50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

夏子、とマスクの喉に飲みこむ声で、驚きを瞬間・・・

2016-03-10 21:09:27 | 小説
夏子、とマスクの喉に飲みこむ声で、驚きを瞬間テレビの理恵のように冷静にさしかえている。「こんにちわ」と言ってペコリと頭を垂れる女に、マスクをスローモーションで外しながら感動の演技を心にかけた尻から、
「夏子さん!」
ちょっぴりオーバーに言ってしまって、
「夏子さん」
と理恵はトーンを抑えて言った。

(「おしのび」つづく)


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