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晴れた日こそ映画を観る

24歳会社員による映画感想ブログ。出かけたと思ったら映画館というインドア派です。

ハモンハモン

2012年01月29日 17時41分02秒 | 映画(DVDで鑑賞)
監督:ビガス・ルナ 脚本:クーカ・カルナス
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ  音楽:ニコラ・ピオバーニ
製作:アンドレス・ビセンテ・ゴメス
出演:ペネロペ・クルス(シルビア)、ジョルディ・モリャ(ホセルイス)、ハビエル・バルデム(ラウル)、ステファニア・サンドレッリ(コンチータ)、アンナ・ガリエナ(カルメン)、フアン・ディエゴ(マヌエル)
公開 1992年9月2日 (スペイン) 1993年7月24日 (日本)
上映時間 93分


想像を遥かに上回るドロドロの極み。

ペネロペクルス&ハビエルバルデムの大物スペイン人俳優夫婦が20年も前に共演したスペイン映画ということで気になって観てみたんですが、とんでもない作品でした。

登場人物としてはペネロペクルス演じる「シルビア」と「シルビアの母」、シルビアの婚約者の「ホセ」と「ホセの両親」、そしてハビエルバルデム演じる「ラウル」の主に6人なんだが、この6人がもう見事にぐちゃぐちゃに入り乱れる。

あらすじを簡単に書いてしまうと、シルビア&ホセのカップルは妊娠して結婚を決意するがホセの親は反対。
別れさせるためにガチムチイケメンのラウルを雇ってシルビアを誘惑させる。
最初は婚約していると突っぱねていたシルビアだが婚約者のホセが結構うざいのと、ラウルの熱烈なアピールでついに恋に落ちてしまう。
最初はビジネスのために近づいたはずが、本気で愛し合う二人。

そこの二人がくっつくのは映画のあらすじとしては自然なことだと思うけど、その脇でホセがシルビアの母と大人の関係になるのと、息子とシルビアを別れさせるために雇ったはずのラウルとホセの母が同じく大人の関係になるという驚きの超展開はいくらなんでもカオス。
ついでにシルビアの母はホセの父ともかつて不倫関係にあったというおまけ設定もある。
しかもこの変態セクロスシーンが無駄に丁寧に描かれる情熱の国スペインクオリティ。

婚約者を取られて怒ったホセがラウルに殺意を抱いたため、シルビアはそれを止めるようにホセの父に頼みに行く。
しかし、シルビアとホセの父がここでなぜかキス!
いい具合にドロドロの六角関係が形成されたところで、ラストシーンに入る。

ホセが復讐のためにラウルのもとに到着すると、ラウルはちょうどホセの母とセクロス中!
相当ショッキングなはずだけど、もはやそれにはあまり触れずホセvsラウルの殺し合いが始まるが、返り討ちにあいホセ死亡。

その愛憎地獄の現場に一足遅れて到着する残りの三人。
幾重にも絡み合う男女6人が一堂に会しとんでもない修羅場になるかと思いきや、シルビア&ホセの父、ラウル&ホセの母、シルビアの母&ホセの死体の三つのペアになり美しい夕日とBGMをバックに抱擁をして終わりという信じられないラストシーン。
渋いながらに情熱的な恋愛を想わせるそのBGMがこのめちゃめちゃなラストシーンを“美しい愛のカタチ”っぽく美化してくるのもポイント。

途中でもペットのブタをバイクでひき殺しちゃったから丸焼きにして食べるとか、浮気を知って怒り狂ったホセが「そいつのキンタマなんて引きちぎれちまえ!ちくしょうタマなんかくたばれ!タマなんかくたばれ!」となぜか怒りの矛先をキンタマに向けて牛のオブジェのキンタマを殴りまくるところとか、常識を大きく飛び越えたとんでもない展開の連続でした。

ペネロペとハビバルにとってスターダムへの大きな一歩になったというこの映画ですが、時代と文化の違いが強すぎるせいもあるのか素直に共感するというよりは少し距離を置いたところから引いて楽しむしかないような、想定の遥か上を行く奇妙な映画でした。

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