goo blog サービス終了のお知らせ 

晴れた日こそ映画を観る

24歳会社員による映画感想ブログ。出かけたと思ったら映画館というインドア派です。

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

2013年05月22日 08時17分51秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
前作がめっちゃくちゃ面白かったのが記憶に新しい「探偵はBARにいる」の続編もこれまたサイコーでした。

何が良いって、このシリーズの大泉洋ってめっちゃカッコイイんですよ。
もちろんテレビでもおなじみの大泉洋らしいコメディ演技が素晴らしいってのがまずあって、しゃべり方やら表情がいちいち面白いので、スキージャンプをやらされちゃうシーンなんて他の人が演じてたらスキーだけに滑りそうなのに超笑えた。
そんなダサいはずの大泉洋が情に熱い一面を見せたり、大勢の敵と戦ってみたり、マジになった時に見せるギャップで普通にカッコよく見えてしまうんです。
意外に筋肉質なボディで、とはいえ線は細いんだからいくらなんでも無理だろっていう数の敵を蹴散らしていくアクションシーンも結構たっぷりあります。
逆に「この映画の中では大泉洋はカッコイイんだな」と受け入れてみると、今度はカッコ良さげなナレーションをいれつつ映像ではダサいことをやって劇場内大爆笑みたいな演出もあり、ダサさとカッコよさのブレンドが何とも巧みな見せ方のうまい映画でした。
ダサカッコイイっていうのはすごく魅力的な要素だと思っていて、みんな大好きトム・クルーズも良い役の時って結構ダサカッコイイと思うんですよね。
“ダサ”の種類とかカッコイイとの割合は全然違いますけども。

一方相方の松田龍平は「舟を編む」のマジメ役と同じくメガネでネクラな役なんだけど、こちらやっぱり強いということでアクションの見せ場があります。
ちなみに舟を編むのほうも品川プリンスシネマでは同時に上映中だったので、似てるけど違う松田龍平演じる二役を今ならを見比べることができますぞ。
松田龍平を始め、前作に出てきた人たちに関してはキャラの説明がないので出番が減ってしまった印象ですな。

お話としては、一流政治家による殺人事件で「この腐った政治家め!」と大泉洋が追いつめるなかで、“悪い政治家”っていうわかりやすい悪者っぽさからみんなが勘違いしてたけど、結末で意外な真実が明らかになるっていうものです。
この結末が考えてみれば「なんだよそうなのかよ!」とある種がっかりするオチでもあるけど、絶対に読めない展開として面白いのは間違いないですな。

それにしても話の筋としてはちゃんとした探偵ものだけど、大泉洋を中心に笑える小ネタが満載だし、そんなやつらのアクションシーンも迫力満点だし、これだけ山盛りなのに上映時間は長くないし、このシリーズって軽い感じ見えるけど実はかなり理想的なすごい作品だと思う。
ちなみに脚本の古沢良太はこの前情熱大陸に出てましたな。

命ある限り(Jab Tak Hai Jaan)

2013年05月18日 18時21分35秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
ボリウッドのスーパースター、シャー・ルク・カーンの主演映画『命ある限り』をシネマート新宿で観てきました!
シャー・ルク・カーンといえばインド映画界のスーパースターで、体感的には最近日本でやってるインド映画の半分くらいは主演で出てます。笑
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』がとんでもない大傑作で劇場に三回も観に行ってしまったし、DVDで観た『ラ・ワン』も最高ですっかり大ファンになってしまったのですが、とはいえ今回の「命ある限り」はまだ僕にとっては3本目の作品となってます。

今作は先に観た2本と比べるとテンションがずいぶんと違う作品でした。
ちょっとぶっ飛びぎみなストーリーなのは共通してるのですが、前の2本がかなりお祭りムードなのに対して今回は結構重めなムードです。
それも、直球の恋愛モノってのもちょっと違いますな。

あらすじはきれいな三部構成になっていて、簡単に言えばシャールクが二人の女と順番にロマンスをする1部・2部と、記憶喪失&三角関係的の第3部という形。
1個ずつ振り返ると、1部はカトリーナ・カイフという長谷川潤似の女優が演じるミラとのロマンス編。
このミラがとっても信心深い人で、その信仰がシャールクとのロマンスの障壁になるのだけど宗教ってほんと不思議なもんですな。
熱心に信仰する気持ちが却って不幸を招く展開を観ていると、宗教ってものの理解が浅いこともあって、あれほど強い意志で信仰できるんだから神なんか頼らなず自分でなりたいようになればいいのになーと思う。

2部は、大人っぽかった第一部のミラに対してガッツリ年下でやんちゃな感じのジャーナリストのアキラちゃんとのロマンス編。
ミラとの恋のトラウマをきっかけに軍隊に入り、爆弾処理のカリスマとして成長していたシャールクを取材する小娘のアキラがガツガツと言い寄ってくるパートです。
一緒に橋の裏にぶら下がりながら取材したりしていくうちにその吊り橋効果もあってゾッコンになってしまうというパート。
シャールクの演じる役が1部の陽気で明るい若者とは全然違う寡黙なカリスマ軍人になっているわけで、死ななくてもやっぱりこの人は二役やるんですなーってのがまた醍醐味。

3部:記憶をなくしたシャールクと二人の女編
ここからが面白いところ!
またしてもロンドンで交通事故に遭ったシャールクは記憶を失い、前回交通事故にあった10年前までのことしか覚えていないという状況になってしまうのです。
シャールクの記憶を取り戻すためにアキラとミラが頑張る妙な展開が切なくも素敵なんですな。
ミラは彼が傷つかないように10年間一緒に過ごしていたフリをしてみたり、アキラは全くの他人のフリをしてインタビューをしてみたり。。。
結果的にはミラでもアキラでもなく爆弾処理のカリスマとしての自分をきっかけに記憶を取り戻すことになるのだけど、記憶を失ったまま本能で爆弾を解除してしまうシャールクさんかっけえっす。

そんなこんなの恋の行方のラストを暴露してしまうと、108つ目の爆弾を解除しすることでミラと結ばれることになるんですが、その因果関係がよくわからない。
神との勝負に勝って、命と引き換えに会うのをを諦めたっていう10年前の件を撤回させたってことでしょうが、108つってのは除夜の鐘の108つと同じ108ですか????
てことは煩悩の数ですか??
うーむ、わからん。。。。

とはいえボリウッドならではの歌&踊りはやっぱり楽しかった!
治安の悪い感じのパーティで大勢の前でダンスバトルをするとこなんて特に良かった。
ただ個人的には、オームシャンティオームやラ・ワン、ロボットみたく「サントラ欲しー!!」ってほどでもない感じ。
というかその辺のボリウッドの水準が高すぎて、比較すると全体を通して少し物足りない感じでした。

特に、第一部ミラとのロマンス編はさすがにちょっと長い!
幼いころに別れたミラの母親から「駆け落ちしてホント正解だったわーww」みたいな話を聞き、自分も駆け落ちする決心をする展開とかの話もあんまり好きになれなくて、あれほど信心深い人が浮気相手と駆け落ちをすることも、そのくせこれほど好きだった相手と信仰のために別れようとすることもイマイチ理解できませんでした。
宗教上の基本的な考え方について無知なのがいけないんですけどね。
晴れてラブラブになったときにかかる曲&ダンスもなんだか地味に感じたし、最初の一時間は正直ちょっと眠かったです!

なんて不満ももらしましたが、これまで観たボリウッド映画とは毛色の違う感じだったし、しかもこれはこれでボリウッドのスタンダードの一つだそうで、ボリウッドが気になり出してる場合は特に観る価値のある作品です。

ペタルダンス

2013年04月25日 22時18分28秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
※宮崎あおい祭りを開催中です! 詳細はこちら作品リストはこちら

2007年公開の「好きだ、」と同様に石川寛監督&宮崎あおい主演の映画で中身もかなり似てる。
似てるけど、当然違う話だから先に「好きだ、」を見とく必要なんかはもちろん皆無です。
ただし勝手に心配しちゃっている点としては、「好きだ、」を観てない場合に今回の予告編を見るといかにも退屈な映画に見えるかもしれないけどそれは違います!
たしかに予告編のようななんでもない感じのシーンが全編続くというわけなので退屈に感じる人もいるかと思うけど、あの独特の雰囲気に一旦ハマればとっても楽しめる作品です。
予告編から発される奇妙な雰囲気から敬遠するのもわかるけど普通にオススメだし、もし宮崎あおいor怱那汐里のファンであれば絶対に間違いないですぞ!

期待以上に良かったポイントとしては宮崎あおいと忽那汐里の相性。
お姉さんぶる宮崎あおいと、他人行儀と見せかけて急に距離を詰めてくる怱那汐里のやり取りがなんともかわいらしい!
てっきりもともと友達同士の役をやるのかと思っていたらそうではなく、ホームに立っていた怱那汐里が線路に飛び込んで自殺するのかと勘違いして宮崎あおいが飛び掛かって助けるという形で出会うという全く予想もつかない運命的なビックリな冒頭は宮崎あおいだから許せる感じになってるけど、勘違いで急に飛び掛かかってくるなんて普通なら相当イライラするわい。

飛び掛かった勢いで倒れた拍子にあおいは指を折ってしまい、幸い無事だった怱那汐里もなぜか付き合わされた病院からの帰り道の、よそよそしさと馴れ馴れしさの入り混じった奇妙な距離感の会話が良いんです。
あおい「勘違いで余計なことしちゃってすいませーん(半笑い)」
汐里「いいえーこちらこそすいませーん(半笑い)」
みたいな、仕事上の付き合いを彷彿とさせる気持ちの入ってない和やかなすいません問答に代表されるような、初対面らしく距離を置いた上っ面な内容なのにテンションだけ仲良さげな気持ち悪い会話シーンが不愉快なはずなのになぜか萌えるんです。
いったいなんでなんだっていうとまず一つ目はもちろん当然宮崎あおい&怱那汐里のもともと持つ魅力ですが、それに加えて撮ってる人のこの二人へのにじみ出る愛情のおかげですよ。

感じ方は人それぞれですが、ぼくにとってこの映画は硬派なアイドル映画でした。
もちろん、自殺を図った友人に6年ぶりに会いに行くというデリケートな話題を茶化したりするようなことは全くなく、それどころか親しかったのに疎遠になった友人に思いを馳せて「あなたが元気でいてくれたら、うれしい。」(映画のチラシより抜粋)なんて気持ちに共感してしまったほど普通に意義のある映画です。
でもそれ以上に、宮崎あおい&怱那汐里を堪能させるためのアイドル映画としての価値にウェートのある奇妙な映画でした。
マジメなテーマをキチンとこなしつつかわいい子を可愛く撮ったことのが魅力なので“硬派なアイドル映画”だと思うんですが単純にファンだからでしょうか。

とにかくそんな感じで出会い方も無茶苦茶だし、「今度自殺を図った友達に六年ぶりに会いに行くんです」っていう重い話を初対面の相手に世間話のノリで打ち明けちゃったり、そんないかにも気まずそうな集まりに「私もいきます!」と初対面にも関わらず参加表明しちゃったり、かといってそれほど打ち解けている風でもない妙な距離感が良い意味で奇妙でした。

また、基本的には雑談と沈黙であまり展開しない映画なのにふと急に超展開が起こるという不意打ち型の脚本は小馬鹿にしたくなるけどなんかクセになります。
絶対に先が読めないことを売り文句に上映されている「キャビン」と比べても高水準な予測不可能レベルではないでしょうか。

てなわけでちょっと変だけど素敵な映画ですよ。
言い残したことを箇条書きにすると、

・忽那汐里ってあんまり気にしたことなかったけどとっても素敵!
・他人行儀を良い感じに撮ったのがグッド!
・告白するときは「好きだ!」っていうのが石川監督流なんですね。
・最初からずーっと曇り空で、やっぱり最後には日が差した!

ついでに、前売り券の特典としてついてきた石川寛監督のCMをまとめたDVDを観てみたけど、幼女が“空”の切り絵を作る文房具のCMを撮ってたりとほんとに空が好きな人ですな。
あとアエラホームのCMでは曇天の下の怱那汐里を撮ってて、画面的にはぺタルダンスと完全に一致でしたよ。

それと、旭硝子の硝子(しょうこ)のシリーズもこの人が手掛けてたんですな。
旭硝子のUVカットのガラスで育ったために白く透き通った肌を持つ硝子ちゃんのCMで、当時とっても印象的でした。
おとなしい感じの女の子を可愛く撮るっていう資質があるひとなんでしょうね。
一方、硝子さん役の板東晴さんはとっても印象に残ってるけど「このCM以外で観たことないなあ」と思い調べてみたらびっくり!
角ハイボールのCM出てるひとだったのか。(動画:http://www.youtube.com/watch?v=9P-iVYZdz8I)
ずいぶんと雰囲気が変わってますな。


舟を編む

2013年04月17日 00時04分58秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)


※宮崎あおい祭りを開催中です! 詳細はこちら作品リストはこちら

石井裕也監督が松田龍平&宮崎あおい主演で撮るらしいと聞いてからめちゃくちゃ楽しみにしていた作品をさっそく観てきました。

石井裕也監督といえば「川の底からこんにちは」が本当に大好きで、次世代の石井裕也まで気になりPFFアワードを観に行ったりもしたぐらいなんですが、それに加えて宮崎あおいといえば大好きな女優だし、そこに松田龍平が主演ってもう大好きな要素しかないじゃん!!というわけで、これほど公開を楽しみにしてた作品は初めてだなってぐらいに期待しちゃってました。
実際観てみるとこれまでの石井裕也のイメージとは全然違うタイプのいい映画でしたよ。

中でも松田龍平が演じる馬締(マジメ)というキャラクターがとにかく素晴らしい!
もちろん松田龍平はどの作品でも個性的ないい役を演じてて「探偵はBARにいる」とか大好きだったけど、今作のなりきりっぷりときたらハンパなものではなかった。
一目惚れした宮崎あおいに戦国武将風のラブレターを書いちゃったりという行動が面白いのはもちろん、表情というか佇まいというのか雰囲気そのものがまさに馬締クン。
キモ過ぎるけど愛すべき役をその通り演じてて、普段の雰囲気イケメンぶりからは考えられないなりきりっぷりでした。

また、それにツッコミを入れるオダギリジョーの存在がとっても大きかった。
序盤は特に、この二人の掛け合いがとっても面白かったなー。

辞書を作るといえば変わった仕事に思えるけどサラリーマンであることに変わりはなくて、サラリーマンものとしても楽しめた。
辞書作りにやっとやる気を出し始めたとこで異動することになっちゃうなんて最近同じように異動させられたサラリーマンな自分としては反応せざるを得ないところだし、異動先で立派に仕事をしてるオダギリジョーを見てると気分が良かったです。

宮崎あおいは女板前ということで、おいしそうな料理をいっぱい作ってましたな。
「焼き松茸と菜の花の和え物」だかなんだかという料理が出てきたのに感化されて安価版メニューの椎茸と小松菜のお浸しを作っちまいました。
超うまかったです。


とはいえ、宮崎あおいの夫を支える献身的な嫁役はもうお腹いっぱいかなー。
ツレウツのような血の通った良い妻ならいいんだけども、人間離れした良い人役の宮崎あおいをみると歯がゆさを覚えます。
もちろん今回の「かぐやさん」役を始めどれもめっちゃいい感じに演じてはいるんだけども。

あとは、辞書の表紙のデザイナーとして横顔だけ一瞬出てくるピースの又吉だったり、学生アルバイトの一人が「あぜ道のダンディ」の長男だったり、「大渡海」の広告に麻生久美子が出てたりという「!」な瞬間の面白さがありました。
三谷幸喜みたいですね。

ということでキャストの話を中心にしちゃいましたが、「辞書を作る」という仕事の地道さと面白さを打ち出し、その世界に没頭する無口な変り者を描いた作品で、キャラクターが魅力的だったのはもちろん話もめちゃくちゃ興味深かったです。
それと当たり前と言えば当たり前なんだけど、すごくちゃんとした映画だったことにはびっくりしました。
これまでの石井裕也映画ってどれも、いい意味でのトンデモ映画だったと思うんです。
その独特の雰囲気と妙な主張のある作風が大好きだったのだけど、今作はそういうキワモノっぽさはない。
「マジメって、面白い」という映画のキャッチコピーに則ってマジメに撮ったんでしょうか。
それとも脚本が別の人だからでしょうか。
まだ読んでないけど、原作以上にまじめに撮った感じなんじゃないですかね。

気になった点としては、宮あおい以上に主演級の役を演じてるオダギリジョーが広告でその他大勢的な脇役サイズの写真で載ってるとこですかね。
独特のコメディセンスがバッチリハマっててオダギリジョー最高だったんですが。

というわけでまとまりのない文章を書きましたがかなりオススメです。

シュガー・ラッシュ(2D・吹き替え版)

2013年03月24日 08時37分15秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)


ディズニーアニメの最新作を公開初日の昨日にさっそく観てきました!
ヒーローになるために頑張るかわいらしい映画でした。


有名ゲームの悪役キャラクターであるクッパやベガ、ザンギエフなどもチョイ役で出てくるのですが、悪役だって「本当はヒーローになりたい…!」という気持ちがあるというわけで。
映画中のオリジナルのキャラクターで、ビルを破壊する悪役のラルフと、特に悪役というわけではないけど画像が乱れちゃうからゲーム本編には出て来れないというヴァネロペが自らの運命と戦うお話です。
安定のディズニークオリティでこれがめちゃくちゃ面白かったのですが、何よりもヴァネロペちゃんが超カワイイの! (*σ´Д`*).


最初は意地悪で嫌なヤツって感じで登場するし強引でワガママな女の子なんだけど、「レースに出たい!」という無邪気で頑固な願いにラルフがしぶしぶ協力してしまい、一緒に車を作ったり家に連れてってもらったり、運転の練習をしているうちに観ているこっちも完全に惚れちまいました。

クッキーで作った「わたしのヒーロー」メダルをラルフにあげるときもチョー上から目線だし、牢屋に閉じ込められてるところを助けにきてもらった時でさえエラそうという人としては最低な振る舞いがなぜかめちゃくちゃかわいく見えるという不思議なキャラクターでした。
ケンカ中だったとはいえ、牢屋の扉を蹴破り入ってきたラルフは「助けに来てやったぞ!」とカッコよく登場しても良かったはずなのにヴァネロペの顔を見ると「ごめん…」「おれが悪かった…」などと自然に低姿勢になってしまうわけで、さらに追い打ちをかけるように「それでー?」「あとはー?」と自己否定を追及させられる極悪非道っぷり。
このドS感がマジでかわいいんです。なんなんでしょうね。

このわがまま娘にラルフも夢中になってしまい、キャンディ大魔王に騙されてヴァネロペちゃんのためと思ってレーシングカーを叩き壊してしまうシーンは非常に辛かった。
守りたかっただけなのに、ひどく傷つけることになってしまうということでGLAYの「BEAUTIFUL DREAMER」を想起させる展開ですな。

それと、ゲームセンターの営業時間が終わってから悪役たちで集まって話し合うシーンはサラリーマンが居酒屋で愚痴ってる時みたいで面白かった。
「本当はヒーローになりたいけどちょっとそうでもない仕事をしてる」ってところをみると一部のサラリーマンも気持ちは悪役と同じようなもんかもしれないな。

あとはゲームごとに雰囲気が全然違って、高解像度な世界にレトロなキャラが入り込んだ時のシュールな感じや、ファンシーな世界でサイバグの卵が画面いっぱいに繁殖しちゃったときの恐ろしい映像の感じがとっても楽しかった。
ついでに言えば、ラルフの顔が照英に似てて面白かった。

ちなみに、「超やってみたい!」と思った映画に登場するオリジナルのゲームはなんとディズニーのホームページでプレイできます。
フィックス・イット・フェリックス(http://www.disneygames.jp/action/1137/)とシュガーラッシュ(http://www.disneygames.jp/sports/3058/)があり、無料でやり放題という実に素敵なサービスです。
とはいえ、レーシングゲームの「シュガーラッシュ スピードウェイ」は操作は単純だし選択できるキャラクターにヴァネロペがいないという残念さ加減で、いくらなんでもこんなゲームをやるやつはいないでしょwww



とかいって、時を忘れて全ステージ制覇しちまいました!!!
チクショー!!!!!!!!!!!!!!

お菓子の世界をドライブできて結構ハマります。
前売り券についている特典コードで隠しキャラが使えるとのことですが、ヴァネロペはそれで出てくるんでしょうかね。
ヴァネロペちゃんでプレイできたら会社も行かずに一生やってそうで怖いです。

というわけですごく楽しい映画でした。
3D版だとゲームごとの世界観の違いとかレースの臨場感なんかがさらにアップするんでしょうね。

愛、アムール

2013年03月23日 23時08分36秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
※ネタバレしちゃいますので未見の方は読まない方がいいです。

銀座テアトルシネマに夫婦で観てきました。
こんなお堅い映画なのになんと満席でした!
インターネットでチケット取ってったから良かったものの、ものすごい大盛況ですな。

「君に読む物語」とか「インセプション」で老夫婦モノが好物になっていたため、老夫婦の話がカンヌでパルムドールを獲ったと聞いて日本で公開されたら絶対に観に行こうと心に決めていたのですが、いざ公開が近付いて予告編がかかるようになってみると想像以上に暗そうな雰囲気で実はちょっと躊躇してました。
あとから知った話ですがミヒャエル・ハネケ監督の映画って基本そういうもので、今回のはまだ救いのあるほうだったそうな。

実際観てみると、暗いというのかなんなのか、とにかく辛い映画でした。
充実した人生を送ってきた感じの老夫婦の映画で、奥さんがどんどん衰退していき旦那がそれを介護するという話なんだが、「弱った姿を見せたくない」とどんどん人とのつながりを絶っていくし、どんなに一生懸命介護したって奥さんは良くならないし、何一つ楽しいことはない生活が映し出される。
これがもし「わが母の記」だったら子供たちや孫たちが介護してくれてそれなりの最期を迎えることになるのだけど、この映画に出てくる娘はたまに来ては夫ジョルジュの介護の方法が間違ってるだのなんだのと文句をつけてくるわけで、もうどうしようもないような辛い状態をひたすら描くわけです。
もちろんこの映画の娘だって悪気があって言っているわけではないのだけど。

後半になると奥さんはもう全く会話ができなくなり、旦那の方もストレスのせいか疲れのせいかおかしくなり、
最後には枕で窒息死させてしまうというね。。。

あんなに大切な人を殺せること自体まともな精神状態じゃないし、それを正当化している映画でもないんだけど、こんな終わりを待つだけの辛い生活だったらああやって自らの手で終わらせてしまう気持ちもわかるような。。。
BGMも一切ないような無機質な映画だから観る人によって感じ取ることが全然違って、一緒に観ていた妻と話してみるとまた別の感想を持ったそうな。
なので、超重いけど夫婦やらカップルで観て話合うのもいいかもしれませんね。
僕の場合は根性なしの性格を知られていることもあり「すぐ殺しそうだよねwww」ととんでもない罵られ方をしましたが。笑

というわけで結構重い映画なので要注意ですが、大ヒットも納得のハイクオリティ映画で見応えはたっぷりでした。

フラッシュバックメモリーズ3D

2013年03月16日 19時55分32秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)


日経新聞のシネマ万華鏡やライムスター宇多丸のウイークエンドシャッフルで紹介されててずっと気にはなりつつ、ちょうどいい時間と場所での上映が少なかったり3D料金を払いたくないケチな性格のせいでなかなか行けなかったのですが、ついに見てきました!
ヒューマントラストシネマ渋谷は19:30開映の回がある上3Dなのに特別料金で1500円、水曜日にはなんと1100円で見られるという超良心的シアターですぞ。

公開されてずいぶん経ってるけど結構混み合ってました。
逃さずに観に行けて本当によかったなぁという映画でした。
他で散々言われていることだけど、最も価値があったのは3Dの使い方ですよ。

この映画はディジュリドゥという楽器の奏者・GOMAのドキュメンタリー映画なんだが、彼は交通事故により多くの記憶を失い、新しい記憶もどんどん消えて行ってしまうという障害を負っている。
そんなGOMAとその仲間の演奏を3Dで流し、その背景でGOMAのこれまでの活動の映像や障害を負ってからの日記、奥さんの日記などの情報が2Dで流されるという作品。

3D映画のパイオニアであるアバターがそうだったように、これまでの3D映画は奥行まで広がる壮大な景色の迫力を表現するのがメインだったじゃないですか。
ところが、この映画で3D化されるのはGOMAバンドの演奏だけ。

つまり人と楽器だけに3D効果を使うのだが、そのおかげでライブみたいな演奏の臨場感が味わえる。
劇場の規模がちょうどよかったこともあり、GOMA達が舞台に立って目の前で演奏しているように錯覚するほどでした。

もう1つの新しい3Dの使い方として、演奏している今のGOMAと過去のGOMAを区別して表現するための手段としている。
映画のクライマックスでGOMAは、ライブ映像を観て自分の演奏に自分で勇気づけられるという経験をするシーンがあります。
記憶を持ち続けられないGOMAにとって“過去”は信じられず“今”しかないように思えるけど、今のGOMAは間違いなく過去の積み重ねでできているわけで、今のGOMAの礎となっている過去を文字通り今のGOMAの奥にあるものとして映像で見せるというのはグッドアイデアでしたな。

そしてこの映画もGOMAの記憶には残らなくても生きた証として未来のGOMAに送られるものになるということですが、“今”を本気で生きて、本気で演奏する姿がとっても感動的でした。

それにしてもディジュリドゥってチョーなげー。

この楽器がめちゃくちゃ画面から飛び出してるっていう単純な画の面白こそが「3Dでやろうか」と思ったきっかけだったりするんじゃなかろうか。
ところで「ディジュリドゥ」って名前がおれの健康な脳を駆使しても全然覚えられないんだけど、さすがにこれは忘れることはなかったんでしょうかね。

脳の損傷での影響は記憶力が弱まるだけじゃなく感情をコントロールする能力も落ちて、子供に対してひどい暴言を吐いてしまうというくだりもあったけど、感情って難しいもんですな。
障害があるわけでもないくせして悪酔いするととってもウザい奴になってしまうおれも感情のコントロールができてないってことで、飲み過ぎを控える&ちゃんと体調管理してさわやかにしとかないと恥ずかしくて生きていけないぜとちょっと的外れな反省をしたりもしました。



背景になってる点で描く円状のグラデーションも素敵でしたな。
Tシャツにもこれがプリントされているという。
ちなみに映画館でTシャツ3000円で売ってましたぞ。

というわけで非常に価値のある映画だったのですが、ほぼ全編が演奏なので単調っぽく見える部分もあり、映画が終わったあと隣に座っていた女性が「最初の方でアタシ寝ちゃったーww」「アタシモーww」なんて話してたのもまあわからなくもない気もします。

ただ後半になるにつれてGOMAの奥にあるものがわかってくるとより演奏から力強さが伝わってくるようになり、この3Dライブに感動すること間違いなし。
ディジュリドゥなんて全然知らなかったくせしてユーチューブでGOMAの演奏を見まくってしまうことになるでしょう。(おれです。)
72分間とコンパクトだし、3Dライブだし、斬新な試みだし、オススメです。

オズ はじまりの戦い

2013年03月11日 23時57分11秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
ディズニーの新作3D映画「オズ はじまりの戦い」を川崎109シネマのIMAX3Dで観てきました。

「ライフオブパイ」が満席だったから急遽観ることになったという経緯のため全く前情報がなく普通に「オズの魔法使い3D」だと思っていたのだけど、実際にはあの有名なお話の前日譚モノで、“オズの魔法使い”がいかにして偉大な魔法使いに成り上がったのかという映画でした。
いわば、「オズの魔法使い:創世記(ジェネシス)」ですわ。
(「オズの魔法使い:ファースト・ジェネレーション」でも可。)

なのでブリキやらライオンやらドロシーちゃんは出てきません。
「『オズの魔法使い』ってどんな話か忘れちゃってておさらいするのが楽しみ!」って観に行くとおれと同じ轍を踏むことになりますぞ。
だけど、そのぐらいのゆるいテンションで行った方が楽しめる映画かもしれない。

というのも、この映画の魅力って世界観の愉快さで、
猿がキモかわいいとか


陶器の少女がウザかわいいとか


美魔女三姉妹の平均年齢が結構高めで違う意味で美魔女だったりとか



ゆるい世界観がくだらなくも楽しいって感じなんですわ。
だから過剰に期待して行かなければ気楽に楽しめる映画だと思う。

だけど、主人公のオスカーがどうしても好きになれないっていう不満もまあありましたな。
完全に嫌なヤツのはずが、魔法使いだと勘違いされVIP待遇を受けて、そのままうまいこと偉人になってしまうというなんともメシマズな展開なんだもの。
もちろん偉人になるまでにみんなを率いる力だとか、トリックを成功させる実力を発揮したわけではあるんだけど、イマイチ応援したくならない主人公だった。

ラストシーンだってあんなこじんまりと終わりの会をするんじゃなくて、せっかくあれだけの金銀財宝を得たんだから豪勢に打ち上げをすればいいのに。
それをしないということはつまり、オスカーが独り占めしているというわけだ!
ヤツは最後まで全然成長していないってことですよ。

キャストに関しては結構豪華で、『ブルーバレンタイン』で夫のセックスを拒んだ後離婚したミシェル・ウィリアムズやら、『ブラックスワン』でナタリーポートマンのライバルだったり『テッド』でジョンの彼女だったりしたミラ・キュニス、そして主人公オスカーを演じたのはなんと『猿の惑星: 創世記(ジェネシス)』のジェームズ・フランコですよ。
なるほどさすが、「オズの魔法使い:創世記(ジェネシス)」

というわけで、暇な日曜日にふらっと観に行く映画として結構オススメです。

アウトロー

2013年03月09日 23時39分35秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)
トム・クルーズの新シリーズ第一作目観てきました。
賛否両論あるみたいだけどおれとしてはまさにこういうのが観たかった!!!

ミッション:インポッシブルシリーズの2とかゴーストプロトコルでも顕著だったけど、トム・クルーズの一番の魅力ってダサカッコイイところだと思うんですよ。
超マジメな顔した真剣っぽいシーンで炸裂する「あれ、ふざけてるのかな?」って演技がほんとに最高。

このブログに載せた「ミッション:インポッシブル2(M:I2)」の感想
を観てみると、M:I2は「新手のラブコメスパイアクション」だとかわけのわからないことろ言っているのだけど、要するに真剣な場面のはずなのに妙に可笑しくてなんか笑っちゃうんですよね。

今回の「アウトロー」ではそういう魅力をお腹いっぱい楽しめました!
激しい銃撃戦になり、唯一持ってきた武器である短いナイフを観てため息をつくあの虚しい感じ。
敵の頭に突き付けていた銃を捨てて、「最後は正々堂々素手で勝負を決めようではないか」とファイティングポーズで挑発するあの顔!
そして見事肉弾戦に勝ち、とどめには指をムギューとひねるという必殺技で勝負を決める地味さもこの映画らしくて素晴らしかった。
銃撃戦からの肉弾戦!そしてとどめはムギューということでどんどん地味になっていくようだけど、「ウワァーーー!」と喚く敵の演技になかなか鬼気迫るものがあり、銃なんかより想像しやすいせいか実際一番痛そうに見えて思わず自分の指をさすりましたよ。

今回はそういうトム・クルーズらしい魅力ビンビンの映画だった。
ハラハラドキドキしながら大爆笑できるなんてこれ以上のエンターテイメントはあり得ない!
あのカーチェイスだとか、スナイパーじじいの援護のもと銃も持たず体一つで敵地に乗り込んでいくシーンだとか、これほどハラハラしてスクリーンにのめり込める映画自体なかなかない。
身長160ちょいのオッサンが手ぶらで出陣して武装した大男を蹴散らすんだから。

そういうワクワク感に加えて、話の構成が謎解きモノっぽくなってるのも良かったな。
話の面白みは増すし、トム・クルーズ演じる強くて賢くてカッコイイ男ジャック・リーチャーというキャラクターはミッション:インポッシブルのイーサン・ハント以上に大好きになりました。
一番の違いとしてはモテ要素が大幅に減ってる感じがしますな。
イーサンがガチイケメンなのに対して、ジャック・リーチャーは男に受けそうな感じでステキね。
ミッション:インポッシブルシリーズに比べるとヒロイン役の女性が明らかにオバサン気味なところもちょうどよくてグッド。

トムクルーズと素手で戦った実行犯のジェイ・コートニーって俳優も素晴らしかった!
スラッとした上背がトムクルーズの敵としてちょうど良くて、手ごたえのありそうな感じと悪人ぽさが出てた。
いまダイハードの新作にも出ているのだそうな。
さっきも書いたけど、ムギューってされたときの「ウワァーーー!」は最高でした。

てなわけで、個人的には大満足の作品でした。
まじでこういうのを期待してた。ほんと観に行って良かったしトム・クルーズ好きで良かったと思いました。
超オススメです。

監督&脚本のクリストファーマッカリーは、ユージュアルサスペクツやらツーリストの脚本をかいた人だそうな。
ユージュアルサスペクツは衝撃のラストでまさに衝撃を受けて間髪置かずもう一度全編観たぐらい面白かったし、今回の謎解き要素もその辺にルーツがあるのねと納得した一方ツーリストって相当変な映画だったから、間をとって今回はちょうど資質に合ってたということなんでしょうか。
ワルキューレだとか、ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコルにも共同執筆に参加ということでトムクルーズとは結構関係が深いようです。
次回も一緒にやってもらいたいな。
それにしてもトム・クルーズはオッサンになったらなったで自分にあった役をこなしててほんとすごいや。

だいじょうぶ3組

2013年03月06日 22時28分33秒 | 新作映画(劇場で鑑賞)

国分太一と乙武洋匡が二人で小学校の担任を受け持つ「だいじょうぶ3組」、試写会で観てきました。
小学校の道徳の授業のような映画でしたよ。

両手足のない先生とその補助役の先生(国分太一)の2人がクラスを受け持ち、普通の先生とは違った形で良いクラスを作っていくというお話なんですが、原作は乙武さんの書いた小説だそうな。

『障害者はみんなとは違うけど、違ったっていいじゃない!』
『誰にでもいいところと悪いところがある!』
ということを小学生に教えたり、金子みすずの「みんなちがってみんないい」の詩について考察する授業をしたりと耳にタコができるような話だけど、原作&主演が乙武さんということで改めてやってみようというところなのでしょうか。

そんな道徳の授業みたいな堅苦しいテーマの映画だけど、普通に楽しめる部分も意外に多い。
まず、小学校・小学生そのものの魅力。
運動会でかけっこをやるシーンが楽しくて、代わる代わる延々とレースが行われるのって今改めて観ると妙な行事だよなーと思う反面懐かしかった。
放課後遊んで自転車で帰るとことかも懐かしい。
観ていて自分の小学生時代を思い出させられるってだけで結構楽しいですわな。

それと、乙武さんの動きに単純にビックリ&感心するということがそのまま映画の見せ場になってる。
手足がないにも関わらずボールペンで綺麗な字を書き、ジョッキでビールを飲み、階段をよじ登ったり、サッカーでゴールまで決めるとはさすがです。

だから道徳的だし見せ場もあるってことになるんだけど、それだけに押しつけがましい感じがするし、本当に普通のことしか起きないから純粋に娯楽として観るにはちょっと物足りない。
それほど人気者の先生になる魅力も特に伝わらないから児童たちの成長も嘘っぽく見えるし、そもそも1クラスに二人分の人件費がかかるってのもちょっとね。

ちなみに監督は「きいろいゾウ」と一緒で廣木隆一なんだけど、あんまり共通する特徴とかはわからなかったな。