作家名 田中等(宮崎県高鍋町在住) プロフィールは
こちらから
設置場所 兵庫県上月町上月駅前ロータリー(西播磨石彫シンポジウム)
設置時期 1995年9月
素 材 白御影石
撮影日 2007年3月3日雨
三日月が二つ並んだような作品は、電車ごっごでもしているような楽しさの感じられるものでした。写真を撮っている間に友達はロータリーをぐるっと回りながら、この角度がいいねーと言うので、私もシャッターを押しながらひとまわりしました。彫刻のまわりの、交通標識・電柱・自販機すべてが彫刻の価値を下げているような気がします。が、屋外に設置されたものは景色を借景にしなければならないのでしょうか。
見る角度によって、表情が随分違って見えます。寄り添っているように見えたり、大きいはずの石が逆に小さく見えたりと・・・。友達は、絶妙なバランスだねと言っていました。彫刻を見ているだけなら、背景をシャットアウトできますが、写真にするとそれではだめかなと思い何枚も撮ってみました。最後に「95西播磨石彫シンポジュウム MOON DANCE 田中等 1949生」 の石のプレートを確認しました。
帰りのタクシーの中で、運転手さんに「なんにみえるの」と聞いてみると、「離れようとしている二人をロープで無理に縛っているように見える」と言われました。横の石の彫り方が、丁度紐にみえるそうなんです。「運転手さん、離婚でもしようと思っているんですか」と聞いてみるがそうではないと言われた。人生経験が違うと思いも様々ですね。作家さんに何を意図して作ったか聞いておいて、また上月に来て教えてと言われた。また・・・来れると嬉しいですが。毎日、何をか思いつつ見て下さる人があることを知りました。ロマンチックな想像をする時は、恋しているときだったり・・・するそうです。
運転手さんの言葉を田中氏に確認したところ、意図は連帯感だそうです。また、当時の私の感覚としては大きい月が男、小さい月が女という感覚があったように思います。ということでした。そして、シンポジウムというものに初めて参加された時の作品だということですから、思い入れは深いことでしょうね。私も作品を手で触ったり、思いを知ったことで、彫刻も上月も好きになりました。