ZAMACのフォト日誌

見て聞いた 四季の詩  
  Copyright (C) ZAMAC. All Rights Reserved.

荒浜の今

2014-01-17 18:13:10 | まち歩き

ここは国道6号線から東へ入った、2014年1月10日朝9時頃の「宮城県亘理郡亘理町荒浜港」地区だ。今朝はこの冬一番の冷え込みで-3℃くらいだったという。頬をなでる弱い浜風でもキリッと肌を締めてくれる。東日本大震災から明日で2年10ヶ月だ。

Img_8479s
 
町は当時の道路だけを残し、幻となって消えた。地平線は延々と続く防潮堤の作業現場。海は全く見えなくなった。

この地区を前回訪れたのは自衛隊のダンプカーや重機が、土煙と唸りを上げて走り回っていた2011年6月ころだったように思う。当時は捜索と震災復旧作業中でほとんどが、一般車立ち入り禁止区域だった。
今日は大震災後2度目の訪問だが、その後の「荒浜」を知りたかった。

そんな思いで写真に記録してきた。この荒浜地区は阿武隈川が太平洋に注ぐ河口にある漁港の町。あの巨大津波がこの地から福島県境を越えて総舐めにした、広大な地域の一角にある。荒浜の旧町並みを区画された道路だけが教えてくれる。確かにここに住宅、商店、工場があったんだよなぁと、平原と化してしまった以前のこの地を、思いながら車を走らせてみた。

Img_8495s
 右側が岸壁。左側が海。左奥の5階建が「鳥の海温泉」で今年の営業再開を目指して工事中だ。

人っ子一人いない。静かだ。時折り仙台空港を離着陸する飛行機の音と、近づいては遠ざかるダンプカーのゴーゴーという音くらいだ。
「鳥の海」という入り江が荒浜港だ。岸壁のほとんどが港湾工事でロープが張られている(人はいないので入れば入れるが)。

この港の特産品に名物のホッキ貝やホッキめしがある。まだまだ収穫量は少ないと聞くが、どこで水揚げしているのだろう。(実はこの後のコンサート撮影会場で、お昼にホッキめしをご馳走になった。すごいホッキの量に地元の心意気を感じた。)

Img_8488s_2 

Img_8499s 
 (上・下)まだ膨大な小型船が積まれている。廃棄待ちなのか修理待ちなのか。見るからに大きな傷痕ばかりが目立つ。

この地を離れた人たちは、まだまだ定まらない復興工事を、どんな思いで見て・考えているのだろうか。よそ者のZAMAでさえ見てはじめて実感することは、この荒浜近くの国道6号線では新山元町創設工事(町の移動)、JR常磐線を内陸部へ移設する大工事、常磐自動車道延伸工事、と工事名を書いたダンプカーがひっきりなしに行き交っていた。

Img_8508s
 岸壁工事の現場を工事車が走るので入ってみた。バカデッカイ浚渫(しゅんせつ)用ショベルが3基もあった。

あの瓦礫の山は全く無くなって、今は国レベルの事業が進んでいるようだ。それなのに繰り返すが人気がない。報道では再建工事と住民のミスマッチも聞かれる。仙台の街に居てはわからない大事業が、すぐ近くで展開されていることを再々認識した思いだ。 いつまでどんな姿の町やコミュニティーができるだろうか。もっとも知りたいところだ。

この後、国道6号線と並行するように走る浜街道を数10Km走ってみた。福島県新地町まで行き、大津波被害から復旧した「相馬共同火力発電所」の吐き出す煙(排気?)を見上げて折り返し、コンサート会場に向かった。


コメントを投稿