goo blog サービス終了のお知らせ 

【実録】会計事務所(公認会計士・税理士)の経理・税金・経営相談

大阪市北区の築山公認会計士事務所(築山哲税理士事務所)です。
身近な疑問の解説と役立つ情報の提供をさせていただきます。

「年末調整のしかた」を読む(9ページ・年末調整の手順)

2012-11-08 18:31:00 | 源泉徴収と年末調整
9ページの「年末調整の手順」をご覧ください。

こういった「体系的な説明」や「鳥瞰図」は、この手のマニュアルには欠かせません。しかし、初めて年末調整の事務作業をする人にはとても理解できないでしょう。

この図を理解するには前提を知らなければなりません。

「毎月源泉徴収した税額の合計」と「年間給与総額に関する税額」の精算(調整)手続、それが年末調整です。

「毎月源泉徴収した税額の合計」はこの図の「給与と徴収税額の集計(50ページ)」のことです。本来ならばこれがこの図の最上部に配置されなければなりません。しかし、「集計」なのでこの位置にあるのだと思います。

「年間給与総額に関する税額」は「課税給与所得金額の計算(54ページ)」と「年調年税額の計算(55ページ)」のことです。

「扶養控除等(異動)申告書の受理と内容の確認(10ページ)」など合計4つの「・・・申告書の受理と内容の確認」はこの図の最上部に位置するものではありません。最上部に位置すべきなのは、「給与と徴収税額の集計(50ページ)」です。少なくとも、合計4つの「・・・申告書の受理と内容の確認」と「給与と徴収税額の集計(50ページ)」と「同列」でなければなりません。しかし、以後のページの順番や「・・・申告書の受理と内容の確認」の重要性からして「・・・申告書の受理と内容の確認」を最上位にしているのかもしれません。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「年末調整のしかた」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2012/01.htm

「年末調整のしかた」を読む(7ページ・年末調整とは)

2012-11-08 18:30:00 | 源泉徴収と年末調整
早いもので今年も年末調整の時期がやってまいりました。このブログでは、年末調整の「公式マニュアル」である国税庁発行の「年末調整のしかた」の重要ページを何回かに分けてご紹介させていただきます。「難解な」公式マニュアルを読破する一助となれば幸いです。

7ページの「年末調整とは」をご覧ください。

難しいことが書いてあります。読むのも嫌になりますよね。要するに給料をもらう人の税金は1年(1月から12月の暦年)が終わるまで確定しないということです。毎月の給料からは源泉徴収がされています。これには一定のルールがあり、そのとおりに源泉徴収をしなければなりません。しかし、これがどんなに正しく行われていても年末調整をしなければ税額は「確定」しないのです。

「年末調整の対象になる人」は非常に大切です。

よくある誤解は「正社員のみ」が年末調整の対象になるということです。パートやアルバイトは税額も少なく、多くの場合、家族の配偶者控除や扶養控除の対象になっていることから年末調整は不要と考えてしまいます。しかし、そんなことは「年末調整のしかた」のどこにも書かれていません。

また、自ら確定申告をする人は年末調整が不要と思われがちですが、「年間の給与総額が2000万円を超える人」「2か所以上から給料をもらっている人で扶養控除等申告書を提出していない人」以外は年末調整をしなければなりません。

「年末調整を行う時」、つまり計算した最終的な税額と源泉徴収してきた税額を精算するのは、年内最後の給料を支払う時です。12月10日に賞与、12月25日に給料を支払う場合には後者の時に年末調整を行います。

●「年末調整のしかた」とは
国税庁が毎年、年末調整の時期になれば作成しています。「年末調整のしかた」は税務署で配布を受けられるほか、下記の国税庁のサイトからもダウンロードができます。また、源泉徴収義務者には11月中旬に所管の税務署から送付されます(大阪国税局管内の税務署)。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/nencho2012/01.htm

【国税庁サイト】「平成24年分年末調整のしかた」が掲載される(もうこんな時期か・・・)

2012-09-20 17:01:00 | 源泉徴収と年末調整
いまだ残暑が厳しいですが、国税庁のサイトには早くも「平成24年分年末調整のしかた」が掲載されました。

年末(12月=真冬)という文字に少しは涼しさを感じますが(笑)、それよりも今年ももうこんな時期になったことへの驚きと焦りのほうが大きく冷や汗が出そうです。

■生命保険料控除が改組されました

そうでした!そうでした!

平成24年1月1日以後に締結した保険契約については、従来からの「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」に加え「介護医療保険料控除」が認められます。上限は各4万円です。

平成23年12月31日以前に締結した保険契約については、従来どおり「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」が各5万円です。

「平成24年1月1日以後」に締結した保険契約と「平成23年12月31日以前」に締結した保険契約が「混在」している場合には・・・。インフルエンザになりそうです。

ところで、保険料の控除証明書に契約日は記載されるのでしょうか?

■「納期の特例」の承認を受けている場合には7月から12月分の納期限は翌年1月20日になります

従来は一定の申請と条件のもとに1月10日を1月20日に延長できましたが、今後は「納期の特例」の承認を受けている場合には「一律」1月20日になります。

これで年初はゆっくりできます(笑)!

23年7月から12月分の場合、新年は1月5日(木)に営業を開始して10日(火)に納付(7・8日は土日、9日は成人の日)という慌ただしいスケジュールでした。

来年は1月20日が日曜日ですので21日の月曜日が納期限で、いきなりの「お年玉付き!」です(笑)。

新年は1月7日(月)に営業を開始し、18日(金)までに集計、21日(20日は日曜日)に納付という余裕のあるスケジュールになります。

■自動車などの交通用具を使用して通勤する人が受ける通勤手当の非課税限度額が変わりました

そうでしたよね・・・

取引先が源泉徴収をしてくれない

2012-08-01 15:00:00 | 源泉徴収と年末調整
「デザイナー」「ライター」「講師」など特定の職業(給与所得者であるサラリーマン以外の個人)は、その報酬が支払われる際に報酬の一定割合を源泉徴収されます。

「源泉徴収すべきか」とか「どれだけを源泉徴収するか」といった判断は報酬の支払いをする者、つまり源泉徴収義務者がしなければなりません。この判断が間違っており源泉徴収ができていなかった場合には、税務署は源泉徴収義務者に源泉徴収すべきであった税額を納付するように促します(命令します)。

源泉徴収義務者はこの「立て替えて」納付した税金を支払先に「返金」するように要求してきます。「自分がミスをしておきながら(源泉徴収を忘れておきながら)!」と思えますが、この要求は合法です。

こんなことが度々起こるようでは、たまったものではありません。特に確定申告が済んだ後は大変です。

★源泉徴収に無知な取引先にどう対処するか

源泉徴収に無知な取引先もあります。特に給与以外の源泉徴収についてはほとんど知識がない取引先が多いです。源泉徴収する機会がそんなにはないからです。そのような取引先には、「私は源泉徴収が必要ですので請求額の○○%を支払いの際に天引き(徴収)してください」と事前に告げておく必要があります(請求書に明記しておくのも一法です)。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

●自分で源泉所得税として納付してくれ!

100の請求に対して源泉徴収すべき10を差し引かずに100支払い、10は受取人に「源泉徴収義務者の名義」で税務署に納付させるという方法です。

結果だけからすれば税務署は文句をいわないかもしれませんが、やめたほうがいいです。源泉徴収制度の趣旨に反します。源泉徴収義務者がその事務手続に要する労力を弱者(受取人)に転嫁しているといえます。

中途採用者の扶養控除等申告書(初出勤の日に持参せよ!)

2012-07-04 10:30:00 | 源泉徴収と年末調整
中途採用者の扶養控除等申告書についてよく相談を受けます。

扶養控除等申告書は、毎年その年(1月から12月の暦年)の最初の給与をもらうときまでに、給与をもらう本人が記入して源泉徴収義務者である勤務先に提出しなければなりません。便宜上この手続は年末調整の際に行うことから、中途採用者つまり翌年になって採用された者は扶養控除等申告書が未提出となってしまいます(4月に入社する定期採用者もそうです)。

中途採用者の扶養控除等申告書は入社時に記入してもらうに限ります。「試用期間が過ぎてから・・・」では遅すぎます!

採用通知書と一緒に扶養控除等申告書を手渡し、「初出勤の日に持参せよ!」、「持参しない場合には採用を取り消す!」というくらいに徹底すべきです。

扶養控除等申告書は、正規雇用者のみならず、非正規雇用者であっても「この会社で年末調整を受けたい」「この会社がメインの職場」と考えている者には必ず提出してもらわなければなりません。

また、扶養控除等申告書の提出がない者の源泉徴収は、「月額88,000円未満は源泉徴収不要」という方式(常識)ではなく、「月額88,000円未満でも『3%』の源泉徴収をする」という方式になります。この「3%」の源泉徴収を忘れていた場合には、源泉徴収義務者である勤務先が負担しなければなりません。ですから、扶養控除等申告書の入手漏れほど怖いものはないのです。

いうまでもなく、昨今は雇用が流動化しています。「(扶養控除等申告書)をもらう前に辞められた」、「3%はこちらの負担になった」、「辞めた後の住所はわからないので3%は請求できない・・・」ということが頻繁に起こっています。

★扶養控除等申告書という「紙切れ1枚」で扱いが大幅に異なるのです!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

●記入する住所や家族構成はどの時点の状況によるか?
記入する時点にします。ですから、年初と住所や家族構成が異なっていることもあります。記入後、変動した場合には、再度、扶養控除等申告書を提出します(当初提出分を訂正してもよいです)。