50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「英次さんを忘れて・・・

2015-01-07 20:41:52 | 小説
「英次さんを忘れていたわね」
「同窓会のこと?」
「どうしましょうか。案内状は一応、お送りします」
「ご両親は・・・」
「そうね。気の毒ね。かわいそうね」
「切る?」・・・・・・

バスが音立てて揺れ、子供の日に家族連れの客が大勢いる中に子供の悲鳴を聞き、
「切る!」
と英次はまるで啓示のような叫びを発したのだ。ふりあげる顔一面を傾ぐ窓の街路樹の緑が塗った。続いて雄吉の独言が、「現代人とは形態を破る人間でなければならんのだ。英次」それは父が英次のためにいった啓発のための独言、と連続して浮かんだ後、ひどい頭痛をこらえてリュックを怯えたように握り締める。がしかし英次には何かの時によくあることだ。・・・・・・

(つづく)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿