つばさ

平和な日々が楽しい

食傷(しょくしょう)気味

2012年09月27日 | Weblog
 「時鐘」 2012年9月27日

予想通り、新横綱の口上(こうじょう)に「全身全霊(ぜんしんぜんれい)」があった。いつのころからか、横綱・大関誕生の際は、口上が話題になる
当日は注目されても以後、関心は薄(うす)れる。大関出島(でじま)は、「力(ちから)の武士(もののふ)」というかっこいい文句を使ったから覚えている。「一意専心(いちいせんしん)」「堅忍不抜(けんにんふばつ)」など難しい四字熟語(じゅくご)が一時はやり、やがて廃(すた)れた。力士の本分(ほんぶん)は、口上ではなく土俵にある

きのうは新総裁も誕生した。「新」というよりも返り咲き。6年前、晴れ舞台での「美しい日本」という「口上」を思い出した。「戦後レジームからの脱却(だっきゃく)」という横綱の四字熟語よりも難(むずか)しい言葉もあったはず。力士と違って、政治家は口上も大事な仕事。聞かされる方も、簡単に忘れるわけにはいかない

いまの総理誕生の折の口上は、内輪もめ返上を訴える「もうノーサイドに」。その前には「仕事大好き内閣」やら、東シナ海を「友愛の海に」というすてきな口上も聞かされた

新横綱は時に荒(あら)っぽい相撲が批判を浴びる。口上に背(そむ)かぬような立派な土俵を期待したい。言うだけの美しい「口上」は、よそで散々聞かされ、もう食傷(しょくしょう)気味(ぎみ)である。

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