残り74秒。
陵南 96
湘北 93
会場は、緊張感が漂い、選手の動きに視線を注ぐ。
「あと、1分・・・。」
「どっちだ!?」
「陵南が逃げ切るか!?」
「湘北が逆転するか!?」
「眼が離せない!!」
湘北のオフェンス。
宮城が冷静に戦況を確かめる。
(まず1本。この1本が決まらねぇと何も始まらねぇ・・・。やはり、ここは・・・。)
「流川だろうな。」
と腕組の田岡。
(止めろ!仙道!!)
「流川君対仙道君・・・。全国でもトップクラスの2人の勝負がいよいよ決する・・・。」
『ゴクっ。』
弥生は、固唾を呑んだ。
「流川だ!!」
「ここは、絶対流川で来る!!」
「仙道、守れ!!」
観客も空気を悟っている。
次第に溢れる2つの言葉。
「流川!流川!流川!流川!」
「仙道!仙道!仙道!仙道!」
「ルカワ!ルカワ!ルカワ!ルカワ!」
「センドー!センドー!センドー!センドー!」
「なぬっ!なんだこの気持ち悪い声援は!!」
と桜木。
「空気が読めていないのは、お前だけだ。」
と福田。
「どうやら、お前がやらなきゃならないみたいだな。」
「・・・。」
(ド素人にわかって、俺にはわからねぇ、こいつの秘密はなんだ・・・。)
「??」
宮城が指示を出す。
「カク!柳!!」
(頼んだぞ!流川!!)
2人が大きくインサイドを空ける。
宮城は、ドライブをすると見せかけて、流川へのパスを投げる。
『バス!』
「流川だーー!!」
「やっぱり流川で来るぞ!!」
「攻めろ!!流川ーー!!」
会場の声援とは、裏腹に流川は、沈黙していた。
「・・・。」
(わからねぇ・・・。)
(何を考えているんだ?)
仙道が手を出す。
『パス。』
流川の手からボールがこぼれた。
「!!!」
「仙道のスティール!!」
「流川がやられた!!」
「流川!!」
「流川さん!!」
「キツネ!何やってやがる!!」
ルーズボールを拾う流川。
「何やってんだ、流川のやつ!」
と大楠。
「いまひとつ、集中してない感じだな。」
と水戸。
「らしくねーな。」
三井がいった。
「どうした?流川、攻める気あるのか?」
「・・・。」
(わからねぇ・・・。こいつの秘密・・・。)
「来いよ!」
「・・・。」
(わからねぇ・・・。)
『シュ!』
「!!!」
「!!!」
流川は宮城にボールを戻した。
「流川が攻められない!!」
「どうした!!流川ーー!!」
「流川先輩!」
「流川君!」
「この大事な局面で、流川君が試合に集中できていない!!」
「どういうことなんだ!!流川君!!」
「やはり、流川君には仙道君を抜くだけの体力がもう残っていないのかしら。」
記者席の弥生と中村も流川の異変に気付く。
刻一刻と残り時間が過ぎていく。
「流川は、仙道の動きが全く読めていない。
それに対し、花道は仙道の動きに対応している。それが頭から離れないってところだな。」
と水戸。
「動きの予測ができないために、攻められないか。」
と新庄。
「ったく。余計なこと考えやがって。流川なら、身体能力でいくらだってカバーできるだろ。
頭じゃなく、心でいきやがれ!」
と三井が荒げていう。
(時間がない!ここは早く!!)
「宮城さん!」
柳はボールを呼んだ。
『バス!』
宮城から素早く柳へ。
そして、桜木へと渡る。
「桜木だ!!」
「湘北はインサイド勝負を選んだ!!」
「来い!桜木!!」
「いくぞ!!フク助!!」
だが。
桜木は、45°から0°へ下りてきた柳へ戻した。
桜木の言葉に不意をつかれた福田と柳のマークマン上杉。
柳は、フリーでのジャンプシュートを放った。
(流川さんがダメなら、俺が決める!)
冷静に放ったシュートは、湘北に歓喜をもたらす。
『シュパ!!』
「柳ーー!!」
「最高だーーーー!!」
「うぉぉぉーーー!!」
「柳があっさり決めたーー!!」
「桜木が、最高のアシストだ!!」
「サル風!!お前にしては上出来だ!」
「桜木さんこそ、なかなかのパスでしたよ!!」
『パン!』
桜木と柳の手のひらが交錯する。
『ドガドガ!』
「おい!流川!!試合に集中できないなら、さっさと交代しろ!!」
「!!」
「流川さん!はっきりいって、格好悪いっすよ!!」
「!!!」
「ふん!!」
ここに来て、息の合う桜木と柳が力瘤をみせる。
再び、桜と柳の融合。
「いわれてるぞ。」
「どあほうども・・・。」
「お前は頭で考えすぎだ。自分のことしか考えないのは、悪いくせだ。」
と仙道。
(自分のこと・・・。)
流川は桜木の言葉をふいに思い出した。
-----------------------------------------------------------------------
<<回想>>
「やっぱり、キツネだったか?」
「てめー、なんで俺が走りこんでいるとわかった?」
「キツネは耳障りなんだ。」
-----------------------------------------------------------------------
(耳障り・・・・。
耳・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・音?)
残り52秒
陵南 96
湘北 95
続く。
陵南 96
湘北 93
会場は、緊張感が漂い、選手の動きに視線を注ぐ。
「あと、1分・・・。」
「どっちだ!?」
「陵南が逃げ切るか!?」
「湘北が逆転するか!?」
「眼が離せない!!」
湘北のオフェンス。
宮城が冷静に戦況を確かめる。
(まず1本。この1本が決まらねぇと何も始まらねぇ・・・。やはり、ここは・・・。)
「流川だろうな。」
と腕組の田岡。
(止めろ!仙道!!)
「流川君対仙道君・・・。全国でもトップクラスの2人の勝負がいよいよ決する・・・。」
『ゴクっ。』
弥生は、固唾を呑んだ。
「流川だ!!」
「ここは、絶対流川で来る!!」
「仙道、守れ!!」
観客も空気を悟っている。
次第に溢れる2つの言葉。
「流川!流川!流川!流川!」
「仙道!仙道!仙道!仙道!」
「ルカワ!ルカワ!ルカワ!ルカワ!」
「センドー!センドー!センドー!センドー!」
「なぬっ!なんだこの気持ち悪い声援は!!」
と桜木。
「空気が読めていないのは、お前だけだ。」
と福田。
「どうやら、お前がやらなきゃならないみたいだな。」
「・・・。」
(ド素人にわかって、俺にはわからねぇ、こいつの秘密はなんだ・・・。)
「??」
宮城が指示を出す。
「カク!柳!!」
(頼んだぞ!流川!!)
2人が大きくインサイドを空ける。
宮城は、ドライブをすると見せかけて、流川へのパスを投げる。
『バス!』
「流川だーー!!」
「やっぱり流川で来るぞ!!」
「攻めろ!!流川ーー!!」
会場の声援とは、裏腹に流川は、沈黙していた。
「・・・。」
(わからねぇ・・・。)
(何を考えているんだ?)
仙道が手を出す。
『パス。』
流川の手からボールがこぼれた。
「!!!」
「仙道のスティール!!」
「流川がやられた!!」
「流川!!」
「流川さん!!」
「キツネ!何やってやがる!!」
ルーズボールを拾う流川。
「何やってんだ、流川のやつ!」
と大楠。
「いまひとつ、集中してない感じだな。」
と水戸。
「らしくねーな。」
三井がいった。
「どうした?流川、攻める気あるのか?」
「・・・。」
(わからねぇ・・・。こいつの秘密・・・。)
「来いよ!」
「・・・。」
(わからねぇ・・・。)
『シュ!』
「!!!」
「!!!」
流川は宮城にボールを戻した。
「流川が攻められない!!」
「どうした!!流川ーー!!」
「流川先輩!」
「流川君!」
「この大事な局面で、流川君が試合に集中できていない!!」
「どういうことなんだ!!流川君!!」
「やはり、流川君には仙道君を抜くだけの体力がもう残っていないのかしら。」
記者席の弥生と中村も流川の異変に気付く。
刻一刻と残り時間が過ぎていく。
「流川は、仙道の動きが全く読めていない。
それに対し、花道は仙道の動きに対応している。それが頭から離れないってところだな。」
と水戸。
「動きの予測ができないために、攻められないか。」
と新庄。
「ったく。余計なこと考えやがって。流川なら、身体能力でいくらだってカバーできるだろ。
頭じゃなく、心でいきやがれ!」
と三井が荒げていう。
(時間がない!ここは早く!!)
「宮城さん!」
柳はボールを呼んだ。
『バス!』
宮城から素早く柳へ。
そして、桜木へと渡る。
「桜木だ!!」
「湘北はインサイド勝負を選んだ!!」
「来い!桜木!!」
「いくぞ!!フク助!!」
だが。
桜木は、45°から0°へ下りてきた柳へ戻した。
桜木の言葉に不意をつかれた福田と柳のマークマン上杉。
柳は、フリーでのジャンプシュートを放った。
(流川さんがダメなら、俺が決める!)
冷静に放ったシュートは、湘北に歓喜をもたらす。
『シュパ!!』
「柳ーー!!」
「最高だーーーー!!」
「うぉぉぉーーー!!」
「柳があっさり決めたーー!!」
「桜木が、最高のアシストだ!!」
「サル風!!お前にしては上出来だ!」
「桜木さんこそ、なかなかのパスでしたよ!!」
『パン!』
桜木と柳の手のひらが交錯する。
『ドガドガ!』
「おい!流川!!試合に集中できないなら、さっさと交代しろ!!」
「!!」
「流川さん!はっきりいって、格好悪いっすよ!!」
「!!!」
「ふん!!」
ここに来て、息の合う桜木と柳が力瘤をみせる。
再び、桜と柳の融合。
「いわれてるぞ。」
「どあほうども・・・。」
「お前は頭で考えすぎだ。自分のことしか考えないのは、悪いくせだ。」
と仙道。
(自分のこと・・・。)
流川は桜木の言葉をふいに思い出した。
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<<回想>>
「やっぱり、キツネだったか?」
「てめー、なんで俺が走りこんでいるとわかった?」
「キツネは耳障りなんだ。」
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(耳障り・・・・。
耳・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・音?)
残り52秒
陵南 96
湘北 95
続く。