ミーハーおかんの甘辛雑記

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それも気に入りの方中心です。

映画「早咲きの花」

2007-01-08 22:22:16 | 映画
徳山秀典さんが出演ということで興味を持ったのは事実ですが、主演が浅丘ルリ子さんというところと、ストーリー自体にも興味があったから観に行った、というのが正しいと自分では思っています。


物語の舞台になった豊橋市は、自分の故郷から「海(遠江・とおとうみ=浜名湖)超えて、もうちょっと行ったとこ」(新幹線だと次の駅)という距離なんですが、言葉はもう、結構似ているので、どっぷり身近に感じながら見てしまいました。

切ない話なんですけどね。
徳山さん演じる前田先生の徴兵報告のくだりでは、ぼろ泣きしてしまいました。
そして、その遺書のシーンとか。。。

上映後の監督のお話では(これは、東京国際映画祭での挨拶でもおっしゃってましたが)「声高に反戦をうたうつもりはない。ただ、あんな時代でも子供達は生き生きとした目をして生きていた。今、『豊かな時代』になったが、子供達の目は輝いているとは思えない。『生きること』の意味を考えてもらえれば」というようなことがこの映画のテーマだということですが、
やっぱり、無垢な子供を巻き込んでいく戦争の悲しさというのが先に立ってしまいます。

で、題名の「早咲きの花」というのは、
空襲で殺された学徒動員生の学校に建てられた「早咲きの花が散った 美しく」という碑があるそうで、どうやらそこから取ったようなのです。
この碑がエンディングで写されますが、実は私、この言葉に非常に違和感を思えました。

「美しく」ってのは、違うんじゃないか?
13かそこらから兵器を作らされた学徒動員生。彼らは「美しい早咲きの花」だったと思うけれど、それは美しく散ったのではなく、「踏みにじられた」のではないのでしょうか。
それは、当時の敵国によって、というものもあり、そんな子供に兵器を作らせるまでになってしまった当時の「大日本帝国」というものによって、でもあると感じました。

家に帰れば、まだ小学校低学年のわが子たちが、ニュースで流れた「憲法改変で、戦争をすることが出来るようになる」という意味の言葉に過敏に反応しています。
「戦争は怖いから、嫌」。
その感覚は、なくさないで欲しいしなと思います。そして親としてはそんな子供を守るように行動しなくては(たとえば選挙とか)。

・・・と、ちょっと堅い感想になってしまいましたが、映画そのものは非常に優しい視線で終始描かれています。
戦争という背景がなければ、穏やかな子供達の日常が描かれているだけと言うことも出来るのではないでしょうか。兄弟愛とか、友情とか、家族愛とか、そういうものを感じることもできます。

テアトル銀座での公開は今日まででしたが、今月20日(土)から26日(金)まで、立川シネマシティで公開されることが決まったそうです。(立川のが近いんです、自分・・・orz)
立川シネマシティの設備はいいと思いますので、見逃された方は足を伸ばしていただけたらと思います。

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