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【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

法人税率(利益に対する法人税を計算する)

2017-11-24 16:15:00 | 起業(会社設立など)と経営
会社の利益に対しては、法人税(国税)、事業税(都道府県税)、都道府県民税、市町村民税が課税されます。これらを合計しての税率はおおむね30%程度であるといわれていますが、実際の計算は下記のとおり個々の税目ごとに行います。

◆法人税→所得(おおむね利益)に課税される

法人税率は下記のとおり中小会社(資本金1億円以下の会社)に対しては低くなっています。

○資本金1億円超の会社・・・所得(おおむね利益)の23.4%
○資本金1億円以下の会社・・・所得800万円以下は15%、800万円超は23.4%

今から30年ほど前は上記の23.4%が42%もありました(15%部分も今とは違いました)。ここまで引き下げられた理由は、消費税の導入(直間比率の見直し)や法人税率を国際的な水準に近づける(企業の国際競争力の強化)という政策が背後にあります。今後も消費税率は上がり、法人税率は下がるということが予想されます。

法人税のほか、上記で計算した法人税額に対して10.3%の「地方法人税(国税)」も課税されます。

◆事業税→所得(おおむね利益)に課税される

事業税は、付加価値割、資本割、所得割に分かれていますが、資本金が1億円以下の会社は所得割のみを納税します。

資本金が1億円以下の会社の所得割の税率は次のとおりです。

法人税の計算における所得(おおむね利益)に対して、400万円以下の部分は3.4%、400万円超800万円以下の部分は5.1%、800万円超の部分は6.7%を乗じて計算した合計です。これは標準税率ですので、この1.2倍の範囲内で各都道府県は超過税率を採用することができます。

事業税のほか、事業税額に対して43.2%を乗じた「地方法人特別税」も課税されます。

◆都道府県民税→法人税額に税率を乗じる

法人税額に3.2%から4.2%を乗じた額です(税率は都道府県により異なる)。このほか利益の有無や金額にかかわらず均等割が課税されます。その額は、資本金1千万円以下の会社であれば2万円です。

◆市町村民税→法人税額に税率を乗じる

法人税額に9.7%から12.1%を乗じた額です(税率は市町村により異なる)。このほか利益の有無や金額にかかわらず均等割が課税されます。その額は、資本金1千万円以下の会社であれば5万円から6万円です。

★損益計算書における利益と法人税などの関係

損益計算書の末尾は次のように表示されます。

〇税引前利益・・・これに法人税などが課税される
〇法人税等・・・上記のとおり計算した税額を計上する
〇当期純利益・・・税引前利益から法人税等を差し引く

法人税などは税引前利益に応じて課税されます。「法人税等」という勘定科目に含まれるのは、その事業年度の法人税(国税)、事業税(都道府県税)、都道府県民税、市町村民税です。その事業年度の分ですので、事業年度末では納付されていないことから、貸借対照表の負債に「未払法人税等」という勘定科目が計上されます(中間申告で納付した分を除く)。

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国税庁サイト(法人税の税率)
総務サイト(法人住民税・法人事業税の税率採用状況)

【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。

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