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晴れた日こそ映画を観る

24歳会社員による映画感想ブログ。出かけたと思ったら映画館というインドア派です。

好きだ、

2013年04月18日 00時36分18秒 | 映画ランキングなど
※宮崎あおい祭りを開催中です! 詳細はこちら作品リストはこちら

今週末にぺタルダンスが公開になるということで、ちょっと前に観たのでうろ覚えだけど同じく石川寛監督&宮崎あおい主演で2006年公開の「好きだ、」について

ぺタルダンスの予告も空が印象的だったけどどうやら空を映すのが好きな監督のようで、「好きだ、」はBGMもなく空が映されるシーンがあるようなゆったりした映画。
常に画面が暗めだったり、沈黙っぽい時間がたっぷりあったりというわけでポップな映画ではないんだが、慣れてくると「登場人物にはそう見えてるんだろうな」と感じてくるような見せ方。

主人公の女性の17歳Ver.を宮崎あおいが演じて、17年の月日が経ち34歳になると永作博美になるというキャスティングはおれ好みではあるけど、どう見ても同じ人には見えないよね。笑

というか、成長して別人のようになった男女(男役は瑛太17歳&西島秀俊34歳)が再会して、全くの他人になってしまったにも関わらず当時の淡い気持ちで繋がるっていうところがミソの映画だからそもそもあんまり似せる気もないのかも。
純粋無垢っぽく撮られる宮崎あおいパートとウィスキーをがぶがぶ飲みまくる永作博美パートでキャラ自体の描かれ方が全然違うし。

とはいえもう一回映画を見返してみると、宮崎あおいがなんとなく普段よりもぶっきらぼうっぽいしゃべり方をしてるように感じるのは永作博美に寄せてるのかもしれん。

二回目で初めて気付いたもっと初歩的なこととしては、宮崎あおいパートの時のナレーションは永作博美の声だったのね。
どうでもいいけど永作博美の方がだいぶ小柄なのに声が低くて不思議。

せっかく宮崎あおい祭りを開催しているので宮崎あおいパートの名場面を一個紹介。
宮崎あおいのお姉ちゃんのことを好きな瑛太のために、お姉ちゃんが学生時代来ていた制服を着てくるシーン。
「制服の匂い嗅いでみる?」なんていやらしい誘惑をされた瑛太はおもむろに立ちあがりあおいに近づくのですが、あおいはどういうわけか自分から誘っておいたくせに怒りに満ちた表情で瑛太に「変態野郎」と言って立ち去るんですな。

面白いのはこのセリフをサイレント&スローモーションで見せて、声は聞こえないけど唇を読むと変態野郎って言ってるっぽい!
というのを立て続けに二回やり、そのあと映像はなしで「変態野郎」と罵りの声が入るという。
しつこいまでの強調でかなり印象に残りました、「変態野郎」。
いったい誰が考えたのか、変態野郎による変態野郎のための変態演出。

てなわけで、正直に言うと最初に観た時には「わけのわからん映画だなー」とか思っちゃったんですが、雰囲気に慣れると癖になってくる心地よさのある映画でした。
「ぺタルダンス」も似たような雰囲気っぽいから今回はひょっとすると結構楽しめるかも。

2012年公開映画ランキング

2012年12月27日 01時46分51秒 | 映画ランキングなど
2012年公開の映画から24本を個人的に楽しめた順にランク付けました。
ランキングとはいえ、高校まで公立で純正ゆとり教育を受けた私としてはそれぞれに序列をつけることはできないので、1位グループ、2位グループ...という形でやらせていただきやすよ。

1.ロボット
1.桐島、部活やめるってよ
1.へルタースケルター

2.おおかみこどもの雨と雪
2.おとなのけんか
2.鍵泥棒のメソッド(4/1追加)

3.悪の教典
3.私が、生きる肌
3.苦役列車(2/19追加)
3.ブライズメイズ(2/19追加)
3.ヒミズ
3.わが母の記(2/19追加)
3.かぞくのくに(4/1追加)
3.キツツキと雨(2/19追加)


4.最強のふたり
4.シェイム
4.テルマエロマエ
4.アルゴ
4.ヒューゴの不思議な発明 2D
4.ドライヴ
4.ヤング≒アダルト


5.ル・アーブルの靴みがき
5.ヴァンパイア
5.ドラゴン・タトゥーの女(2/19追加)
5.アメイジングスパイダーマン
5.ダーク・シャドウ

6.ダークナイトライジング
6.アーチ&シパック -世界ウンコ大戦争-(2/19追加)
6.人生はビギナーズ
6.ポエトリー~アグネスの詩~
6.J・エドガー
6.北のカナリアたち



あくまで個人的に楽しめた順ですが、1位の「ロボット」「桐島」「ヘルタースケールター」に関しては正直一生忘れない心の名作です。

「ロボット」はキャッチコピー通りの「ワケわらんが面白い」で意味も理由も特に深く追求せずに最高に楽しめる作品ですが、一方の「桐島」「ヘルタースケルター」はいろいろと思い出させられたり、考えさせられたりと結構面倒な映画なんですな。

そんな中でも「桐島」は確固たる評価を得ているようなのだが、「ヘルタースケルター」を絶賛する意見をなぜかあまり見ない。
なので私が声を大にして「ヘルタースケルター」は最高の映画だったと言いたい。

なりたい自分像に執着し過ぎて逆に破滅していく映画です。
全身整形して誰もに認められる存在を目指し、一時はその地位を手にしたのにぼろぼろとその幻想がこぼれていく。
さらに、地位が崩れる以前に自らが潰れてしまうという描き方が実に切実で、なぜか感情移入せずにはいられないどうしようもなく醜い主人公を演じた沢尻エリカはもっと認められるべき偉業を果たしたと思いますよ。
いかにも写真家が撮った映画っぽい雰囲気も含めて普通に傑作だったと思います。
この雰囲気ははまる人も多いと思うんだけど。

ランキングに入れた作品の感想について書いているものに関してはリンクを貼ったり、来年1~2月くらいまでに新たにDVDなんかで観ればここに追加したりって作業は追ってやってきますぞ。

※2013/2/19:入れ忘れ&DVDなどで観たものを追加しやした(苦役列車、ブライズメイズ、わが母の記、キツツキと雨、ドラゴン・タトゥーの女、アーチ&シパック -世界ウンコ大戦争-)
※2013/4/1:「鍵泥棒のメソッド」と「かぞくのくに」を追加

2011年度下半期(2011/10~2012/3)にDVDで観た映画

2012年07月29日 18時11分07秒 | 映画ランキングなど
ちょっと遅くなったが、2011年度後半にDVDで観た映画について振り返り。
好きだった順番に並べてみた。

1 ビッグフィッシュ
2 川の底からこんにちは
3 ソーシャルネットワーク
4 時計仕掛けのオレンジ
- - - - - - ここまで一生忘れられない衝撃作 - - - - - - - -
5 ゾンビランド
6 ミッション:インポッシブル2
7 冷たい熱帯魚
8 さんかく
9 ブルース・オールマイティ
10 トゥルーマン・ショー
11 マスク
12 バニラスカイ
13 愛のむきだし
14 スーパー!
- - - - - -超大好きな映画。- - - - - - - -
15 プレステージ
16 エンジェル・ウォーズ(英題:SUCKER PUCH)
17 くまのプーさん
18 ミッション:インポッシブル
19 ウォーリー
20 きみに読む物語
21 亀は意外と速く泳ぐ
22 Mr.インクレディブル
23 メリーに首ったけ
24 ブリジット・ジョーンズの日記
25 ミリオンダラーベイビー
26 ライアーライアー
27 イエスマン “YES”は人生のパスワード
- - - - - -「オススメです!」と自信を持って言える。- - - - - - - -
28 レオン
29 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
30 オールドボーイ
31 間宮兄弟
32 マイノリティリポート
33 ブレードランナー(ファイナルカット)
34 パッチギ!
35 恋はデジャブ
36 キックアス
37 ダークナイト
38 メゾン・ド・ヒミコ
39 M:I3
40 ツーリスト
41 花とアリス
- - - - - -「普通に面白かったよ!」ぐらいのテンション- - - - - - - -
42 ハモンハモン
43 ぐるりのこと
44 エクスペンダブルズ
45 あぜみちのダンディ
46 それでもボクはやってない
47 ライオンキング
48 転々
49 ラブアクチュアリー
50 ALWAYS 三丁目の夕日
51 マイ・バック・ページ
52 モンスターズインク
53 パルプフィクション
54 英国王のスピーチ
55 シャイン
- - - 「いいと思うけどおれはそれほど・・・」or「ちょっとどうかとも思ったけど結構好き!」- - -
56 スナッチ
57 天然コケッコー
58 海でのはなし。
59 BECK
60 婚前特急
61 さよならみどりちゃん
62 阪急電車
63 NINIFUNI
64 ティム・バートンのコープスブライド
65 ノッティングヒルの恋人
- - - - - -正直面白くなかった!- - - - - - - -

一応順番になってるけど点線で区切った中はほとんど同じくらい好きだった。
半期を振り返った感想↓
・トゥルーマンショーみたいにコメディテイストなのにマジでゾクゾクしちゃうみたいな映画をもっと見たい!
・ティムバートンの当たりハズレの大きさが怖い。
・2番の「川の底から~」、45番の「あぜみちのダンディ」どちらもは石井裕也監督。テイストは好きなんだけど安定感が欲しい!松田龍平&宮崎あおいの「舟を編む」は楽しみ。
・「ダークナイト」はたしかに面白いけど、クリストファーノーランで言えば個人的にはインセプション>>>>バットマンビギンズ≧プレステージ>ダークナイト>メメント
とはいえ「ダークナイトライジング」はちょっと楽しみ。
・「NINIFUNI」がつまんなくったって別に仕方ないかって気はするけど、「ノッティングヒルの恋人」のつまらなさには本気で驚かされた。何で人気なんだ。
・「ちょっとどうかとも思ったけど結構好き!」ってのは「ハモンハモン」とかのことで、結構好きだけどマジキチすぎてどうかと思った。

2011年公開の超良かった映画

2012年03月07日 23時25分43秒 | 映画ランキングなど
最近キネマ旬報やらブルーリボン賞やら何やらと去年の映画の振り返りがされてて、自分でも振り返りたくなってきてしまった。
ということで、去年公開の好きな映画10本を勝手に表彰しちゃいたいと思う。


憧れちゃう夫婦愛賞:『ツレがうつになりまして』
監督:佐々部清 出演:宮崎あおい 堺雅人
「泣ける映画」はたくさんあっても、幸せな気持ちでここまで泣ける映画は初めて見た。ぼろぼろ泣いた。
結婚記念日付近で毎年観たい。
結婚式であのセリフ言いたい。
細かい演出もかなり好みだった。(イグアナとかマンガとかグラス趣味とか)

人間の醜さが美化されて美しくて泣いた賞:『八日目の蝉』
監督:成島出 出演:永作博美 井上真央
誘拐した子と過ごす貴重な時間が苦しくも幸せで、舞台の小豆島も美しいし、最悪なことをしていることに変わりはないのにこの幸せを壊されたくないっていう方に共感してしまう。
その一時の幸せの美しさが崩れる瞬間にぼろぼろ泣いた。
不安定な幸せの一瞬の美しさと、その代償をうまく描いた作品。
不倫夫やら、宗教やら、本当は可哀そうだけど結局は娘にうまく接せない本当のお母さんも悪く見えるというなんともやりきれない映画。
もう一回観てもガンガン泣くと思う。
てか港で別れをいうシーンがなぜが予告編に入ってるもんだから別のDVD観るときに流れて不意に泣きそうになる。
受賞
・第36回報知映画賞・作品賞 / 主演女優賞(永作博美)
・2012年エランドール賞 プロデューサー賞 - 有重陽一(日活)
・第85回キネマ旬報ベスト・テン・主演女優賞(永作博美) / 助演女優賞(小池栄子)
・第66回毎日映画コンクール・女優助演賞(永作博美)
・第54回ブルーリボン賞・主演女優賞(永作博美)
・第35回日本アカデミー賞・最優秀作品賞・最優秀監督賞(成島出)・最優秀主演女優賞(井上真央)・最優秀助演女優賞(永作博美)・最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀撮影賞・最優秀照明賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞

反面教師的教科書賞: 『恋の罪』
監督:園子温 出演:神楽坂恵 冨樫真 水野美紀

一歩踏み外すととんでもないことになるということで、こうはならないようしっかり生きていかなきゃなと学べる映画。
ただ受身的に巻き込まれるんじゃなくてそれがいいことであるように考え方が流されていくところに妙な怖さを感じた。

幻覚と現実の混乱賞: 『ブラックスワン』
監督:ダーレン・アロノフスキー 出演:ナタリー・ポートマン
狂っていく主人公の目を通してすべてが描かれるため、観ている方にも実際の出来事と幻覚の区別がつかなくて興味のそそられ方がすごい。
たぶん誰が観ても絶対面白いんじゃなかと思われる超越した何か感じる。
受賞:アカデミー賞主演女優賞 (ナタリー・ポートマン)など。いっぱい

楽しい強いカッコいいハリウッドスター賞: 『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
監督:ブラッド・バード 出演:トム・クルーズ
テーマ曲を再生するだけで、楽しくてスリリングでカッコいい華やかな気持ちになる。
これを映画館で観れたことで人生楽しめた度が大幅に上がった。

面白いのに考えさせられる賞:『ソーシャルネットワーク』
監督:デヴィッド・フィンチャー 出演:ジェシー・アイゼンバーグ
フェイスブックに没頭する革命家の単純に羨ましいとは言えないような価値のある生き様に圧倒された。
会話とかストーリーのテンポが早くて、専門的な話も多いのに全然飽きずに楽しく観れて、終わった後には今後どう生きていきたいのかを考えたくさせられるような神がかり的な仕上がり。
受賞:アカデミー脚色賞などいっぱい

コメディなのにマジでハラハラしちゃう賞: 『ピザボーイ』
監督:ルーベン・フライフィッシャー 出演:ジェシー・アイゼンバーグ ダニー・マクブライド アジズ・アンサリ
「ねーよww」って感じなのに実話をもとにしてるみたいだし、映画を観ててもホントにハラハラ。
コメディ映画でこれほどスリリングな映画は初めて。
上映時間も短いのに非常に濃い映画。
ソーシャルネットワークの時とは打って変わったコメディにジェシーアイゼンバーグが主演しており、この二本とゾンビランドでファンになっちまった。
ウィキペディアによると父は大学教授で母は大道芸人ということで、どうりでコメディもまじめなのもいけると思ったわ。

悪役が怖すぎる賞:『冷たい熱帯魚』
監督:園子温 出演:吹越満 でんでん
同じく園子温作品の恋の罪とは違い全く不本意でやばいことに巻き込まれる。
その悪い世界に引きずり込む悪役の村田がやばすぎる上に割と普通にいそうな感じが恐ろしすぎる。
受賞: 第36回報知映画賞・監督賞(園子温)、最優秀男優賞(でんでん)
第35回日本アカデミー賞・最優秀助演男優賞(でんでん)

日本流アクション&コメディの良作賞:『探偵はBARにいる』
アクション&コメディって言葉は簡単でも大泉洋がこういう映画で活躍できるような人だったとは!
松田龍平もはまってて、キャスティングは文句なし。
一応探偵として話がちゃんとしててスリリングだったりするのに、笑えるところでは思いっきり笑えるような緊張と緩和のメリハリにびっくりした。
第35回日本アカデミー賞(2012年発表)
優秀作品賞
優秀脚本賞 - 古沢良太/須藤泰司
優秀主演男優賞 - 大泉洋
優秀助演男優賞 - 松田龍平
優秀音楽賞 - 池頼広
優秀録音賞 - 田村智昭/室薗剛
優秀編集賞 - 只野信也 など

新しいカッコよさの形に泣けるドキュメンタリー賞:『エンディングノート』
死ぬ時まで自分らしくカッコよく生きれるようなオッサンにあこがれた。
ぼろぼろ泣いたし、映画館じゅうがすすり泣く声でいっぱいになるほどなける映画。
あんまり映画で泣けないひとでも結構泣いちゃうと思う。

その他観たものを載せておく。

エンジェル ウォーズ
うさぎドロップ
猿の惑星: 創世記
ラビットホラー3D
リアルスティール
あぜみちのダンディ
東京公園
スーパー8
マイ・バック・ページ
ステキな金縛り
トランスフォーマー ダークサイドムーン
嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん
パイレーツオブカリビアン~生命の泉~
アンフェアthe anwser
ツーリスト
赤ずきん
カイジ2
ザ・ウォード
宇宙人ポール
阪急電車
英国王のスピーチ
イブサンローラン
婚前特急
スマグラー

その他に入れちゃったけど、エンジェルウォーズとうさぎドロップはめちゃくちゃ大好き。
エンジェルウォーズの戦闘シーンやら、うさぎドロップのマツケンが仕事モードと育児モードを切り替える感じが観ていてすごく楽しかったのが印象的だった。

そんなわけで、面白い映画をいっぱい観た一年だった。

2011年度上半期に見た映画の振り返り

2011年10月18日 01時08分28秒 | 映画ランキングなど
今年も10月になり、早いもので就職して半年が経ちました。
学生時代とはうってかわり、平日は仕事に精を出し、土日は彼女に精子を出すことに勤しんでいましたよ。
そんな濃厚な下ネタはさておき、この半年に見た映画の振り返りをしたいと思います。

4月から9月までに観た映画は69本で、新作・旧作、映画館・DVD、洋画・邦画、いろんな形で鑑賞できました。
映画ってそれぞれ違った魅力があって、どっちがいいかっていうのは基本的には言い切れないよなっていうのが持論だったりするんですが、時にはどっちが好きなのか決める決断力も男には必要であると感じたため上位10作を決めてみました。
考え始めてみると悩むけど楽しいもんですね。

1 人のセックスを笑うな
2 ジョゼと虎と魚たち
3 ショーシャンクの空に
4 キサラギ
5 インセプション
6 八日目の蝉
7 ブラックスワン
8 うさぎドロップ
9 悪人
10 少年メリケンサック


せっかくなので5位までを軽く振り返り。

1 「人のセックスを笑うな」
これと「インセプション」はこの半年で初めて見た映画ではないのですが入れちゃいました。
今後もこんなことしてたら上位はほとんど昔から大好きな映画になっちゃうだろって思うけどまぁいいよね。
「人のセックスを笑うな」は自分にとって衝撃的な一本で、「どんな映画が好きなのか」と聞かれればたぶんこんな映画なんだろうと思う。
映画ってつまるところ「シーン」の集合だけど、この映画の各シーンのセリフの意味のなさっていうのはほんとに素晴らしい。
たしかに人が仲良くなるのってその会話の内容じゃなくて、会話をしてそれが楽しかったかってことが重要なんですよね。
この映画に出てくる会話っていわゆる「セリフ」っぽさがないというか、言葉自体に意味がないんですよね。
ただ映画としてはすごく意味があるというか、見ていて楽しいというか。
こういう映画が見たくて邦画を漁っているといっても過言ではないほど大好きな映画。
こういうタイプの映画は吹き替えとか字幕じゃあんまり楽しめないだろうなって思う。

2 「ジョゼと虎と魚たち」
これも「人のセックスを笑うな」と同じくアブノーマルな恋愛を描いた邦画で、似たような要素の多い二本だと感じる。
話の流れとしても、出会い⇒仲良くなる⇒うまくいかなくなる⇒だめになるって同じなんだよな。
ただ決定的に違うのはラブラブ感の描き方。
それと一番の盛り上がり所でのカップルの温度感だよね。
これは完全におれの主観だけど、「人のセックスを笑うな」の一番のハイライトはエアベッドを膨らますシーンで、二人が究極にラブラブな時。
一方「ジョゼと虎と魚たち」の映画としての一番の盛り上がり所は旅先のラブホテルで話し込むシーンで、なんとなく別れを予感させられるシーンなんですよね。
「人の~」は、うまくいかないけどそれでもなんだか別に楽しいやーっていう緩い気持ちにさせられる効果が魅力な一方で、「ジョゼと虎と魚たち」はそのタイトルが意味するように真っ暗な深海みたいなところに住んでたジョゼが好きな人と虎を見るっていう夢を果たすものの、結局また深海で魚につつかれる貝殻みたいな生活に戻ることになるわけで、一人でうまそうな飯を作るラストシーンで絶望して泣いちゃう「泣ける恋愛映画」的な魅力。
それ以外でも乳母車でデートにいって転ぶシーンやら水族館に入れないシーンやら、車のなかでさすがにジョゼのことがめんどくさくなってきちゃうシーンやら、挙げ出したらきりがないほど名場面だらけの映画です。

3  「ショーシャンクの空に」
不思議なことに、見終わって思い出す度にどんどん評価が上がっていく映画。
これほど後味のいい映画もないからほんとに見てよかったなと素直に思えるのが魅力。
舞台が刑務所なだけにキツいシーンもあるだけど、ラストシーンの気持ち良さでこれに勝てる映画はなかなかないんじゃないかな。
理不尽な世界からの脱却、大胆不敵な脱獄方法、大金持って出てこれたこと、親友との再会、そして大きな海。
思い出すだけで気分が良い。
序盤みんなでビール飲むシーンも好き。

4 キサラギ
とにかく雰囲気の軽さと内容のシリアスさのギャップが気持ちいいんだよな。
和やかなパーティが殺人犯捜しに変わり、容疑者(?)がぐるぐる移り変わる中でそれぞれの人物の正体が明かになっていき、同時に一度も出てこないアイドル如月ユキ(最後に出るんだっけか?)のこともなんとなくわかっていき、最終的にはいい感じで議論に決着がつく。
思い出すだけで本当に面白かったなあって思うけど、こうやって書いてみる見てみるとくそどうでもいい映画みたいに見えちゃうから残念だ。
後半は結構熱い議論が続くからこっちも気が張っちゃうんだけど、最後にみんなで急に踊り出すシーンでどっと力を抜けて「楽しかったなー」って感じさせられたのが印象的だった。
踊ってるときの香川照之の顔が絶妙に面白いだんよな。

5 インセプション
複雑で難しいけど、ある程度理解した上で二回目を見てすげえ映画だと思った。
設定が作りこまれ過ぎてて理解するのに必死になっちゃうけど世界の設定はあくまで土台で、コブとモルの夫婦愛とか階層を潜っていくスリルとかにを素直に楽むとやっぱりおもろい。
50年間夫婦で仲良く生きてきた思い出がなかったことになっちゃうのって考えれば考えるほど儚いな。
それでも憧れちゃう面白い設定だけどね。

その他印象に残った個人的特別賞

☆意外に面白かった賞: 少年メリケンサック
おれだけかもしれないが、映画館で予告篇を見たときに「うわぁ、、つまんなそう・・・」って思ってしまった作品だった。
ただ宮崎あおいも佐藤浩市も好きだし、ネットの評判も割といいみたいだったのでレンタルしてみたところ傑作でした。
あの彼氏の寒々しい歌とかが最高だった。

☆面白くなかったはずなのに強烈過ぎて嫌いになれない賞: 血と骨
正直気分の悪い誰得映画っていうのが最初の印象だったんだけど、豚をさばくシーンやらそれを生肉で食べるシーンやら、ビートたけしの暴力やらが強烈すぎて妙に思い出すことが多く、なんか面白かったような錯覚をしてしまう作品です。

☆知ってるようで知らなかった名画賞: ピノキオ
ピノキオってもちろん知ってるし嘘つくと鼻が伸びるから正直になる的な大筋は知ってたんだけどいざ見てみると予想以上の傑作だった。
楽しすぎるマジキチ展開&演出はもちろん素敵だし、無邪気な子供をだます怖い大人たちが本気で怖すぎて、正直になるから許してくれ!ってこっちまで思ってきちまう。
音楽もいいよ。

☆原作の小説より面白かった賞: フィッシュストーリー
小説を映画にするとエピソードはだいたい大幅カットされちゃうもんだけどこれは逆で、小説よりも話に広がりが出てた。
原作にはない地球最後の日のCD屋と、おかしな宗教団体は井坂幸太郎も書けばよかったって後悔してるんではなかろうか。
原作ではガチムチキャラだった役を森山未来がパティシエ役で演じて、しかも強いってのは映画だから許されるキャラクターとして成功だと思いましたよ。


そんなこんなで面白い映画をたくさん見れた半年間でした。
とはいえこれだけ見ても自分の好みがまだよくわからないな。
どうやら邦画の方が好きそうだけど。

下にこの半年に見た作品を鑑賞順に列記しておきます。
これらも良い映画をたくさん観たい。

風と共に去りぬ
交渉人the movie
イブサンローラン
イレイザー
パイレーツオブカリビアン~呪われた海賊たち~
ブラックスワン
八日目の蝉
パイレーツオブカリビアン~デッドマンズチェスト~
パイレーツオブカリビアン~ワールドエンド~
パイレーツオブカリビアン~生命の泉~
クヒオ大佐
スターウォーズⅣ新たなる希望
十二人の優しい日本人
はちみつとクローバー
重力ピエロ
ヴィレッジ
キサラギ
南極料理人
赤ずきん
サイン
グッドウィルハンティング/旅立ち
嫌われ松子の一生
東京公園
ラヂオの時間
ジョゼと虎と魚たち
スーパー8
エターナルサンシャイン
悪人
ショーシャンクの空に
腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
69 sixty nine
アヒルと鴨のコインロッカー
血と骨
アメリ
ブタがいた教室
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?
白雪姫
ギルバート・グレイプ
フォレスト・ガンプ
ガタカ
ピノキオ
不思議の国のアリス
カールじいさんの空飛ぶ家
センターオブジアース
サマータイムマシンブルース
トランスフォーマー ダークサイドムーン
気ちがいピエロ
うさぎドロップ
フィッシュストーリー
ローマの休日
シカゴ
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
キルビル
十三人の刺客
ティファニーで朝食を
ミスト
(500)日のサマー
探偵はBARにいる
スティング
ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
ライフイズビューティフル
ラッシュライフ
人のセックスを笑うな
ラビットホラー3D
ニューシネマパラダイス
バットマンビギンズ
グリーンマイル
インセプション
少年メリケンサック