2011年11月26日 ゲンダイネット
みんなの党がクッションになれば、橋下も乗る?
「オールジャパンでわが国の国力をアップする方策を考えないといかん」
国民新党の亀井静香代表(75)が25日の会見で新党構想をブチ上げた。これに呼応するように、東京都の石原慎太郎知事も同日、「政界再編の力は大切だ。選挙制度を変えてドイツみたいに3つの政党になって……」と定例会見で講釈を垂れていた。
「亀井氏の頭の中には、菅政権末期から『救国内閣』の構想があり、石原都知事ら保守政治家の力を結集させようと動いていました。ところが、菅前首相には相手にされず、野田政権になっても半ば煙たがられる存在になっている。悲願の郵政改革法案は、今国会でも成立が危ぶまれている状況です。亀井氏としては、民主党にコケにされたという思いがあるのでしょう。“それならこっちにも考えがある”と、政治生命をかけた最後の大勝負に出ようとしているのは間違いありません」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)
24日の昼には、亀井・石原コンビと、たちあがれ日本の平沼代表、園田幹事長が会談。新党構想を協議したという。だが、こんなジイサン連中が集まったところで、すぐに立ち枯れになるだけ。そこで、亀井が触手を伸ばしているのが、橋下前大阪府知事の「大阪維新の会」や大村秀章愛知県知事の「日本一愛知の会」、そして民主党の小沢グループとの連携である。
小沢は最近、「増税を強行すれば党運営が厳しくなる」と発言するなど、増税路線を突き進む野田政権批判を強めている。
「亀井氏は、小沢氏とも直接会って新党の話をしています。一方で、小沢Gの中には、みんなの党との連携を模索する動きもある。地域主権や公務員改革など政策面で組める部分が多いのです。亀井構想を突き放した橋下氏もみんなの党がクッションになれば、小沢Gとは組めるでしょう」(鈴木哲夫氏=前出)
政治評論家の有馬晴海氏は「大阪ダブル選で橋下陣営が圧勝すれば、新党構想に一気に弾みがつく。大阪で自民と民主が組んでも維新の会に敗れたとなれば、次の選挙で第3極が大躍進する可能性があるからです」と話す。
この混沌は、まさしく政界再編前夜の様相だ。小沢はどう動くのか。小沢Gの中核議員は現状をこう明かす。
「親方(=小沢)からは、『今は動くな』と言われている。誰と組むつもりかは分かりません。しかし、いったん親方が『これで行く』と決めたなら、一致団結して動く準備はできています。もちろん、離党もいとわない。民主党内で集結する人数は、菅内閣に対する不信任決議案で集結した70人がベースで、さらに上積みがある。当時は不信任案可決に同調しなかった議員の中にも、反TPPや反増税で民主党を離れかねないのがいるし、参院民主党にも離党予備軍は20人近くいますから」
「親方(=小沢)からは、『今は動くな』と言われている。誰と組むつもりかは分かりません。しかし、いったん親方が『これで行く』と決めたなら、一致団結して動く準備はできています。もちろん、離党もいとわない。民主党内で集結する人数は、菅内閣に対する不信任決議案で集結した70人がベースで、さらに上積みがある。当時は不信任案可決に同調しなかった議員の中にも、反TPPや反増税で民主党を離れかねないのがいるし、参院民主党にも離党予備軍は20人近くいますから」
亀井新党に小沢Gが合流すれば、第3極は100人規模の一大勢力になる可能性があるのだ。
小沢は25日、西岡武夫前参院議長の「参院葬」に参列し、友人代表として時おり声を詰まらせながら哀悼の言葉を送った。
小沢は25日、西岡武夫前参院議長の「参院葬」に参列し、友人代表として時おり声を詰まらせながら哀悼の言葉を送った。
「西岡先生の思いを胸に、日本の国と国民のため、最後のご奉公の決意で、今後とも全力で政治に取り組んでまいりたい」
最後の奉公が、亀井との共同戦線になるのか。