つばさ

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「霧の都」といえばロンドンの代名詞だった。

2013年02月01日 | Weblog
春秋
2013/2/1
 「水が汚染されればボトルの水を飲み、粉ミルクが汚染されれば輸入品を使えばいいが、空気が汚染されればどう呼吸すればいいのか」。中国のネット上にこんな書き込みが登場したという。いうまでもなく、北京など北部を中心に深刻な大気汚染に対する怒りの声だ。
▼天安門広場が濃いスモッグに覆われたテレビ映像などを目にすると、もっともだと思う。中国の人たちが自衛措置をとらなくてはならない問題の多いことよ、といった感慨も覚える。ただ、中国にはたくましい人が多い。怒りをぶちまけた書き込みとは裏腹に、北京市民の多くは大気汚染に対しても自衛措置をとっている。
▼たとえば空気清浄機が売れに売れているらしい。英紙フィナンシャル・タイムズによれば、中国の有力メーカーの1月の販売台数は350万台。昨年10月の3.5倍に膨れあがった。マスクの利用も急増した。とりわけ健康への悪影響が心配される小さな粒子を通さない高級マスクは、引っ張りだこ。品不足に陥っている。
▼かつて「霧の都」といえばロンドンの代名詞だった。このままでは北京の代名詞になりかねない。そんな声が中国では上がっている。結構近くの建物さえかすむ日もあるというから、杞憂(きゆう)と笑えない。そういえば東京の空気も1960年代はひどかったと聞く。その東京ではこのところ、毎日のように富士山がよく見える。

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