本格的なエノク魔術を行おうとする場合、幾つもの道具の
準備、また基礎的な訓練や学習なども要しますが、日常的な
願望の達成に照準を合わせた、即席で行う事が出来る、簡易な
エノク魔術が考案され、90年代に紹介された事がありました。
以下、そちらより抄掲させて頂きます。
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【やり方】
①まず、あなたの悩みや望みをはっきりさせ、自分の望みにふさわしい
元素を選ぶ。
例えば、勝負事に勝ちたいのなら「火」を、愛の告白をしたいのなら「水」を
「召喚」する。
また、相手の怒りを鎮めて仲直りしたい場合には、「火」の「退去」を
行う。
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【火】
方角:南
召喚:勇気を出す・勝負事・決断・勝利
退去:怒りをなくす・争いをなくす・冷静になる
マントラ:オイピー・テアア・ベドオケイ
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【風】
方角:東
召喚:学習能力を上げる・伝達・旅行・コミュニケーション一般
退去:噂を消す・雑念を払う・誤解を解く
マントラ:オロー・エエ・パア・アア・オー・ゾド・ペー
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【水】
方角:西
召喚:愛情を伝える・優しさ・直感を鋭くする
退去:感情的な気分・イライラした気分を鎮める
マントラ:エンペー・ヘー・アラエッセル・ガーエー・オーレイ
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【地】
方角:北
召喚:金運・物質運を上げる・欲しいものを手に入れる
退去:障害を取り除く・古い状況を取り除く・冷静になる
マントラ:モー・デーアーレイ・ヘー・ケー・テー・ガー
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【エーテル】
方角:中央(しかし実際には東を向く)
召喚:直感を生かす(能動)/運命を変転させる(受動)
退去:霊的影響力を遠ざけ、霊的バリアを張る(能動・受動とも)
マントラ:エッズ・アー・ペービー・トー・メー・ナー・エン・ター・ヘー・
コー・マー
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例として、ここでは「火」の「退去」を行う事にしよう。
②まず、火の元素に照応する、南の方角を向いて立ち、右手の人差し指と
中指を立てて手刀(ジャンケンのチョキを揃えて伸ばす)で、右側が「退去」なので、
空中に描くのは、右側の五芒星という事になる。
③手刀を眼前に突き出し、そのまま右足を軸にして一周し、自分を中心に
周囲に円を描く。
この時、指先の軌跡が白い光となって、自分を取り囲むようにイメージする。
③「火」の「退去」の五芒星を空中に、一筆書きで描く。
この時、指先から青白い光が放射され、空中に五芒星が浮かび上がる様子を
イメージすること。
④五芒星の中心に向かって手刀を突き出し、「火のマントラ」を唱える。
この場合は「オイピー・テアア・ベドオケイ」だ。
このマントラは、天使の言葉と言われるエノク語の呪文である。
発音は、一音ずつ区切り、ゆっくりと声を振動させながら唱えること、
また、この時に、五芒星が燃え上がり、五芒星円の外へと、あらゆる火の
イメージが退いていくようにする。
(逆に召喚ならば、五芒星が強力な炎を呼び起こしているようにイメージする。)
⑤手をそのままにして、再び右回りに回る。
今度は、手刀で自分を囲んでいた白い円を消していく。
元の位置に戻ったら、五芒星もゆっくりと消えていくようにイメージする。
これで儀式は終わりだ。
恐らく数日以内に、あなたの願望も叶う事だろう。
なおこの魔術は、何回も繰り返し行った方が効果的ではあるが、同じ元素
ばかりの「召喚」「退去」を、同じ場所で繰り返すのは避けた方がいい。
なぜなら、空間のエネルギーバランスが崩れてしまう恐れがあるからだ。
したがって、それぞれの元素を順を追って行うのが望ましいし、3日ほど
時間をあけた方がいいだろう。
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