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晴れた日こそ映画を観る

24歳会社員による映画感想ブログ。出かけたと思ったら映画館というインドア派です。

リアル・スティール

2012年01月01日 15時42分58秒 | 映画(未分類)
監督:ショーン・レヴィ 出演:ヒュー・ジャックマン、ダコタ・ゴヨ、エヴァンジェリン・リリー
上映時間:127分

明けましておめでとうございます。
2011年最後に見た映画はX-MENのウルヴァリン主演のリアルスティール。
クズ過ぎるお父さん役のウルヴァリンがかわいすぎる息子とロボットバトルで成り上がっていく映画でした。

この映画は何より子役のダコタ・ゴヨくんがすごい。


生意気で無鉄砲で子供にしてはすごく信念のあるカッコイイ役でウルヴァリンと激しく言い合うシーンやらダンスのシーンやら見どころ満載なんだけど、子供のくせして名演技過ぎる!
普通に子供としてかわいいというよりもプロとして演じられるとか親の顔が見てみたいわ。
芦田愛菜ちゃんとかミゲルくんとか最近はスーパー子供が多いですね。
「かわいいだけじゃかわいくないのよね」っていうのが時代のニーズなんでしょうか。


ロボットの戦闘シーンもカッコ良かったな。
ゴミを改造しただけにしては強すぎて理不尽なのに雰囲気が爽快過ぎて感動してしまった。
こういう前向きな感動を味わえる映画っていいよね。

序盤に出てきた日本の暴走族が好きそうなロボットも良かったな。


川の底からこんにちは

2011年12月06日 22時33分48秒 | 映画(未分類)
監督:石井裕也 出演:満島ひかり, 遠藤雅, 相原綺羅, 志賀廣太郎, 岩松了
上映時間:112分

醸し出す雰囲気がすごく好きで、始まった瞬間からもう面白かった。
「しょうがないかー自分は中の下だから」って何に関しても諦めているキャラクターを分かりやすく面白く、かつなぜだか共感を持たせるような冒頭から、ただふざけてるだけに見えて結構サクサクと話が進んでいくテンポのいい作りで全く退屈しない作品。
たぶん会話の面白さがその大きな要因だと思う。
会社のおばさんたちとの会話も、彼氏とその子供との会話も、しじみ工場での会話も、全部面白いのにちゃんと流れを進める会話にもなってるのがこの映画の神がかってるところ。

全編コメディタッチながらテーマがそもそも良くて、「中の下なんだから時には頑張んなきゃしょうがない」っていうのは諦めてるようで前向きだし共感するわ。
幼稚園でハブにされる子供に向かって「あんただってさ、所詮大した子供じゃないんだからね。だから頑張んなきゃしょうがないんだからね!」って子供に言うことじゃねえだろって言葉で元気付けて送り出すシーンからの、工場での演説シーンは本当に最高だった。
常にボソボソとしょうがないかって言ってるだけだった満島ひかりが怒鳴りながら中の下を正当化するわけなんだが、普段しゃべらないのに吹っ切れてわめき散らしてる感じがすごく上手で、めちゃくちゃなはずなのに何故かカッコ良くて共感してしまう伝説の名シーンだと思う。

そんなネクラでカッコいい満島ひかりに対して、自信あり気なのに驚くほどクズな彼氏も最高だった。
そういうタイプのあるあるうざ口調をマスターしてて、いちいちセリフがハマるから笑わずにはいられん。
最後に父ちゃんの遺骨を投げつけられるシーンも良くて、脚本的にはこれやるために父ちゃん死なせたんじゃないかと疑うほどいい締めだった。

「だいたいあんただって、全部諦めてるように見えて本当は死に物狂いで醜く生きてる中の下だけど、結局それなりに楽しいんだろ?」
って感じのメッセージを勝手に受け取り非常に共感しました。
時には踏ん張ってそれなりに納得して幸せに生きていきたいものです。

最後にどうでもいいところだけど、満島ひかりがダラダラと毎日飲んでるビールの銘柄が麒麟淡麗なことに妙にセンスを感じた。
中の下なんだから毎日ちゃんとしたビールを飲む金もないしそんな贅沢欲もないけど、金麦だとなんかナウいしのどごしではオヤジ感が出過ぎてちょっと違う。
その点発泡酒ながら比較的昔からある王道のビール好きにウケそうな路線で、価格帯は中の下で、何よりもダラダラと家で飲み過ぎてしまう缶ビールの銘柄といえば個人的には淡麗なんだよな。
大人の事情で選ばれただけだったりするかもしれないけど、個人的には非常に評価の上がったポイントでした。

天然コケッコー

2011年11月04日 14時01分22秒 | 映画(未分類)
監督:山下敦弘 出演:夏帆 岡田将生 佐藤浩市 柳英里沙 藤村聖子 夏川結衣
上映時間:121分

小中合わせて6人しかいない田舎の学校にイケメンが引っ越してきて甘酸っぱい恋をする映画。

転校生の岡田将生はイケメンだけど性格が悪い。的な描写が最初はあったんだけど、結構いきなり夏帆と恋愛展開になるイケメンにありがちなモテ展開のせいなのか全然入り込めなかった。
どうでもいいようなシーンがだらだらと長くて退屈に感じたせいもあるかも。

いい歳こいたブサメンが中2の夏帆を好きで岡田将生に嫌がらせしたり、夏帆の父ちゃんの佐藤浩市が岡田将生の母ちゃんと不倫したり、田舎の男女関係のえぐさを描きたいのかわからないけど映画全体の印象が汚れた気がしてあんまり面白くは感じなかったな。

みんなで遊んでた海とか舞台になってた場所はきれいだと思ったけど、登場人物に魅力がないし話も演出もよくわからんという感想で、個人的にはあまり楽しめなかったかな。

ブルースオールマイティー

2011年11月02日 22時58分29秒 | 映画(未分類)
監督:トム・シャドヤック 出演:ジム・キャリー ジェニファー・アニストン モーガン・フリーマン
上映時間:101分

急に神様の仕事をやることになってしまう超展開コメディ。

同じくジムキャリー主演の「イエスマン “YES”は人生のパスワード」がすごく良かったので、ほぼ同じような臭いのするこのブルースオールマイティーも見ちゃいました。

変な宗教にのせられて全部にイエスと答えることにしたイエスマンに対して、この映画は神様の仕事を任されてしまうっていうSF要素がある。
現実離れした設定に思えるけどジムキャリーの大げさな演技が映えてて爆笑させられるし、おかげで世界に入り込めました。

DVDのメニュー画面でも使われてたけど、全知全能の力を使って夜空の雲を拭き取って星を散りばめ、ちょっと月を近付けて綺麗に飾ってるときのジムキャリーの大袈裟な動きと得意気な顔はすごく面白かった。
他にも水溜まりにはまったり、ヤンキーのケツからサルを出したりのシーンはいちいち爆笑しちゃったよ。

そういう笑えるシーンがちゃんと意味を持って話が進んで、最終的に気持ちのいいラストを見れる良作でした。

ステキな金縛り

2011年10月30日 22時18分28秒 | 映画(未分類)
監督:三谷幸喜
主演:深津絵里 西田敏行 阿部寛 中井貴一 小林隆 KAN 竹内結子 山本耕史 浅野忠信 市村正親 草BAD+93塙 木下隆行(TKO) 小日向文世 山本亘 戸田恵子 浅野和之 生瀬勝久 梶原善 阿南健治 近藤芳正 佐藤浩市 深田恭子 篠原涼子 唐沢寿明 大泉洋
上映時間:142分

三谷幸喜の新作をさっそく見てきました。

弁護士の深津絵里は、被告人のアリバイを証明できる唯一の証人として落武者の幽霊である西田敏行を法廷に連れてくるんだが、幽霊だから基本誰にも見えなくておかしなことが起こりまくるよっていう映画です。

この映画はまず出演するキャストがいちいち豪華でさすが。
落武者ヘアのタクシー運転手に生瀬勝久、売れない殺陣の役者に佐藤浩市、ただ死を見届けるだけの医者に唐沢寿明、ファミレス店員が深田恭子で、小汚ない女を篠原涼子、最後に写真だけチョロっと映る大泉洋に、インチキ霊媒師の市村正親と、キリがないほどたくさんの人気者の集まる映画で、この人らが出てくるシーンはだいたい全部笑える。
「なんでこんな役で出てくるの?!」っていう驚きで楽しくなっちゃってるから簡単に笑わされちまう。
それでいてTKOの木下が深津絵里の彼氏で出番の多いおいしい役をもらっている不思議。笑

そんな中でも阿部寛は特に良かったな!
深津絵里の先輩弁護士役で、タップダンスで時間稼ぎしたり甘いもの食べ過ぎて死んだりのくだりはかなり笑わされたし、カッコつければ決まるし、彼が出てるシーンは引き付けられっぱなしでした。
コメディもいけてちょっとふざけても安っぽくならないカッコ良さを持ってるいいオトコだと思います。

同じく中井貴一も良かったな。
法廷での堅物な感じと犬に再開したときのじゃれ方のギャップがすごくて笑っちまった。

ほとんど出落ちだろっていう格好をさせられてる主演の西田敏行も、情けないオッサン的な演技が良くて笑えた。

全体を通して不意を付くような笑わせ方をしてくれて、非常に楽しめるところが多かったと思います。
そうなんだけど、欲を言えばいまひとつ心の奥にグワーってくるものに欠ける映画かなとも思う。

例えば「幽霊だからってなんで金縛りで一晩中嫌がらせするんだ」って問いは意地悪なようで結構面白いと思うんだけど、「だって幽霊ってそういうものじゃん」ていうその場限りの笑いで素通りされてもったいなく感じてしまった。こじつけでもいいから幽霊の気持ちに共感させられるようなひとことがあればちょっと違った面白さも出たんじゃないかなって気がする。
それと、最後は結局殺された被害者の幽霊が来て直接犯人を教えてくれちゃう落武者なんていらなかった展開は面白いんだけど、そこまでのやりとりがムダになった気がして話の筋としては少し残念じゃないか?!

マジックアワー以上の出来を期待しちゃってたせいもあるけど、楽しく笑えるだけじゃなく、その上で感動できるとか気持ちに何らかの衝撃を与えられるようなプラスアルファがあれば最高だったのにな!
なんて文句言ってるけど普通に面白い映画でした。

追伸
草薙の写真に写る表情が妙に笑えたのは私だけでしょうか。
小日向文世が好きだった名作風の映画は今見ても面白いのでしょうか。

海でのはなし。

2011年10月24日 07時46分37秒 | 映画(未分類)
監督:大宮エリー 出演者:宮崎あおい 西島秀俊
上映時間:71分

宮崎あおいと西島秀俊の青春ドラマに合わせてスピッツの曲がわりとずっとかかってているという作りの作品。

これで曲と演技が噛み合ってればなかなか面白いのかもしれないけど全然合ってなくて、演技を茶化してるみたいに感じてしまった。
逆にスピッツのPVとして楽しめばいいのかというと、演技の都合で突然ブツッて曲が切られちゃうからそれも台無しでどっち付かずの印象でした。

開始20分そこそこでお父さんは浮気してるんじゃなくて、自分が浮気相手の娘だったっていう理不尽な鬱展開の時にかかってるスピッツはホントに邪魔だったし、無理やりストーリーと絡ませようと思ったのか「青い車」をBGMに青い車で海に向かい始めたときにはもう笑っちまった。

この映画のひどいところは、スピッツをかけ続けることで爽やかな雰囲気を演出してるくせにストーリーが無駄に暗いとこ。

自分が浮気相手の娘だったっていうことから自己嫌悪になり、片想いの相手“博士”には煮え切らないニュアンスで振られるし、博士は博士でお母さんがパチンカスで
「私ね、死ぬ気でパチンコやってるの」
ってもうどうしちゃったんだよ。
最終的には親のことで落ち込む二人の共感的なノリで博士と海で抱き合うという腑に落ちないラスト。

ラストシーンの
博士「僕は、嘘はつかない。
僕はその時、ただ彼女を抱き締めたかった」
って気まぐれかい!っていう不潔な包容シーンのくせにスピッツの曲と海をバックにしてるせいで美しいラスト的に見せようとしてる感じが不愉快だった。

不愉快展開シリーズでいうと、博士が楓を振った後日に楓の女友達が
「なんで大事なときに嘘でも抱き締めてあげないの?」
って説教してくるとこと、
博士がキレて父親を殴るシーンで、見るからに軽め&当たってない「ペチン」てパンチを食らったオヤジがおーいてえって言いながら全然痛くなさそうに冷蔵庫からそそくさとビール取り出したときにはもうこの映画の無意味さを再認識した。

ところどころスピッツの曲を口ずさむシーンがあったけど、全然関係ないものを無理やり繋げようとしてる感ビンビンで萎えるぜ。

もっと思いっきりスピッツのPVにしちゃえば良かったと思うんだけどな。
変に重いストーリーにしないで、上映時間の短さに見合った日常的でキレイな一コマみたいなのだったらそれなりに見れたと思う。

アンフェアthe anwser

2011年10月19日 00時47分35秒 | 映画(未分類)
監督:佐藤嗣麻子 出演:篠原涼子、佐藤浩市、山田孝之、阿部サダオ、加藤雅也、香川照之、大森南朋、寺島進
上映時間:109分

オチとしては裏切られっぱなしの残念な話だったけどスリリングで意外と面白かった。

大森南朋が怖すぎだぜ。

主人公がひとりで巨悪に立ち向かう感じとか猟奇殺人鬼が出てきたりとか、なんだか全体的に邦画では普段あまり見ないタイプの映画だったかな。

さんかく

2011年10月17日 22時48分08秒 | 映画(未分類)
監督:吉田恵輔 出演:高岡蒼甫、田畑智子、小野恵令奈

出演者のメンバーを見るといまさらながらどんなカオス映画なんだと思ってしまう。

宮崎あおいのダメ夫というイメージだけでそういえばあまりその仕事ぶりを見たことのない高岡蒼甫。
幸の薄い脇役でちょいちょいいろんな映画で見るけど、あんまり印象に残らない感じの田畑智子。
当時AKB48のメンバーで、これに抜擢されるぐらいだからそれなりに人気だったのかもしれんけど正直よく知らない小野恵令奈。

序盤の小野えれなのわがままな性格と、それが気になり出しちゃう高岡蒼甫の描き方の安っぽさが半端なくて見るのやめようかとか思っちゃったんだけどほんとに最後まで見てよかった!

高岡蒼甫と田畑智子が喧嘩するシーン、別れ話するシーンがそこまでの安っぽいつくりとは打って変わってリアルで、そこからぐんぐん引き込まれちゃいましたよ。
ケンカが最終的に
「もういい別れる!」
「ああいいよ!別れてやるよ!」
「・・・え、嘘だよね?!別れたくないよう」
の流れでほんとに別れるっていうありがちで安っぽい展開に戻った時には急なマジな空気からの解放感と、元の雰囲気に帰ってきた安心感からため息をつくほどの見応えを感じてて我ながらびっくりした。

それ以降はこの映画の世界観にまんまと引き込まれ、ストーカー化した田畑智子にいらつき、高岡蒼甫のドアノブに生首のマネキンがひかかってたり窓から石投げられて大けがするシーンでは思わず大爆笑してしまい、小野えれなの彼氏にフルボッコにされるところではさすがにあきれ返ってしまった。

他の映画では感じたことのない妙な楽しさがある映画なんだよな。
まず登場人物がひとり残らずめちゃくちゃうざい。笑

その中でも高岡蒼甫のクズっぷりはほんとに見事だったな。
車のセンスやら毎日留守電にメッセージいれちゃうあたりやら後輩へのエラそうな感じやらもうほんとにクズ。
それも悪気がない感じがするからこそなんかもう笑ってしまうんだよ。
すごいウザいのに見てて楽しいんだよな。

この映画のラストシーンは、田畑智子と小野えれなが一緒に家から出てくるとすぐ外に高岡蒼甫がいて、なんか言ってきそうになるんだけど三人とも無言のまま結構長い沈黙があり結局そのまま終了って感じなんだけど、このシーンは考えれば考えるほど高岡蒼甫の演じるももちゃんのキャラクターが出てて好き。

なんで待ってたのかなって考えてみて、最初は二人に謝りに来たのかなとか思ったけどそんな常識的で律儀な男じゃないよな。
おれの推す仮説としては、たぶん家の前で待ってて先に出てきたほうをもう一回口説こうとか思ってたんじゃないだろうか。笑
そしたら意外と2人一緒に出てきちゃって困るし、てかそもそももう謝罪の言葉すら見当たらないコテンパンな状態でいったい何て言って話すつもりだったんだろうかって自分のどうしようもなさに直面し、情けない顔しながら口をアウアウさせるだけで長い沈黙を打開できないまま気まずい空気が続く・・END
って解釈でどうだろうか。
「なんもいわねーのかよwww」ってあのタイミングでエンドロールに入られたこと自体に笑ってしまったのはおれだけではないはず。

高岡蒼甫は実際あんまり知らなかったけどサッカーのうっちーみたいで結構イケメンだったし、それでいてちょっと痛い男の演技は自然だったりあえてわざとらしかったりところどころいろんな味を出してきてすごく楽しい役者だと感じました。
田畑智子もマルチ商法にはまったりストーカーしたりメンヘラになったりやっぱり幸の薄い役だったけど、なぜだか明るい印象を持たせるいい役だったな。
小野えれなも演技なのか素なのかかなりのハマリ役だったし。
名前だけ見ると妙な組み合わせの三人だけど、こりゃあナイスキャスティングですわ。

正直恥ずかしくて人にオススメするのは気が引けるけど、この映画好きな人がいたら小一時間盛り上がれそうなコアな魅力のある作品だと感じました。

猿の惑星: 創世記

2011年10月16日 21時46分29秒 | 映画(未分類)
監督:ルパート・ワイアット
出演:ジェームズ・フランコ、アンディ・サーキス、フリーダ・ピントー、ジョン・リスゴー、ブライアン・コックス、トム・フェルトン

中学生の頃に自分の中にプチ映画ブームがあって、その頃見た映画の中でめちゃくちゃおもろかったなーって思い出に残ってるのが「猿の惑星」
あれほど中学生にもわかりやすくかつ衝撃的な映画ってなかなかないよね。

そんな猿の惑星だけど続編は見たような見てないようなあんまり印象に残ってない感じでそこまで気になってるわけでもなかったんだが、えもが珍しく見たそうだったので喜んでレッツ鑑賞。
その結果、「SFアクション」みたいな映画ってそこまで好きでもないのにこれは面白いなって思ってしまった。

新薬で高い知能を持ってしまったチンパンジーのシーザーが実質的にはこの映画の主人公だと思うんだけど、人間らしい気持ちを持ってしまったにもかかわらず将来も恋愛もないそいつの気持ちを考えると前半はかわいそうでかわいそうで共感してこっちまで悲しくなっちゃうものの、後半猿の復讐が始まると自分は人間サイドのはずなのに「やっちまえシーザー!」っていう方向に興奮してて、どうやら完全に引き込まれてました。

別にそこまでたいした見どころでもないんだが、「シーザー!いいから人類なんかやっちまえ!」って個人的に思ったのはシーザーがケガして女獣医に診てもらったところその獣医が結構タイプで、飼い主(?)のウィルに「食事に誘ってくれ」と得意の手話で伝えたところほんとに誘ってくれるのはいいんだが結局自分をダシにウィルがその女と仲良くなっちゃって交際に発展するくだりですよ!

その女が自分ではなくウィルに会いに家に通って、一緒に出掛ける時もなんか脇役で、出会いを思い出すほど腹が立つ。
犬の散歩デートの犬の気分だからね、先に好きになったのは自分なのに!

外にも出られないし、結局ペットみたいなもんだし、ついには牢屋みたいなとこに入れられちゃうし、もう人間全滅しろや!って気分になってくる。

そっからシーザーが他の猿をまとめて人類に戦争をしかけて、最終的に人間への下剋上を果たし始めるとなぜか自分はもう猿の身方。
人間なんて全員死ねよやっちまえって気分になっちゃってたもんね。

ということで、ダークサイドの男でありながら兄貴肌で歴史を変えるリーダシップの持ち主のシーザーのカッコ良さに鳥肌のたつの映画でした。
いくら人間の知能持ってもシーザーがおれみたいな奴だったら牢屋でおとなしくマルフォイに虐待されて死ぬもんね。
そんな情けない男子には特に必見のSF大作です。

ツレがうつになりまして

2011年10月10日 17時42分28秒 | 映画(未分類)
監督:佐々部清
出演:宮崎あおい 堺雅人 吹越満 田山涼成 中野裕太 梅沢富美男 大杉漣 余貴美子    

宮崎あおいも堺雅人も好きで、邦画らしいまったりした雰囲気も好みで、サラリーマンがうつになるっていうテーマも近い将来他人事じゃなくなりそうでほっとけなかったもので、楽しみにしてた作品です。
公開早々川崎のチネチッタで見てきました。

楽しみだったといっても鑑賞前に抱いてたこの映画のイメージは良くも悪くも安っぽいハートウォーミングストーリーで、まぁ穏やかに楽しめればいいかなっていうレベルの期待だったんですけども、ところがどっこい最高に大泣きさせられちゃいました。

話の筋としては、几帳面なサラリーマンのツレがうつになり会社を辞めて、明るくて無邪気な漫画家(趣味程度の仕事しかない)のハルさんと夫婦でほのぼの過ごしていくというもの。

ツレとのなれそめから結婚にいたるまでの思い出をハルさんが脳内マンガで再生してからの宮崎あおいの「今度は私がツレを支えなきゃ!」的な表情でおれはもうすでにうるっと来てたんだが、一緒に満員電車に乗って「よくこんなのに毎日乗ってたね。ツレは偉いよ」ってほめられたツレが病的に泣きじゃくるシーンやら、結婚式の同窓会のシーンやら、ツレが講演会で語るシーンやら久々に涙腺が崩壊しちゃいました。

泣ける映画が見たい!と思いながら全然出会えない日々だったので幸せでしたよ。
それもポジティブに泣けるんだからすごい。
泣ける映画の多くは悲しさでやられちゃうことがほとんどだったりするけどこの映画の泣けるポイントはちょっと違くて、どちらかと言えば「( ;∀;)イイハナシダナー」って感じです。笑

なんていうと小馬鹿にしたみたいですが、悲しくて泣ける映画だってすごいのにポジティブに揺さぶられて泣かされるなんてこれぞまさに感動ですよ。

「泣ける」要素もいいけど、見ていて素直に気持ちのいい映画であることがこの映画の魅力です。
その良さに貢献してるのがペットの使い方で、動物ってベタだけど見てて安心するんですよね。
この夫婦はイグアナのイグってのを飼ってるんですが、そいつがさりげないとこでハルさんと戯れてたり、ツレにツメを切られてたりしてなんだか妙な幸せ感を醸し出してるというか。
さらにカメを飼い出したシーンでは笑っちゃいましたよ。

映画の幸せ感・穏やか感に効いてる要素としては、ペットに加えてハルさんが毎日日記代わりに付けてる一コママンガがまたいいんです。
ツレが布団にもぐってカメみたいになる絵が後からカメを飼うシーンの複線になってたり、古美術の花瓶の尊さにかけてツレが花瓶になってる絵を描いてみたり、普通に考えると結構やばい状態のツレを愛おしいキャラクターに見せてるうまい技法ですよね。
しかも1コママンガを通して状況やら気持ちが表現されるから、わかりやすい上にくどい説明風のしつこさも感じなくて、誰が見ても置いて行かれることのない親切なつくりの映画だなぁと感じました。
うつ病の映画なのに明るく感じさせられる大きな要因だと思います。

あとは何と言っても狂った神経質の堺と、妙に幼い主婦の宮崎の演技ですよね。
さっきも書いた満員電車のシーンでツレが「ハルさんにっ、そういってもらえるとうれしいぃぃうれしぃぃぃ」って大泣きする演技とかもうなんともいえないヤバさを感じましたよ。
基本的に障害者の出てくる映画はあまり好きじゃなくて、この映画の堺雅人は障害者ではないとはいえそれに近い部分もあるような役だからちょっと苦手分野でもあるんだが、このシーンだけは思わずグッときたしじーんと来ちゃったな。
そんな堺を支える宮崎あおいもまた良くて、夫が鬱になってるのにどこか能天気で明るい。
なのにツレのために一生懸命になってくれてるのがわかって、ものすごく好感度の高い描かれ方をしてるんですよね。
そんな2人を見ていると、大変な状況になったとしても夫婦っていいもんですねえって結婚願望が高まりました。

あと個人的にツボだったのはハルさんに古美術品収集の趣味があって、江戸時代か何かに作られた花瓶を眺めながら「この気泡にはその当時の空気が詰まってるんだよなぁ」なんて変な感慨にふけるようなところ。
その花瓶は「ここまで割れなかったことに価値がある」っていう解釈をされて、そこから「ツレが割れないように助けたい」ってハルさんがうつのツレを助けるためのモチベーションにつながるわけです。
そこからがんばらない理論やら、最後の講演会でツレが「今は自分が生きていること、ただそれだけのことに誇りを感じます。」って語るシーンにつながるわけだ。
それだけのために花瓶のエピソードを押し込んでくるのはちょっと強引じゃないかって最初ちょっと思ったけど、ふとしたことで変な考えが芽生える経験てなんとなくあるじゃないですか。
「えんぴつが身を削って書いた文字を、身を削って消すのが消しゴムの仕事で、人間の仕事でもそういう非生産的な場合ってあるよな」みたいなのって暇だとふと考えちゃったりしますよね?
しないか。笑

その例はなかったとしてもなんとなく急に妙な考えが芽生える気持ちはわかるし、僕自身グラスを集めるのが大好きなのでガラス花瓶とは割と似てる気がして興味はそそられました。
しかも映画見終わってみると「確かに何ごとも割れないことに価値があるよな」って洗脳されてて、「ガンバらないぞ!」って思います。笑

ということで、大泣きさせられるし笑えるし落ち着くし洗脳されるしとにかく気分の良い映画でした。
強いて文句をいえば、結構簡単につぶれちゃうような会社の平社員にしてはめっちゃいい家に住んでんじゃねえかってのが腑に落ちないけど、ああいう家が舞台だからこそこういうゆったりと気持ちのいい雰囲気が出せてるわけで、これも悪くは言えないよな。

DVDになったらまた見たいと思います。