確定申告の合間に目を通した新聞に広告が掲載されていました。本書の内容に耳が痛くなる税理士は多いことでしょう。この手の本、つまり「税理士の良し悪し」を判断するための本は多数出版されています。当然、そのような本は必要だと思います。
しかし、気になることがひとつあります。それは、これらの本によっては税理士を「あらゆる意味で」経営者のパートナーと位置付けているということです。
税理士は税金の専門家であって、経営の専門家つまり経営コンサルタントではありません。このことは、税理士法第1条を読めば一目瞭然です。
古くから税理士業界では次の依頼は引き受けてはいけないとの「戒め」があります。
「関与する会社の役員」
「依頼者の保証人」
一般の人にとっても当然のことです。「親しき仲にも」、「和して同ぜず」ということです。なによりも、税理士にそこまでの力量(財力)はありません。
税理士のことを経営者のパートナーと信じる人など「まずはいない」(笑)でしょうが、経営者のパートナーであるとの考えがネットや書物で発信されることは税理士制度の趣旨からして明らかに問題があります。(このような情報を発信する人は、自らが税理士であることを隠す、あるいは十分な限定条件をつけるべきであると思います。)