趣味人Tの伝言

日々の趣味活動についてご紹介

安全側線-2

2016-05-28 06:06:25 | gallery:線路

その2では安全側線の車止めのバリエーションや線形を紹介したいと思います。

京急蒲田の5番線は切り欠きホーム構造で、ドイツのRawie社製の車止めが設置されていました。

名古屋車両区付近の安全側線では第二種車止めが使用されていました。

車止め標識が二重になっているのはちょっと珍しいかも。

加古川の安全側線はJR西で良く見られる油圧緩衝器+安全側線用緊急防護装置の組み合わせ。

このタイプの車止めが使用されていると文字通り安全な側線って感じがします。

 

近畿車両から徳庵に接続する連絡線の安全側線が設置ですが、これは危険な香りがします…

カーキャッチャーが終端部に付けられており(=摩擦による制動距離がほぼ無い)、よほどの低速でない限りは踏切に突っ込みそうです。

 

関西本線の平野には大柄な制走堤がありました。これだけ大きいと確実に車両を受け止められそうですが、その分車両の損傷も大きそうです。この先に踏切があるため厳重にしたのでしょうか?

 

JR嵯峨野線との合流部に設けられた安全側線は谷積みの石垣のような制走堤で独特です。

トロッコ嵐山

 

スラブ軌道-2でも紹介した姪浜駅構内。1番線の福岡空港方のみ設置されているのですが、なんとこの安全側線には贅沢にもスラブ軌道の分岐器が採用されているのです!

地下に入ってしまうので前面展望はあきらめてサイドから。砂利盛りから先は枕木ですね。

空港線及び箱崎線はATCが採用されているためか、緊急防護装置は省略されていました。

 

ここからは安全側線が使用される線形を見てみます。

平面交差部ではクロッシングに向かう線路に安全側線が設置されるケースがあります。

特に駅に隣接している場合、過走すると入線する列車に衝突してしまうためです。小平

 

北藤岡付近の高崎線と八高線の分岐点。左の線路が八高線で八王子方面になります。

高崎線の下り線と合流又は交差するため両方向に安全側線が設置されています。

 

羽前千歳の標準軌(山形線)と狭軌(仙山線)の平面交差ですが、狭軌側はクロッシングの前後に安全側線があります。標準軌はパターン照査のATS-Pが採用されているため省略されています。

安全側線が駅進入方向に設置されているのも単線並列区間における平面交差ならではかと思います。

 

奥羽本線の三線軌条区間における安全側線ですが、狭軌側のみ安全側線が設置されていました。

これは標準軌側に分岐がない配線で、かつ保安装置にATS-Pが採用されているためと思われます。

 

城北線の勝川はホームの先が車庫となっているため、冒進を防ぐための安全側線が設置されています。中央線ホームに乗り入れる日は来るのでしょうか…

左側には駅利用者が使う通路が隣接しています。車止めの脇だけフェンスではなくコンクリート壁になっているのは安全側線に入った車両が通路側に逸脱しないようにするためと思われます。

 

関西本線の白鳥信号場には四日市方に安全側線が設置されていました。ここは一線スルーですが主本線側にも設置されています。乗り越し分岐器の反位と定位の状態が良く分かります。

右に写っている313系は名古屋方面(写真手前側)に向かう退避中の列車です。こちら側は停止位置から分岐器までの制動距離が150m以上設けられているため、安全側線が省略されています。

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吹き付けで塗り分け

2016-05-23 20:25:28 | 車両工作(N)

1回でまとめたかったのですが、思いのほかマスキングに時間がかかっています。

メルヘン205系と白電415系、1500番台のシートを塗装しました。メルヘンの前回記事は1年以上前…

当初は自作したシートを塗装後に接着することで床板の塗り分けを簡略化するつもりでした。ですがドア付近の黄色を塗り分けることを考えたらむしろシートがないとマスキングが大変だと気づき、治具をつかって先に接着した次第です。

室内灯にはLED室内灯クリアを使用する予定ですが、基板は屋根裏に固定することでシート以外の突起をすべて排除しました。車端部に集電板の切り欠きを少しだけ設けています。

一方、白電は不要な長穴がありますのでプラ板で埋めておきました。

どうせ殆ど見えなくなるので継目消しは省略しています。室内灯はTORM.を使用する予定です。

本来ロングシートの500番台がセミクロスシートではいただけないので211系のシートを流用しました。

若干シートッピッチが異なるようですが気にしません。室内灯用の支柱を切除しただけに留めています。

1500番台はLED室内灯クリアを使いますので丸穴を埋めて集電板の切り欠きを設けました。

こちらも窓越しには目立たないはずなので継ぎ目消しは省略です。

白電の床はクレオスのC44タン+C119RLM79サンドイエローを半々くらい入れ、C136ロシアングリーン2を少し垂らしたものを吹きました。実車に近い色だと沈んで見えてしまうため少し明るめに調合しています。

乾燥後に床をマスキングしてモケット色を吹きます。

ですがマスキングでタイムアップ…

1500番台とメルヘンは床色の前にドア周りの黄色を塗りますが、イエローは隠蔽性が低いのでベースホワイトを吹いておきました。それでも成型色が明るいメルヘンの方が発色が良いですね。

モーターカバーは黄色の塗り分けをしませんが、色調を揃えるため一緒に吹いておきました。

ここから工程が変わります。1500番台は床色→シートの順に塗りますが、

メルヘンはモケット→床色の順に塗りました。これはメルヘンの袖仕切りを床と同色に塗るためです。

こちらもマスキングで終わってしまい完成せず…

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スラブ軌道-2

2016-05-15 18:05:52 | gallery:省力化軌道

スラブ軌道は全国で採用されているメジャーな軌道ですが、分岐器の採用例は限られます。なぜなら番数や線形により専用の軌道スラブを設置する必要があり、軌道狂いが生じたときの保守が大変といった要因があるからです。そのため後年は合成まくらぎ直結軌道を用いるケースが多くなりました。

 

というわけで全国各地のスラブ軌道分岐器を集めてみました。今回は在来線と私鉄に絞ります。

まずは北海道の千歳線千歳から

片開き分岐多数と両渡り線が駅の前後に設置されています。

札幌もスラブ軌道ですが、分岐器は合成まくらぎ直結軌道が採用されています。

 

ここから一気に南下して湖西線の近江舞子で発見。合計4台を確認しました。

まず敦賀方の分岐で2台を確認。内側の副本線は駅構内がバラスト軌道になっています。

上のスラブ分岐を横から。分岐部の両脇に並ぶ箱は温風式電気融雪機と思われます。

3台目は4番のりばを出発してすぐにありますが、分岐側のレールが撤去されています。

軌道スラブを撤去するのは大変なため上物だけで済ませているのでしょうね。

 

同じく湖西線の大津京にもありました。こちらは敦賀方の2台のみでした。

近江舞子とは反対で主本線が内側2線のため、外側の副本線がバラスト軌道になっています。

湖西線に乗ってみるといかに高規格な路線であるかを実感しますね。

大津京まで南下すると降雪が少ないのか、融雪器は設置されていませんでした。

 

嵯峨野線京都-丹波口間では、貨物用の山陰連絡線との合流地点に片渡り線が設置されています。

元々シーサスが設置されていたようですが、嵯峨野線の複線化に伴い片方が撤去されました。

また、先日オープンした京都鉄道博物館の最寄駅をこの付近に設置することが決定しており、今年度から工事を着工する予定です。山陰連絡線は今年の2月末に廃止済みなのでこの分岐器も見納めと思われます。

2017年、ついに渡り線としての機能が失われてしまいました。

連絡線の軌道も撤去工事が進んでおり、京都からデルタ線の一部が消滅することになります。

 

私鉄でスラブ軌道分岐器を採用している会社は今のところ阪神電鉄しか確認しておりません。

ひょっとしたら地下鉄なんかでも採用実績があるのかもしれませんが、確認出来ないので…

尼崎センタープール前に片開き分岐器が合計6台設置されていました。

元町方にはシングルクロスが備わります。さすがに複分岐ではありませんでした。

通常は軌道センターにある円形突起を両脇に並べ、軌道スラブを横向きに固定している点が他の場所と異なります。また通常の区間は締結装置の取り付け部が盛り上がった軌道スラブを用いているのに対し、分岐器周辺の軌道スラブは締結装置周りがフラットになっている点も注目。

 

最近になって播但線にもスラブ分岐器があることを発見しました。

播但線の姫路~野里間は姫路駅の高架化よりずっと古い1984年に高架化されています。

姫路を出発して左へカーブしていくと弾性枕木直結軌道から合成まくらぎ直結軌道、バラスト軌道を経てスラブ軌道になります。このバラスト軌道と合成まくらぎ直結軌道の区間が敷設時期の異なる高架橋の接続部になります。

京口の分岐器は尼崎センタープール前と同様に円形突起を横にして支持するタイプです。

加えて他の線区にはないY字分岐器(両開き)です。寺前方もスラブ分岐器でした。

 

隣の野里にもY字スラブ分岐が採用されています。

単線高架区間でスラブ軌道分岐器が採用されているとは思わず、昨年になって発見した次第です。

軌道スラブの幅は6種類あり締結装置の位置を変えることで対応しています。

突起は路盤コンクリートに成型されているため、片開きに改造するのは大変そうです。

 

横向きタイプは九州の姪浜にもありました。武骨なシーサスが3台並ぶ構内は圧巻の一言です。

真ん中の2線は福岡市地下鉄の姪浜車両基地へ向かう線路になります。

尼崎センタープール前と同じ円形突起が横に並ぶタイプですが軌間が異なるので専用品でしょう

中央部にある突起は2枚の軌道スラブの固定を兼ねているため径が大きくなっています。

福岡空港方には安全側線も確認できます。千歳や湖西線、山陰連絡線、播但線がそうであるように、1970年~80年代前後に高架化した区間で採用例が多いようです。

 

最後に鉄道総研の日野土木実験所にあるスラブ軌道分岐器の試験軌道を紹介します。

この分岐器は50Nレールの12番分岐器で1969年に敷設されました。

また手動転轍機のスラブ軌道分岐器は恐らくここだけでしょう。

営業線の分岐器と異なり、リードレール以外の軌道スラブが縦割りになっている点が特徴的です。

ここ以外では縦割りタイプを見たことありませんので試験要素が高そうです。恐らく軌道狂いが生じた際に修正しやすいよう分割したものと思いますが、そもそも分割しない方が狂いにくいような気もします。

近くにはバラストレス軌道と思われる分岐器も設置されていました。バラストレス軌道はバラスト軌道の周囲に型枠を作り、その中に急硬性のモルタルを流し込んでプレパックドコンクリート道床とするものです。

スラブ軌道と同じく省力化を売りにしており、バラスト軌道の置き換えが期待されています。

まくらぎがはみ出しているのも何か実験的な理由がありそうです。

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2017/11/12 加筆修正 (近江舞子、大津京、京都-丹波口の写真追加)

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E331系の形見 AU725系とAU731/732系

2016-05-12 18:15:24 | 鉄道雑感

4月末に機器更新工事を終えた宮ヤマU510編成の一部車両に、かつてE331系で使用していたクーラーが載せられているそうです。Twitterでも話題になっていたので実際に確認してみました。

型式はAU725A-G4形で、E231系に搭載されているAU725A-G3形と瓜二つのキセが特徴的です。

そのG3も近年では希少種のようで、まだ写真がありません。→2016/5/22 画像追加しました。

G4の冷房能力は42000kcal/h (48.8kW)で、16m級の4両(1、7、8、14号車)に搭載されていました。

そしてこれがU510編成に搭載されていたAU725A-G4の姿です。合計3両に搭載されていました。

他のAU725Aと比べると一目瞭然で、G4のキセにはアルミが採用されているようです。

AU725/726系列に必ず見られる妻板のビードがないのもそれが理由かと思います。

上の写真は後日撮影したAU725A-G3形。横コツK-40編成に搭載されていました。(6号車のみ)

妻面のビードと色を除けばG4と同じ形態をしているのがお分かり頂けるかと思います。

下は無印のAU725Aですが、G3やG4とは袖部カバーのスリット数や角部の処理が異なりますね。

E331系は2014年春に長野総合車両センターで廃車解体となり、秋頃にクーラーや床下機器の一部が部品取りとして大宮総合車両センターに運ばれたようです。連接台車は転用が難しいですもんね…

昨年の大宮鉄道ふれあいフェア2015でそれらの姿が確認されており、今年も残っているかなーと期待して行ってみたところ、屋外のクーラー置き場の一角にコンプレッサーがしれっと置いてありました。

E331系は過去の車両となってしまいましたが、残された部品の末永い活躍を期待したいと思います。

 

 【以下余談】

一方、13m級の連節車には33,000kcal/h(38.4kW)の新設計クーラーAU731形が搭載されていました。

AU726Bのファンを1つに減らして全体的にコンパクトにしたような形状です。

こちらもE331系にしか採用されなかった形式ですが、マイナーチェンジ版のAU732形がキハE130系列から採用され、今やJR東日本の新系列気動車&ハイブリッド気動車の標準クーラーとなりつつあります。

キハE120形、キハE130系、キハE200形、HB-E210系、HB-E300系の各系列で採用されています。

上信電鉄7000系にもRPU-7523形(容量も同一)というそっくりなキセのクーラーが載せられており、今後新潟トランシスで製造する私鉄車両にも波及していくのか気になるところです。

さて、KATOからHB-E300 リゾートしらかみが発売予定でして、AU732を単体で入手するチャンスです。

マイクロエースのキハE130のAU732は形状がイマイチ過ぎるので交換したい方も多いことでしょう。

そういえばマイクロのリゾートあすなろは試作品が出来ていたにもかかわらず、KATOのリゾートしらかみ製品化発表後に発売中止が発表されるという珍事が起きましたね。早く発売すればよかったのに…

↓ HB-E300 リゾートあすなろ

今年はE331系が登場してちょうど10年の節目ということもあり、自分はこのクーラーを使ってE331系の製作するかどうか悩んでいるところです。まずは他の仕掛品の消化が優先でしょうな

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予讃線 松山運転所

2016-05-03 10:59:51 | gallery:給水塔

松山運転所は予讃線の松山駅に併設されています。

駅の裏手を歩いていくと、仲良く並んだ給水塔が見えてきました。

木造平屋も残っていて古き良き運転所という佇まいです。まずは手前の古そうな方から観察

円柱状のコンクリートに鉄製のタンクが載ったタイプです。上部に明り取りの窓があります。

もう一方はコンクリートの架台にマンションの屋上にあるような貯水タンクが載ったタイプ。

こちらのが比較的新しそうです。給水塔の手前にも貯水タンクが置いてありますね。

運転所で大量に水を使うとなると昔はSLの給水が考えられますが、現代なら車両の洗浄用でしょうか。

どちらの貯水タンクも形鋼を挟んで置いてありました。手前のタンクは錆の侵食が心配です。

松山運転所は駅の高架化に伴い北伊予~伊予横田間に移転することが決定しています。

周辺の用地買収も進んでいました。この給水塔も残念ながら移転後は見納めになることでしょう…

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