人生の階段ー日々の詩に託してー

ある老婆の日々ーー

無縁墓の詩

2015年03月29日 | 日記
お寺のすみに

無縁墓が積み上げられている

いつの日か

私の墓もあの小さなピラミッドの一つになる

と思っていたけれど

今は違う

私は自分の墓を建てない

息子たちにもよく言ってあるから

無縁墓にはならない

私の墓は海ーーそれも

日本海

小さなひとかけらの骨を波に浮かべてくれたら

それが供養というもの

斎場の男が以前

夫の遺骨をできるだけ詰めて持って帰れと

指示したけれど

困った

彼もまた

墓はいらぬと遺言していたのだ

だから骨箱の置き場に困った

無縁墓に

無縁な私

日本海に

漂うのが夢