あひる町の住人~兼業画家ライフ~

兼業画家をしています。高知在住。にゃんず・釣りやギター・ハシビロコウネタ、など、悲喜こもごもの土佐日記です。

人が財産だということ。

2015年01月29日 | 【エッセイ】

来月また会社を辞めるひとがいる。今回は2名。残念である。

もともと人の出入りが激しい会社だ。
慣れっこになっていると思いきや、精神的に堪えている自分がいる。

ひとりは四大卒50代の事務職。就任して1年ほど。
わざわざ東京から高知に単身赴任、品質管理の書類・申請を手掛けるもなぜか退職。
キャリアは十分だが…まったく理由がわからない。毎日会っているのに、「辞める」ということすら伝えにこない。引き抜きなのかもしれない。

ひとりはベテランの40代板金職人。
20年以上のキャリアを持ち、10代からこの会社で働いている。
コツコツと何かをするより、人と話しをしたり華やかなことが好きで、モノ作りはあまり好きではないのかなと感じていたが…勤続20年以上のキャリアはもったいないなとも思う。
退職後は同じ職種にはつかず、別の方面にいくそうだ。応援したい。


ちなみに、ここ5年で辞めた人数をまとめてみた。1年平均で割ってみると5人になった。
この計算でいくと年内あと3人は辞めるということに・・・。


正と負の連鎖反応


僕は以前の職場でマネージメントをしている時、「人を辞めさせない」という信念を持っていた。仕事を通じて教育したりされたりして技術や知識を共有しあい、喜びや苦しみを分かち合った仲間との時間はかけがえのないものだった。しんどそうな人をみたらみんなでフォローして、よい関係を築いていけた。
良い人間関係が続くと低所得でも誰も辞めなくなった。

それでもある日「会社を辞める」という人が出てくる。そして、よくも悪くも連鎖反応がおこる。「自分も辞めようかな」「あの人の仕事がのしかかってくるかも」「会社の経営がヤバいのかも」など、あまりいいものではない。

良い面もある。「やりたかったことに挑戦する」「独立するために辞める」というのは嬉しいものである。「独立」は横のつながりができ、それを応援する楽しみもできる。
「俺もいつかは・・・」と憧れの対象になり、モチベーションUPにもつながると思う。


人が辞めることの損失の大きさ


キャリアを積んで辞めるということは会社にとってかなりの痛手となると考える。
(経営者側はたぶんそれをわかっていない)。

一人が「辞める」ことはどれくらい会社にとって損失なのか、ざっと計算したことがあった。
仮に3年間の技術キャリアを持つ人が辞めたとすると。約2千万円の損失だったと記憶している。
細かいことは記憶していないが、その数字を見てぞっとした思い出がある。

キャリア育成にかかった時間やコスト、不慣れにより加工ミスなどの不良率UP、教育に携わった人、講習会などの費用
・・・そして辞めてしまった後の引き継ぎする人の負担、不良率はUP・その不具合をリカバリーするための金額etc・・・。

新しい人が入ってきた時にまたキャリア期間が始まる。お金に換算すると膨大になる訳だ。

人の入れ替わりが激しくなってくると教える気も失せる。
「教えても辞めてしまうから」と声もかけなくなる。
いくら経験者が新しく入ってきても勝手がわからず右往左往し、
周囲となじむのも、通常の職場の倍以上のエネルギーが必要だろう。
(実際僕もそうだった)
全体のモチベーションは降下していく一方だ。
今の中小企業では先細る一方で、昇給さえ望めないのが現状だ。
そして、コスト削減を給料に持ってくるのは悲しい話だ。
どうやってモチベーションを上げればいいのだろう。


人材<人財


だから僕は「人材」ではなく、「人財」だと強く思う。
僕みたいなペーペーがそんな大それたことを考えていても、会社の空気は変わらない。
トップが「人財」を理解していなければなかなか難しい。「人材」と考えているから、いくらでも募集すれば代えが来ると思っている。

給料面で辞めていく人もいる。
しかし、「転職で給料が上がった」と言っている人をあまり知らない。
僕自身も転職して以前より給料は下がっている。

とはいえ、自分で決断したことだからイキイキしている人が多い。
辞めたことにより、報酬よりも「経験値=キャリア」にして自分の財産にしている。
自分の将来を大事にしているのだと思う。
経営者側の方々にはぜひ「人財」について考える機会を持っていただきたいものだ。


さらば・・・決断を湛えよう


仲間が辞めていくのはなんともさびしいものであるが、
辞めていく人が「あのとき決断してよかった」と思い
その後の彼らの人生が良い方向へ変わっていくことを切に願う。


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