【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

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年末調整で還付する税金(給与明細の記載方法)

2017-12-04 12:30:00 | 源泉徴収と年末調整
年末調整で還付する税金は次のように計算します。

A→年間の給与合計から計算した税額(最終確定税額)

B→毎月の給料や臨時の賞与から源泉徴収した税額の年間合計(仮の税額合計)

A<B、この差額を還付します。最終確定税額と仮の税額合計の差額です。

年末調整は年間給与合計の税額を計算する手続ですので、年間の給与を全て支払い終えなければ計算ができません。しかし、年間の給与合計額は年内最後に支払う給与の額が確定した時点でわかりますので、年末調整による税金の還付は年内最後の給与を支払う際にします。

年内最後の給与明細には、この年末調整で還付する税額を「年末調整還付」などと明記しなければなりません。この記載は、控除欄(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税など)で「マイナス記入」します。控除(マイナス)のマイナスですので手取りに加算するということです。

A>Bとなる人もいます。その場合は、年内最後の給与明細の控除欄で「年末調整追加徴収」などと明記して控除します。

★還付金の財源

税金を還付する雇用者側からすれば、還付金に充当する資金をどうやって捻出するかに頭を痛めます。

「余分に徴収したのだから」はわかるとしても、「すでに税務署に納付しているので」と考えてしまいます。しかし、還付した分は以後納付する分から差し引くことができますので、還付税額が雇用者側の負担になることはありません。

★還付金だけ返す

還付金だけを給料や賞与とは別に返金するという方法もあります。年内最後の給与が比較的早い日にち(10日とか)の場合に行われます。そのほか、翌年1月の給料で返金するという方法もあります。しかし、原則はあくまでも年内最後の給与での返金です。

★住民税は還付しないのか?

年末調整は国税である所得税の手続ですので、地方税である住民税(都道府県民税と市町村民税)は関係ありません。住民税は市町村が年末調整の結果報告を受けて税額を計算確定し、それを勤務先に通知します。勤務先はこの通知を受けて毎月の給料から天引きします(これを特別徴収といいます)。確定した税額であることから年末調整のような精算手続も不要です。

以上のように住民税は年末調整の結果を受けることから、1年送れて課税されます。市町村から勤務先への通知は翌年5月に行われ、その通知された分を12分割して各月の給料から徴収します(賞与からは徴収しません)。平成30年の住民税は、平成29年の年末調整の結果ということです。

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