つばさ

平和な日々が楽しい

気軽で手ごろという長所は、そのまま落とし穴になる。しかし遊びを一切排した人生や社会も想像しにくい。

2013年08月09日 | Weblog
春秋
8/9付

 先週金曜日、午後11時21分50秒。日本全国から少なくとも、のべ14万人が参加しバルス祭りがピークを迎えた。といっても、どこか特定の場所に、これだけの人数が実際に集まったわけではない。ネットの掲示板などに一斉に「バルス」と書き込む。そういうお祭りだ。

▼バルスとは? この時間、あるテレビ局が映画「天空の城ラピュタ」を放映した。終幕で主人公たちが唱える滅びの呪文(じゅもん)「バルス」。その瞬間に合わせ同じ呪文を打ち込むのだ。ツイッターには1秒間に14万以上も書き込まれ、今年元旦の「あけおめ(あけましておめでとうの略語)」を抜き世界新記録を樹立したそうだ。

▼1977年から続く「レジャー白書」は、時代に合わせて新しい項目をランキングや集計に追加する。先週出た最新版で、新顔ながら参加人口で上位に食い込んだものの1つが「ツイッターなどのデジタルコミュニケーション」だ。ふだんはおのおの細切れの時間に参加し、たまのお祭りでは大勢の人と一体感も味わえる。

▼気軽で手ごろという長所は、そのまま落とし穴になる。携帯電話やパソコンに没頭するネット依存の中高校生は全国で50万人を超すと、厚生労働省は推計する。どんな遊びも過ぎれば生活を壊す。しかし遊びを一切排した人生や社会も想像しにくい。暑さも盛り。大人も子供も遊びとのつきあい方をうまく学んでいきたい。

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