うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#272 【いざ全国へ】

2010-02-17 | #10 湘北 番外編
「みなさん、お疲れ様でした。この合同練習は、私たちの想像をはるかに超えるものとなりました。
一人ひとりの成長が、チーム力を底上げし、より強いチームへと変えていきます。
この合同練習は、本日を持って、終了となりますが、これが最後ではありません。
全国大会や天皇杯が終了してもです。
みなさんは、まだまだ発展途上、今後も努力を惜しまず、個を磨き、チームを磨いてください。
みなさんの更なる成長を期待しています。」


安西と田岡を取り囲むように、両チームの選手が立っている。


「よくぞ、厳しい練習に耐えてきた。
全くの別チームが一つのコートで、ともに汗を流し、刺激し合い、成長し合った結果、
お互いが今までにない跳躍を遂げたと私は思っている。
今日を最後に、両校は、別の目標を成し遂げるため、別々の道に進むのだが、
私はまた、君たちとこうして、この体育館で会いたいと思う。
湘北が、そしてわれわれ陵南が、目標を達成できたその日、また一緒にやろう。
健闘を祈る。」




6週に渡り、行われた湘北・陵南の合同練習は、本日を持って、終了となる。


来週から、湘北は福岡に乗り込み、全国制覇に向けて、発進する。


陵南は、年始の天皇杯に備え、再び、血の滲むような努力を続けるのであった。



「越野君、一言どうぞ。」

安西が、陵南キャプテン越野に一言を促す。


「あっはい。正直、湘北は嫌いだ。態度も悪い、頭も悪い、無愛想。」


「なぬ!」

宮城らの眼が鋭くなる。


「だが、練習相手としては最高の相手だった。俺たちも必ず目標を達成する。
お前らもぜってー優勝しろよ!」


「ふん、小僧にいわれなくても!」


「ったりめーだ!湘北が優勝して、俺がNo.1キャプテンだ!」


「全員ぶっ倒して、俺が日本一になる!!」


(てめーじゃ無理だ。)


「その言葉、忘れるな!!」


越野と湘北の掛け合いは、両校のモチベーションをあげる最高のものであった。


そして。



「宮城もどうだ。」

今度は、田岡が宮城に促した。


「あぁ。俺は、正直、陵南がきれーだ!
うるせーし、軽いし、澄ましていやがるし、監督うぜーし。」


「なぬ!」


「だがよ、今は少しだけ感謝してるぜ!最後の大会に、最高の気持ちで挑めるのは、陵南と湘北のみんなのおかげだ!」


「リョーちん、がらにもねぇな!」

「宮城さんらしくないね。」

桜木と柳が微笑む。


「宮城さんたら。」

「リョータもだいぶ成長したわね。」

晴子と彩子も笑った。


「ありがとな。仙道。」

「こちらこそ。」

宮城と仙道が握手を交わす。


「なぜ、仙道だ、普通俺だろ!」

と越野。

「いや、仙道がキャプテンぽいだろ!」

「それをいうな!」


「わははは!」

「あはははは!」

宮城、仙道、越野のやり取りに、そこにいたみんなが笑った。


「流川、沢北を倒して来いよ!」


『バシ!』


「っつう。」


仙道は、流川に声をかけ、握手を求めると、流川はその手を叩いた。


「そしたら、またてめーと勝負だ。」

「あぁ、待ってるぜ。」にこり。


そして、桜木にも声をかけた。


「桜木、天才Cを証明して来いよ!」


『バチン!』


「っつう!」


桜木もまた流川同様に手を叩く。


「そしたら、てめーを倒しにくるぜ!」

「あぁ、楽しみにしているよ。」にこり。

「おうよ!」




こうして、6週間に及ぶ、計12回の合同練習は終了した。


安西は、個のスキルアップや、2on2、3on3を中心とした指導を行い、
田岡は、5on5を中心に、組織力のアップを図る練習を行っていた。


両校ともに、個人スキル、速攻やスクリーンプレーの向上はもちろん、
ゾーンディフェンスやセットオフェンスなど、試合における動きも県予選時よりも
完成度は確実に上がっていたが、
お互いが同じように、スキルアップしていったため、彼らには、その実感や手応えを感じることはなかった。


ゆえに、彼らがその実感を味わうのは、もう少し先となる。

また、期間中、両校では、多くの練習試合が行われた。


1ヶ月間、白田不在の湘北は、インサイドで陵南に圧倒され、湘北4勝、陵南10勝と大きく負け越していたが、
白田復帰後は、少しだけ盛り返し、最終的には湘北9勝、陵南13勝という結果に終わった。



陵南高校からの帰り道。

宮城と彩子の2人が先頭を歩き、その後ろを桜木らが歩いていた。


「おい!ヤス!なんか、あの2人、いい雰囲気だな。少し、邪魔し・・・。」

「ダメだよ、桜木!せっかくなんだから、もう少しあのままにさせてあげなよ!
桜木だって、晴子ちゃんとのを邪魔されたら、いやだろ?」

「うむ。確かに・・・。しょうがねぇな。」




宮城と彩子の会話。

「アヤちゃん、さっきはあんなこといったけど、本当は俺、自信がな・・・。」

「リョータ!また、そんなこと言って!!それじゃ、IHのときと同じじゃない!
キャプテンのあんたがそんなんでどうするの!!」

「アヤちゃん・・・。」




「なんかリョーちん、怒られているみたいだな。」

「いいの!ほっといてあげろって。」

桜木が楽しそうに、宮城らの様子を伺っている。




「あんたは、相手をバカにしているくらいが丁度いいの!わかった!!
また、弱気なこといったら、怒るわよ!!」

宮城はIHを思い出す。

「・・・。そうだな。もうIHのときのようなことは、まっぴらだ!ありがとう、アヤちゃん!」

「そうよ、あんたはキャプテンなんだから、自分だけじゃなく、みんなも盛り上げるのよ!いいわね!」

「あぁ!それに、アヤちゃんと挑む最後の大会だ。全国制覇して、最高のプレゼントをアヤちゃんにあげるぜ!」

「ふっ、その意気よ。ただ。」

「ただ??」

「これは最後の大会じゃない・・・。」

「なんだよ、それ?」




「また、リョーちんが落ちた!」

「桜木君!」

「ハルコさん!」

「邪魔しちゃダメよ!」

「はい!!」




「リョータにはまだいっていなかったけど、あたしは、将来スポーツジャーナリストになるのが夢なのよ。」

「はっ初耳・・・だ。」

「だから、学生のうちに、もっとスポーツのことや、体のことを勉強しようと思っているの。」

「うん。わかった。でも、それと大会、なんの関係があるの?」


「あたし、神奈川体育大学が第一志望なのよ。」


「神奈川体育大学!!!アヤちゃん、それって!」


「そう、リョータと同じ大学よ。」

「マジかよ!!アヤちゃんと同じ大学かよ!!」




「おっ!リョーちんが一気にハイテンションになった!告白が成功したか!」

「ホント?ホントだったら、嬉しいな!!」

「晴子ちゃんまで、のらないの。」

叱る安田。




「あたしは、一般だから、まだ決まったわけじゃないけど、そうなってほしいわ。
そうしたら、マネージャーは出来ないけど、試合の応援にはいくから。」

「うぉーーー!!アヤちゃん、俄然やる気が出てきたぜ!!
ぜってー、選抜で優勝して、大学でも優勝してやる!!」




『ガシ!』


「リョーちん、やけに楽しそうだな!」

溜まらず、宮城の肩を抱く桜木。


「花道!!ぜってー優勝するぜ!!俺はアヤちゃんに、花道は晴子ちゃんに最高のプレゼントをするんだ!!」


「トーゼン!!!」


「走るぜ!花道!!」

「おうよ!!」


(リョータ、頑張ってね。)

その2人の姿を、彩子は嬉しそうに見つめるのであった。


「彩子さん、OKしたんですか?」

「ちっ違うわよ。そんな話じゃないわよ。」


翌週、湘北高校バスケットボール部は、福岡に乗り込んだ。







#10 湘北 番外編 終了
#11 湘北 選抜編 に続く。


6 コメント

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Unknown (しの)
2010-02-17 07:49:31
こう恋愛に不器用なところがジャンプのキャラらしくていいですね。
マガジンやサンデーだと彼女いない奴→ダセーみたいなとこありますから。
Unknown (山口)
2010-02-17 19:56:32
ついに全国大会開幕ですね☆

まじ楽しみです。

これからも楽しみにしてます。
Unknown (名無し)
2010-02-17 22:19:13
いつも楽しみにしてます。

小さいことで済みませんが、越野君のあだ名は『小僧』かと思ってました…。(アニメ版で花道がそう呼んでいましたので)

おはようございます (うまだんく)
2010-02-18 07:10:51
しのさん

マガジンやサンデーは、そんな感じなんですか。スラダンだったら、全員ダセーになっちゃいますね。


山口さん

ありがとうございます。
少し忙しくなりますので、更新が滞ることがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。


名無しさん

そっそうかもしれません!アニメは見ていないのですが、いわれてみるとそんな記憶がします。訂正しておきます。
ありがとうございました。
Unknown (名無し)
2010-02-18 21:31:02
越野君のあだ名を直させてしまったようで申し訳ありません…嫌な思いをさせていたら済みませんでした。

うまさんはうまさんのスラムダンクがあっていいと思うので、変更前の、ミッチーの意志を継いだ花道もいいと思います。

ちなみに越野君の『小僧』ですが、アニメ版の三巻で呼ばれてました。
wikiにも載ってましたので気のせいではなかったみたいです。
おはようございます (うまだんく)
2010-02-19 06:59:34
名無しさん

いえいえ、嫌な思いなんてしてませんよ。
原作に沿えるところは、そうしていきたいと思っていますので、ご指摘ありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします!