The Original Curious George
「ひとまねこざる…原題はCurious George(知りたがり屋のジョージ)」のシリーズは世界中の子どもに人気の絵本です。絵本だけでなく、さまざまなアクティビティブックやゲームがあり、またランチボックスや文房具などのキャラクターグッズとしても知られています。
タイトル通り、とにかく好奇心いっぱいで知りたがり屋のお猿のジョージが、興味関心にかられるまま、あれこれ行動(結果的にはいたずら)しては問題を起こしてしまう、という、典型的ないたずらっこ譚のシリーズです。船、動物園、消防署、病院、空港などなど、さまざまな場面で、子どもなら誰でもやりそうな(あるいは、やってみたいが、大人に止められてできない)ことをしでかします。
シリーズ最初の一冊には、好奇心いっぱいの子猿のジョージが、アフリカで「黄色い帽子のおじさん A man with the yellow hat」につかまって、船で大都会の動物園に移住するまでの様子が描かれています。ジョージと黄色い帽子のおじさんはこのシリーズのメインキャラクター。ジョージがあれこれ冒険して、時に困った事態に陥ったり、危険にさらされると、最後には必ずやってきて助けてくれるのが黄色い帽子のおじさんです。
このジョージのシリーズ絵本の作家ハンスとマルグリッドのレイ夫妻は、ともにユダヤ人です。ブラジルで出会って恋に落ち、結婚し、その後パリに移り住んで、絵本作家としての創作活動を開始しますが(1939年)、ナチスの迫害を逃れるため、パリ陥落のほんの数時間前に間髪の差でパリを脱出し、スペインからブラジルを経てニューヨークに移住した、という経歴の持ち主です。
パリからの脱出の際に、かろうじて持ち出したのが、ひとまねこざるの草稿でした。やっと落ち付いたニューヨークで、レイ夫妻はひとまねこざるの一冊目を出版します。当初の計画では、水彩画でイラストする予定でしたが、戦時下の諸般の事情で漫画風のイラストに変え、以後、鮮やかな黄色がトレードマークのカラフルな絵本になりました。
最初の本の出版が1941年。続いて1947年にシリーズ2冊目が出され、以後1966年までに全部で7冊のシリーズ本を出版しています。
夫妻は60年代に入ってからハーバード大学にほど近いボストンに居を移し、そこに児童書店"Curious George & Friends"を開きました。書店はコミュニティの人たちに愛されて、いまもオープンしています。
子供が小さい頃によく読んでいました。