。
法隆寺には百済観音と呼ばれているほっそりした仏像もあるが、
それとは別で、頭身が大きすぎて子供みたいに見える造型の方。
そして周りには焼失した金堂壁画の復元がずらりと。これは見たこともないわけだから、
本物みたい!とも言えないわけだが、繊細な線で描かれた美しい菩薩たち。
一つ一つ相当顔が違って見えるので、複数人が描いたのだろうと想像される。
人体のバランス的にも手練れ感がある。
わたしはこの頃の仏教美術は渡来人がメインになって作っていると思っているんだよね。
止利仏師は渡来系だそうだ。まだ生硬な造型。
百済観音は優美で、これは渡来人が作ったのだろうと想像する。
謎めいていて魅力的ですよね。これは物語を作りたい気がする。
金堂壁画と釈迦三尊。環境展示で復元してくれて嬉しかった。
タジキスタンのペンジケント遺跡からとった「ハープを奏でる女性像」も良かったな。
中央アジアは行ったことがないが、叶うのであれば行きたいところだ。
ウイグル自治区のキジル石窟の壁画も良かった。……が、何を描いているのか説明が欲しかったね。
わたしはハーレムに見えたのだが。ハマムに集う女たち。
ウイグル自治区だとハーレムはないですか。どうですか。
莫高窟の第57窟の復元も。莫高窟も行けないだろうなと思うところ。
今回のエキシビは空いてたので(^^;)、実際に行くよりも敬虔な気持ちで見られたかもしれない。
そしてびっくりしたのが、最後の部屋で突然セザンヌが出て来ること。
「はっ?」と、我ながらおかしいくらい動揺した。
ここはドコ?わたしはダレ?という状態になった。
セザンヌとゴッホの「自画像」と「オーヴェールの教会」とマネの「笛を吹く少年」と……8作品くらい。
これもスーパークローン技術だと筆致も再現出来て、本物にしか見えない。
うわあ、と思った。
ゴッホの自画像には変幻光というものが当てられていて、
一瞬見ただけだと気づかないんだけど、部分的に陽炎のように揺らめくようになっているの。
顔が揺らめいたり、体が揺らめいたり、背景が揺らめいたり。
正直、美術を鑑賞する場合は全く要らないと思うけど、こんなことも出来ますよという誇示。
あとマネの「笛を吹く少年」の復元と、そこから3Dに起こした彫刻があったこと。
これも技術的に、こういうことも出来るんですよという誇示。
まあ周知しないと利用しようという人も出てこないからね。
その後、最後の展示は浮世絵だった。
浮世絵は版画なのでそもそも何枚も刷られたものだし、あまりスーパークローンの有難みを
感じないけどね。
※※※※※※※※※※※※
そして実は、今回のエキシビで最も感銘を受けたことは別にある。
香りの多用。です。
最初の展示室である法隆寺金堂再現でもお香のいい香りが漂っていた。
前に、室生寺だったかなー、高野山だったかなー、値段の高い(^^;)いいお香を焚いていた
エキシビがあって、だいぶお得感があったものだが。
今回もいい香りのお香。お香好きなので、しめしめ(?)と思った。
そしたら、2巡目をした時に気づいたんですけど(展示数が少なかったので物足りず3巡くらいした)、
バーミヤンではインド香っぽい甘いお香に変えてるのね!
うわー、凝ってる~!と感心し、さらに浮世絵コーナーでは8枚ある浮世絵の1枚1枚に、
別な香りがつけられていると解説され、画面を触ってその香りを楽しむようにと書いてある。
ここでスーパークローン技術が活きてくるわけですよ。画面が触れる。
しっかりお香を愉しみました。
このお香にしても、写真撮影OKということにしても、ポスターで大々的に謳っても
良い部分じゃないかと思うんだけどね?
チラシにも全然載ってないけど、ポスターとかに載せておけば、20人に1人くらいの割合で、
お香に反応する人もいるんじゃないかな。数字に根拠はないけれども。
そして写真撮影OK、SNS投稿OKということに関しては、……前にも何かのエキシビで
「しまった!」と思ったが。先に言ってくれればデジカメ持っていくのにさ。
悔しいので、スマホでも何枚かは撮ってきたけれども、デジカメだったらもっとガシャガシャ撮ったのに。
そしてガンガン上げたのに。
スマホからパソコンに送るのがめんどくさくて。
東北歴史博物館は、わたしがいうのも何だが、まだまだエキシビ慣れしていないと感じる。
今後とも頑張ってくださいね。
仙台市博物館より、宮城県美術館より、遠いところまでわざわざ行くんだからね。
楽しませてくださいね。
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