「頑張れ!」の一言が、心を患っている人にとっては重荷になることをご存じですか?
心を患っている人には、「しばらくは、何も考えずにゆっくり休んだら・・・」と声をかけなければならないのです。
この本はこの常識をさらに超越して、現代社会においては鬱であることが当たり前で、鬱を力に変えてしまうという「悟りの境地」や「開き直り」、要するに「発想の転換」について語られています。(作家の五木寛之さんと精神科医の香山リカさんが対談しています。)
雇用や年金問題などの解決策が一向に見いだせず、社会不安が高まる一方の現代社会においては、「前向き」だとか「プラス思考」などのほうがむしろ異常なのかもしれません。閉塞感や絶望感を当然のこととして生き抜いていかなければならないのでしょう。