U設計室 web diary

建築つれづれ日記

引き渡し

2003-12-26 | Works
昨日は分倍河原の家の引き渡しでした。
植栽工事等がまだなので
来年暖かくなってから写真を撮らせて戴こうと思っています。
近隣の方々が、職人さん達に
「すてきな家が出来たわねえ。
設計事務所が入るとやっぱり違うわねえ。うちも頼みたいわあ」
等と言っているのを聞くと、面はゆいながら
ちょっと嬉しく思ってしまいます。
建て主の方も褒められてやっぱりうれしいとおっしゃっていました。

年内は、土曜日の打ち合わせが今年の仕事納めです。
皆様よいお年を。来年もよろしくお願いいたします。

夜空ノムコウ

2003-12-20 | Essay
昨日の夜空とてもきれいでした。
あんなに星がくっきり見えたのって
ホント久しぶりなんじゃないかなあ。
冬の星座ってオリオン座とおおいぬ座くらいしか知らないけれど
おおいぬ座の一等星シリウスがほんとうにきれいに輝いていました。
星が瞬くってああいう感じなんだなあ。
スバルも見えたし、ほんとに星がきれいに見えました。
オリオンの三つ星の下のあたりにも
なんだかモヤモヤっとしたものが見えて、
家に帰ってから子供が持っている星の図鑑を見たら
M42星雲だとわかりました。
ふだん、東京では見えませんよねえ。
冬になって空気が乾燥し、風でスモッグが吹き飛んで
こんなにきれいに星が見えるんですね。
鼻歌を歌いながら自転車通勤をしているのですが
昨晩はうろ覚えの「夜空ノムコウ」を口ずさんでいました。
ホントにきれいでしたよ、昨日の夜空は。
今晩も見えるかな。
帰り道のささやかな楽しみです。

役所

2003-12-18 | Works
先日、K市役所に行って来ました。
地方の役所にいくと思う事が多いのですが
まだまだ、威張っていて親切でない公務員っているんですよね。
公務員はいわばサービス業だと思うのですが・・
一般的に都内23区の公務員の人達は公僕という意識の人が多く
とても親切で好感を持っているのですが、
一歩23区を出るとまだまだ不親切な人が多いと感じてしまいます。
人にもよるんでしょうが・・・
その日は建築指導課にいって建築的なことを確認しました。
その時点でちょっと、不親切な感じの人だなと思ってはいましたが、
必要なことは聞いたのでまあこんなものだと思っていました。
もう一つ下水のことも聞きたかったので、お聞きすると「それは下水管理課です。」
と冷たく言われてしまいました。
下水管理課に行くと、担当の人は僕が持ってきた案内図を一瞥するなり、
「そこは、入ってないね」と言って自分の机に戻ってしまいました。
「ハヤー」
何か資料でも見せてくれるのかと思ったら、そうでもないようです。
カウンター越しに「私道で、汚水と雨水の放流をどうするか聞きたいのですが」と言うと
工務課に行ってとたらい回しにされてしまいました。
工務課の人達は親切な人達で図面で確認してくれ、
私道の部分はここでは判らないので建築指導課が判ると思うとおっしゃるのです。
「建築指導課から下水道課に行ってくれと言われたんですが」と話すと
では一緒にいきましょうと親切に建築指導課に同行してくれました。
下水道課の人が話すと建築指導課の担当者は奥から資料を出してきました。
「持ってたんじゃない!!」
さすがにムッとしましたねえ。初めから出してくれればいいのに。
何でたらい回しにするかなあ。
初めて訪れたこの街の第一印象はかなり悪いものになりました。
結局人の問題だと思うけれど・・

世知辛い

2003-12-15 | Food
12月は慌ただしいですね。
今年中にキリを付けたいことがいくつもあるので
こういう状態になるんでしょうね。
先日外出した折り
何か美味しいものを食べて元気を付けようと
天ぷら「つな八」に行って、遅い昼食を食べました。
近所には「船橋屋」もあるのですが、
ビルに入っている船橋屋より
木造2階建の「つな八」の方が好みです。
カウンターに座ってお昼の定食を頼みました。
隣の席には、会社の会長といった風情の男性と
秘書のような、背筋を伸ばした若い女性が座っていました。
天ぷらが揚がるまで聞くとはなしに隣の席の会話を聞いていると
どうやら、会長がその女の人を口説いて!いるようです。
一緒に旅行して美味しいものでも食べようと口説いています。
平日の昼間からお酒飲んでいい身分だなあ。と思っていると
そのうち天ぷらが揚がって
板さんが目の前の皿にどんどん天ぷらをのせてくれます。
確か小説家の向田邦子が
「天ぷらと寿司は、親の敵のようにどんどん食べないといけない」
と言っていて、その教えを守って私はどんどん食べるのです。
隣の二人のこともあるので、僕はもう怒ったように食べるのです。
どんどん食べているうちに、隣の二人は居なくなっていました。
穴子と海老のかき揚げで、もう一杯御飯を食べようとおかわりをお願いしたら、
「別料金になりますがよろしいですか」と言われてしまいました。
つい最近まで御飯と味噌汁はお代わり自由だったのに・・
出したお茶碗を引っ込めるわけにはいかず、
お代わりして、かき揚げ丼のようにして食べました。
お米の値段があがったので、「お代わり自由」ではなくなったと
店員さんは説明していたけれど、なんか世知辛いなあ。
それに、会長の方も
昼間の天ぷら屋で口説かなくてもいいと思うんだけど
こちらのほうも世知辛いですね。
ホント!

木製建具

2003-12-11 | Works
分倍河原の家が、今月引き渡しに向けて
ピッチをあげて職人さん達が頑張ってくれています。
この家は女性お一人の住まいで
スキップフロア形式のほとんどワンルームの住宅です。
今日現場に行ったところ、
居間にペアガラスの大きな建具が入っていました。
ガラスが入ると急に出来上がった感じになりますね。
この家の窓はほとんどが木製で、
建具屋さんにつくってもらったものです。
アルミサッシもいいところが勿論ありますが、
質感ということだと、やっぱり木製の建具に軍配が上がります。
建具屋さんにつくってもらう場合、
気密性や風雨の対処・メンテナンスのことなど
しっかり考えておかないといけません。
いい感じに出来てきたので完成が楽しみです。

奥さん?!

2003-12-09 | Essay
スタッフと配置の確認に現場に行ったところ
隣のおばあさんが出てきたので、少しお話ししました。
その時、スタッフが僕の奥さんに間違えられてしまいました。
僕たちのことを建て主夫妻と間違えたようです。
以前にも違う現場の打ち合わせで
建て主のお母さんに初めてお会いしたとき
やはり、「奥さんですか?」と言われたことがあります。
スタッフはかなりショックだったらしく
「もっと若い格好しようかなあ」と嘆いていました。
スタッフ達とは20歳以上も年が離れていますものね。
スタッフよりも御両親の方に近い年齢なんですね。僕は!
ま、年の離れた夫婦もいることだし・・とスタッフを慰めました。

スタッフ達と話していて、
「その頃はシャカリキになって図面を書いているよ。」と言ったところ、
「シャカリキ」って落語に出てくる江戸弁みたいですねと笑われてしまいました。
たぶん知らないと思いながら
「チカリタビー」って知っている?
と彼女たちに聞いたらやっぱり知りませんでした。
今リバイバルでTVでやっている
「ぴったしカンカン」がオリジナルで放映されていた頃、
「リポビタンD」のコマーシャルでかなり流行った言葉です。
今から25年くらい前のことです。
秋田弁で「疲れたなあ」と言うことらしいけれど、
横手出身の友達は、秋田ではそんな言葉は使わないと怒っていましたっけ。

エエ!
25年前というとスタッフの一人はまだ生まれていないではないですか!
あー「チカリタビー!!」

タイムマシン

2003-12-01 | Literature
NHKアーカイブスで
川端康成がノーベル文学賞を受賞したときの座談会を放映していました。
1968年、受賞の知らせがあった翌日
鎌倉川端邸の庭での
三島由紀夫と伊藤整との生放送の座談会です。
川端康成のとても不安そうな
知らない場所に連れて行かれた少年のような
おどおどした眼差しがとても印象的でした。
そして川端が、日本語のオリジナルの小説でなく
英訳した小説が審査委員に読まれての受賞ということを気にしていて
「ノーベル賞を辞退した方がいいんじゃないですかね」と
冗談とも本気とも計りかねる発言をしたのには驚きました。

三島由起夫が即座に否定をしたけれど、
この発言にはびっくりしたなあ。
ノーベル文学賞をもらう喜びよりも、
次回作へのプレッシャーを感じているようにも見えました。
三島も次回作を多いに期待しています、なんて言っているし。
それにしても、生放送ということもあってか、
盛り上がりに欠ける、妙にしらけた雰囲気の座談会でした。
それから、4年後、川端康成は自殺してしまうんですよね。
三島もこの座談会の2年後、市ヶ谷の自衛隊で割腹自殺。
タイムマシンにのって過去を見ているような気がしました。