50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

声の軽さを感じ、ふっと潮風に乗ってきた・・・

2015-09-29 21:34:47 | 小説
声の軽さを感じ、ふっと潮風に乗ってきた二十歳の声が甦り、幸男は戸惑った。まっ白いマスクに桜の花片が一つ染まって散るのを、見た。岬ホテルから宴の曲や歌声が潮風に吹かれながらこぼれてくる。耳をつんざくバンザイを余所ごとにして、理恵はヒールがもつれて幸男の手に助けられている。

(つづく)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿