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フジコ・へミングのピアノ②

2019-07-01 | フジコ・ヘミング

フジコ・ヘミングのピアノの続き。

フジコ・へミングのピアノは、丁度今の梅雨時期とぴったり合うと思います。

彼女のピアノは、響きが美しく、無骨で、誠実で、情感溢れ、やさしくて、愛らしくて、大好きです。

本当に心が洗われ、癒されます。無骨と書いたけど、感受性が高すぎて無骨だと思います。

 

  

私のように、症状とともに生活している人にはお勧めです。うつを悪化させない鑑賞物②にも彼女の弾く曲を挙げています。(関連:うつ病に効く音楽 うつを悪化させない鑑賞物)※毛並みに沿って撫でてくれるような曲が聴きたい時には、フジコじゃなくて、安定感があってサラリと流暢に上手い演奏が良いです。 

 
 
彼女の人となりが大好きで、自分もあんな風に生きたいと思っています。
 
 
 
技巧的に上手いピアニストはいくらでもいます。でも、そういう生き方をしたいとは思わないし
 
ああいう弾き方を見ると私は不安になったりします。
 
競争、能力主義、狭量、完璧主義、短絡評価 ヒエラルキー 権威主義 計算
 
そういったものを想わせる弾き方は、芸術性など持ち合わせていないと思います。
 
 
「ピアニストには三種類しかいない。ユダヤ人とホモと下手糞だ」
「東洋人と女にはピアノは弾けない」と言ったウラデミール・ホロヴィッツですが

私は、彼のほとんどの演奏が苦手です。聴いていると無理になって早々に途中で止めることが多いです。
 
Horowitz Plays At Homeは例外で、名盤です。
 
 
アルフレッド・コルトーはホロヴィッツと初対面時の印象を
「彼と話して36秒でこの人の人間性の限界が分かった。 私はこうした人種に対して
軽蔑を通り越してある種の憐れみすら感じる」と語ったそうです。

 
フジコの演奏はその逆で、私が好きなものをたくさん含んでいます。その中心にあるのが、慈愛や優しさなのかも知れない。
 
      
 
ウラデミール・アシュケナージも好きです。誠実に粛々と弾きます。人間性が伝わってきます。(参照:Chopinは聴ける
 
ロシアのレフ・オボーリンや、アルフレッド・ブレンデル(チェコ出身でクロアチアで育ったオーストリア人)も
 
好きです。昔あって今ないものが、かれらの演奏からズドンと伝わってきます。


                              

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アリス・オットさんの顔芸演奏も苦手です。表情を作ったり首を振ったり体を劇的に動かしたりされると、醒めてしまいます。フジコはそのようなことを一切せずに普通に弾くので好きです。
 
余計なことも、ある域を超えたらいいのですが。話芸を駆使するヴァイオリニストがいて、
きみまろさんみたいになってました。あそこまでくれば、爽快に思います。


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