V=4/3πr³

詩と物語を紡ぎます

雨音

2022-07-04 19:20:00 | poem



ⅰ. あまね


夜が明けて間もない【空】では
点在していた青が急速に消えて
音も無いまま【雨】がぱらつき
それは確実に月曜日の朝を湿し
駅にゆく人が増えた舗道を湿し
あろうことかわたしまでも湿し
何と駅前ベンチを本降りに浸し
雨音の響きは【あまねのうた】
水の匂いの【ハミング】だとか
滴の弾ける【スキャット】など
音色に包み抱かれ束の間微睡み
石榴か木通のように夢を喰んだ


written:2017/10/25
     【再掲載】



Ⅱ.あまね 短歌三首

めをとじて
ねむりがふちに
たたずめば
あまねのうたの
きこえこすかな


眼を閉じて眠りが淵に佇めば
あまねのうたの聞こえ越すかな




あめかほり
きりさめこさめ
ふりはじめ
あまねのゑみて
かけゆくすがた


雨香り霧雨小雨振り始め
あまねの笑みて掛け行く姿




ものかげに
かくれひつそり
うたいをる
はじらひおとめ
あめふりあまね


物陰に隠れひっそり謳ひをる
恥じらひ乙女雨降り雨音


written 2022/07/04





コメント (4)
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