お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ふたご的きょうだい:家族のエンジニアリング(001)

2013-09-03 | from Silicon Valley

 
 
 "Twiblings" という新しい単語があります。Twins + Siblings = Twibilings の方程式から産まれた単語です。「ふたご的きょうだい」とでも訳せばよいでしょうか。お父さんの精子と匿名の女性から提供を受けた卵子による受精卵2つを、卵子提供者とはべつの2人の代理母にそれぞれ着床させて、時期をほぼ合わせて出産してもらった男の子と女の子のきょうだいです。

 誕生日は1日違い。生物学的にはともあれ、また出生登録上はともあれ、社会生活の上では "ほぼふたご" という実在のきょうだいです。2011年1月にニューヨークタイムズ・マガジンに大きく報道されました。上はそのときの写真です。

 "Twibilings"誕生の経緯はというと、まずは両親がお互いにやや年を取ってから出会って結婚したこと、そのためお母さんが妊娠がむずかしい状態だっため、体外受精と代理母による出産が計画されました。1人っ子ではなく、最低でも2人はほしい・・・、でも、夫婦2人とも年をとっているから、子どものためにも子育てはなるべく早く終えたい・・・、順番に1人ずつ産んいると時間がかかってしまう・・・それならいっそ2人同時に産んでもらおう・・・と、こういう流れで考えた末の結論だったそうです。

 一方、"StepTwin"とでも言うべきふたごを育てているのがハリウッドの人気俳優のカップル(男性同士)です。2人それぞれの精子と同じ1人の卵子提供者の卵子での受精卵を1つずつ、2つ同時に卵子提供者とはべつの代理母に同時に着床させて、ふたごとして出産してもらったものです。

 このケースは、お互いに半分だけきょうだいの " ほぼふたご" 関係ですから、アメリカ的には ”StepTwin” と呼ぶのがもしれません。下の写真は赤ちゃんが産まれたときに雑誌 "People" に掲載されたものです。2人のお父さんの嬉しそうなこと! 最近はすっかり成長して "幼児 (toddler)" になった2人の外出姿が雑誌を賑わわせています。



 いつのまにか私たちは「子どもを授かる」と言わなくなりました。現代科学では妊娠も、出産も、家族形成もエンジニアリングできるようになりました。産まないことが選択肢になった20世紀を経て、21世紀は産む技術が進み、男女の産み分けはもとより、いつ産むか、どう産むかもコントロール可能になっています。この時代、この技術で、21世紀の家族はどのような姿になってゆくのでしょう? 家族の定義はどう変わっていくのでしょうか?

 さすがに、このテーマそのものズバリの絵本には思い当たりませんでしたので、今日はふたごちゃんに贈る絵本的詩集(または詩集的絵本)をご紹介します。

 
Twin to Twin
Margaret K. McElderry Books


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