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「ダメなものはダメ」?

2012年11月29日 | Weblog
【産経抄】11月29日
 「ダメなものはダメ」。平成元(1989)年7月の参院選で流行語となった、当時の土井たか子社会党委員長お得意のフレーズである。政府・自民党の消費税構想を激しく批判する、憲政史上初の女性党首の周りには、いつも大勢の聴衆が集まったものだ。結果は社会党が議席倍増の大躍進を遂げ、特に女性議員の進出が目立った。
 ▼滋賀県の嘉田由紀子知事は土井氏と、若き日に京都で勉学に励んだ共通点がある。大先輩の雄姿を、記憶にとどめているはずだ。その嘉田氏が、新党「日本未来の党」の代表に就任することになった。
 ▼表の顔が嘉田氏なら、裏で党を取り仕切るのは、国民の生活が第一を解党して合流する小沢一郎氏以外にはあり得ない。平成元年の参院選は、当時すでに自民党の実力者だった小沢氏にとっても、忘れられない選挙だろう。
 ▼嘉田氏が、「ダメなものはダメ」と決めつけるのは、原発である。きのう初めて、「10年間でゼロにする」と目標時期まで明言した。福島第1原発事故以降、「脱原発」に勝る政治スローガンはないといえる。
 ▼ただし、代替エネルギーの確立を待たずに強行すれば、国民生活と経済に与える影響は甚大だ。数日前の小紙コラムで、増田明美さんが指摘しているように、「電気代は○倍に、失業率は○%になります」などと、負担の大きさについても、議論を重ねるべきだ。
 ▼土井氏の主張が正しかったかどうかは、その後の社会党の退潮を見れば明らかだ。嘉田氏の「卒原発」はどうだろう。嘉田氏は、東海道新幹線の新駅の建設凍結を訴えて、知事選に勝利した。最近になって、新駅についての発言が一転したとの報道があっただけに、余計に気になる。

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