Cogitatum qua cogitatum

ちょこちょこっと載せています。

国立西洋美術館に行ってきました

2008年09月02日 18時33分33秒 | PENTAX ME

8月31日、国立西洋美術館の特別展「コロー 光と追憶の変奏曲」の最終日に行ってきました。

展覧会に行くのは何年ぶりかです。昔、ブリヂストン美術館で『ヴィル・ダブレー』を見てからコローは好きでして。風景にしても絵画には絵画のよさがあって。絵画でしかできないことって凄いですね。簡単な例でも風景の前景と遠景をぼかして間にある教会の尖塔だけがシャープにするなんて、写真で出来るんでしょうか?ましてや、空気遠近法(遠くのものほど霞んで見えるのを使った遠近法)を逃れてそれをするなんて、絵画でしか出来ないのではー?と素人ながらに思ったものでした。

芸術については素人な私なりのコローの見方なんですが、風景画の場合は、描かれている影を手がかりに太陽の位置を考えて想像してみると、なんだかハッとします。つまり、想像の光を加えるんです(なんて大袈裟なことを言ってみました)。そうしてみると勝手ながら、コローさんの画と自分の感覚とを「なんだか同じだ」と思ってしまいます。なんだか絵の中の「そこ」が実際の風景として現前しているかのような感覚になるんです。そして、その時が感情が!

絵画の風景画って現実とは形象も色彩もかけ離れていながら、しかし写真よりも現実的であって、逆に現実そのままの写真(と言っても勿論、写真は既にありのままのものの像が変様されているものだと思っていますが)は、なんだか無機質で現実離れしていたり。




さて、国立西洋美術館の建物を出たら天気が回復していました。



写真は、国立西洋美術館の屋外に展示してあるブールデル「弓をひくヘラクレス」です。「へラクレスが怪鳥ステュムファリデスを射るために渾身の力で弓をひき、まさに矢を放とうとする瞬間を捉えている。」 ( 国立西洋美術館HPより ) のだそうです。しかし、安心して下さい。怪鳥ステュファリデスはいませんでしたそれにしても、筋肉の躍動感。力強い後姿ですね。




ロダンの『地獄の門』もあります!



地獄の直ぐ傍まで来た記念か何かのように門を背景に写真を撮る少年がいたり。なんだか変な感じです。門の向こう側は上野駅。上野駅は地獄??

それはさておき。この写真、MEにリバーサルフィルムのTOREBI 100Cを入れて撮ったんですが、露出補正をマイナスにかけたつもりが、プラスになっていたという始末(黒いものが大きい範囲を占めているものをそのまま写真に撮ると、カメラは黒がグレーになるように撮ってしまいます。なので、本来の黒さを出す為には露出補正でマイナス補正をかけれるんです。真っ白いものはその逆。)。使い慣れていないとこんなことがって感じですね。次からはちゃんと段階露出(段階的に露出を変えて一つの構図で何枚かの写真を撮ること)をしようと思います。ちなみに、うちのMEの露出計は、ほぼ一段ずれていたので、ISO 100のフィルムですが、カメラの方のASA感度を50に合わせて撮ってきました




ところでですが、国立美術館を後にしてからは、東照宮の方に向かいました。



フィルムが余っていたんです。フィルムが余っているというのは私にとっては重要。暑いし疲れたからそのまま帰ろうかなって時でも、中途半端にフィルムが余っていると、写真を撮りに帰るのをやめて歩き出したりです。カメラがあると、そこにいる時間も長くなるんですね。でもデジカメだと、そうはならないんです




というわけで、今度は東京都美術館の「フェルメール展」に行こうかなぁ。








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