今日の絵本は "Dr. Seuss's ABC" です。まずはYouTubeにアップされている読み聞かせからどうぞ。念のため、下記です。
http://www.youtube.com/watch?v=k8xq3vVF1pk
絵本はハードカパー、ペーパーバック、それにCD付きも出ています。
Dr. Seuss's ABC Book & CD (Book and CD) | |
Random House Books for Young Readers |
はじめにアルファベットの大文字と小文字をきちんと教え、それからそのアルファベットで始まる単語を「知ってるかな?」と語りかけ、そのアルファベットではじまる単語を"愉しく"列挙していくというスタイルで書かれています。たとえば 基本スタイルで書かれているのは"B" ですが、
BIG B
little b
What begins with B?
Barber, baby, bubbles, and a bumblebee...
"B" では単語の列記になっている部分が、"A" では、Aunt Aniie's alligater...、"D" では、David Donald Doo dreamed a dozen doughnuts ans a duck-dog, too.と、リズム感あふれることば遊びになっています。こうした緩急のつけかたは、いかにもドクター・スース。子どもを飽きさせません。
表紙を見るだけでもわかりますが、ドクター・スースの絵本はちょっとユニークで変わっています。子どもの本だというのに、必ずしもきれいとかわかりやすいというのではなく、どちらかというとマニアックで幻想的、時にはちょっと気味悪い、かも? でも、子どもたちはドクター・スースが大好きです。お誕生日にプレゼントすると,後でたいてい「毎日、毎晩、読んでます!」という嬉しいお礼状をもらいます。
ドクター・スースの人気の秘密は子どもを「お子ちゃま」扱いしないからではないかと思います。読者に(子どもだけでなく、読み聞かせるおとなにも)媚びない毅然とした姿勢がドクター・スースの特徴で、大人も十分に楽しめるレベルのウィットとユーモア(ときにブラック・ユーモア)に満ちた作品を,子ども向けに書いています。
だから、子どもだけでなく、大人のファンも大勢います。そして、その大人たちがまた熱心に子どもに読み聞かせるので、彼の作品への熱狂はいっこうに衰えることなく再生産され続けているのです。
ドクター・スースの本名はテオドール・スース・ガイゼルTheodor Seuss Geisel 。1904年生まれのアメリカの作家です。たくさん描いて/書いて、いずれもベストセラーという驚異的な絵本作家ですが、同時に、商業広告のイラストレーターとしても、また政治風刺漫画家としても有名です。
ウェブのバーチャルな世界はまさにドクター・スースにぴったり!こんなにウェブの充実している絵本作家はめずらしいのではないでしょうか。
ドクター・スース専用WIKIがあり、
http://seuss.wikia.com/wiki/Dr._Seuss_Wiki
アート作品の専用サイトがあり、
http://www.drseussart.com/
ファンを迎える専用サイトであるスース村もあります。
http://www.seussville.com/
もちろんブッククラブもあります。
https://www.earlymoments.com/dr-seuss/How-to-Use-Dr-Seuss-Book-Clubs/Dr-Seuss-Book-Clubs/