お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

うさこちゃん

2009-05-12 | about 英語の絵本

Miffy

日本でもおなじみのうさこちゃん - Miffy。ディック・ブルーナーの人気絵本ですが、絵本というより、これこそまさに人気キャラクター。絵本は読んだことがない人でも、Miffyを知らない人はほとんどいないのではないでしょうか。

同じ子ウサギを主人公にしたシリーズの絵本が何冊も出ていますが、愛くるしいMiffyが1ページにひとつだけ、ほとんど背景も何もないまま描かれているだけの、字のない絵本"Miffy"(邦訳「ちいさなうさこちゃん」)がそもそものオリジナルです。原作はオランダ語で、子ウサギの名前はナインチェ・ブラウス。Miffyは英語版の名前です。初版は1955年刊行されていますので、もう半世紀を超えるベストセラーになります。

このMiffyシリーズは娘の最初の絵本のひとつです。この本が親子ともとりわけ思い出深いのは、読み聞かせたり、眺めたりするだけでなく、娘が毎日のように持って遊んでいた絵本だからではないかと思います。

Miffyには厚紙でできたアコーディオン型の小型絵本があります。このデザインだと、ページをめくる動作がいりません。つまり、赤ちゃんの小さい手でも、ただ両方に引っ張るだけで開くことができます。また、仮に上手に開けなくても、字のない絵本ですから、どこを眺めてもよいので、実に便利でした。しかも、イラストが裏表両面に描かれているので、ひっくり返ってしまっても、どっちからでも見ることができるデザインで、これも便利でした。さらに、アコーディオン型なので屏風のように開いて立てまわすことができ、枕もとに立てておけば、お座りのできない赤ちゃんでも、たとえばうつぶせに寝たままで首を回すだけで各ページを見ることができて、これも、実に便利でした。ブルーナのデザナーとしてのセンスが細部まで光っている絵本です。

娘は、お座りができるようになると、この絵本をまるで積み木と同じように扱って遊んでいました。屏風のように開いて自分の周りに立てまわし、何やらひとりごちながら遊んでいたのは、おままごとのような"ごっこ遊び"の始まりだったのでしょうか。ようやくお座りができるようになった頃の娘が、おむつもしない裸のままでこの絵本を周りに立てまわして遊んでいる写真があるのですが、きっと、おそらくはお風呂あがりの娘が私を待っている間の時間つぶしにこの絵本で遊んでいたものと思います。

作者のブルーナーは、アーティストとしての修業時代にピカソやマティスなどの影響を強く受けたデザイナーで、はじめは本の装丁作家としてスタートしました。後に絵本作家に転じたあとも、"パッと一瞬で観る人を惹きつけるシンプルな線と明解な色づかいのデザイン"をめざし、絵本では、赤、青、白、緑色、黄色のきれいではっきりした「ブルーナー・カラー」だけを用いた独自のスタイルを確立。世界中のアーティストに影響を与えました。日本の人気絵本作家の五味太郎さんもブルーナーに学んだと語っています。



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