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ゼロベース 【産経抄】9月21日

2012年09月21日 | Weblog
0か1 デジタル思考?アナログでも!

【産経抄】9月21日
2012.9.21 03:06
 「近年、ゼロがだんだん多く使われるようになってきたという気がする」。英文学者の外山滋比古さんが2年前、あるエッセーで指摘していた。もともと日本では、数字の始まりは1だった。「一から十まで」という言葉はあっても、「ゼロから」とは言わない。ビルの地上階はあくまで1階だ。
 ▼もっとも、かつて生まれると同時に1歳になった赤ちゃんは、今は0歳である。「ゼロベースで国が責任を持って結論を出す」。外山さんのエッセーは、当時の鳩山由紀夫首相の発言に触発されたものだ。
 ▼沖縄県の米軍普天間飛行場の移設受け入れの是非が、争点となった名護市長選の直後だった。反対派の勝利を受けて鳩山氏は、県外移設を模索する。迷走のあげく4カ月後、自民党政権下の計画とほぼ同じ、辺野古への移設を表明し、沖縄県民と米国政府をあきれさせたのも記憶に新しい。
 ▼民主党政権は、その後も失政を積み重ね、断末魔の声を上げている。最後の望みを託した「原発ゼロ」もまた、看板倒れに終わりそうだ。そもそも「2030年代に原発稼働ゼロ」を柱とした「革新的エネルギー・環境戦略」は、衆院選を意識して有権者の歓心を買うのが目的としか思えない。およそ戦略に値する内容ではなかった。
 ▼経済界や青森県など原発立地自治体が激しく反発し、日米原子力協定を結んでいる米国も懸念を示すと、たちまち腰が砕けてしまった。ただ閣議決定の見送りによって、エネルギー不足が日本没落に拍車をかける、最悪の事態だけは逃れたことになる。
 ▼民主党は、政権担当能力がゼ ロだったと懺悔(ざんげ)して、ただちにゼロベースで国民に信を問う。日本再生の道は、これしかない。

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