山形蔵王の冬に、晴天といえる日は何日あるだろうか。ピーカン(晴天)になった一日を想定して、2年分の写真を使い再構成してみた。
つまり朝から日没までの『樹氷群像の一日』だ。
2011.2.16 陽が射し始めた蔵王西斜面の樹氷地帯から、真南を見ている。よ~く見るとなんと福島県の山並まで手に取るよう。左奥は安達太良山で、右手につづくのは吾妻連峰だ。
2011.2.2 蔵王の地蔵岳頂上はもうすぐの地点。樹氷の数は減り、凸凹の雪庇帯(せっぴたい)になってしう。強烈な西風が作った造形だ。
上の山方面の彼方には、新潟と山形の県境の朝日連峰がくっきり見えている。歩きにくさと吹きつける風に逆らってしばし絶景を楽しめた。
2012.2.22 地蔵岳の山頂から下山。途中に蔵王名物のモンスターが林立している。新雪もそのままに空は群青、強烈な日に照らされて晴れの舞台に立つスターたちのようだ。
2012.2.22 地蔵岳北斜面は樹氷観光の中心地帯。だれもいない奥に入ってみた。太陽はギラギラ、樹氷はあくまでも白一色でこれほど眩しい風景はあるだろうか。
2011.2.2 午後3時を過ぎると、軌跡を残していったスキーヤーもまったくいない。気温が下がってきた。シャッターを押す指の感覚がまったくなくて、木の板でふれている感触だ。上部の黒いところは樹氷地帯の山の影だ。
2011.2.22 日没間近かの三宝荒神山の西斜面は、水平の西日に赤く染まりはじめた。ここは高い木がないので、デコボコな硬い雪の塊だ。
2011.2.22 ついに陽は沈んだ。昼に登った地蔵岳の頂上がまだ見えている。樹氷は西空の赤みをほんのり映している。そして厳寒の青の世界で眠りにつくのだろう。
2012.2.22 ここは蔵王スキー場メーンの「樹氷原コース」。人っ子一人いない静寂の中にエンジンの音が聞こえてきた。傷んだコースを補修するブルドーザーの轟音がますます大きくなって、今日の終りを告げるサイレンのようだった。
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