ブリヂストンA工場で働いて、私が見たもの、私がしたこと、私に起きたことを発信します。

精神を深く病んだおばちゃん

2019-09-19 | 症状とともに生活する

保養施設で出会った人達  自傷行為を見せるおばちゃん の続きです。

 

その保養施設には、若者からお年寄りまで、色んな年齢の人達が来ていました。

おばちゃんも大分多かったです。みんな、抱えている背景、症状があって、どの人も印象に残る人達でした。

 

中でも強烈な、症状による個性を放つおばちゃんがいました。綺麗な顔の女の人で、発症前はそのように周囲に

扱われてきたことを偲びました。洗面所で一緒になる時、髪をといている私に、人生の先輩女性として、余裕の笑顔で

「そうそう、綺麗にして とっても綺麗よ^^」とお世辞の魔法を吹きかけてくれました。

ちょっと口紅など塗ってみる時も、「そうそう 綺麗よ…^^」と言葉の魔法をかけてくれました。

そう言ってる鏡越しに見えるおばちゃんの顔が、ドキっとするように綺麗でした。

 

 こんな感じで…

 

そのおばちゃんは、精神を深く病んだ人で、奇妙な発作をもっていました。

食事中とかに私に話しかけて、私が質問に答えている最中に、動作や表情が突然止まってそのまま

別の世界に行って戻ってこないという発作が度々ありました。「ピアノはいつからやってるの?誰に習ったの?」

私が答えている最中に、彼女は突如 表情と動きが一時停止して、そのままどこかの世界に行ってしまいます。

 

    ………  ………  ………………………  ………………………

コントみたいで、内心、すごく面白かったです。   

「お~い 戻ってきて~」   「どっか別の世界に行っちゃった~」    お~い 

     こんな面白いおばちゃん初めて出会った

 

最初、冗談か演技かと思いましたが、そういう発作が度々起こりました。

私から質問をふって、彼女が普通に答えている最中にも、この一時停止は起こりました。

「夫と、娘と 娘と 娘と む ……」

暫く、同じ表情、同じ姿勢でフリーズしたまま、戻ってこなかったです。

その保養所の利用者の人が、彼女を「失礼だ」と言っていました。失礼とか、そういうあれじゃないから…

 

旦那さんが面会によく来て、彼女のお世話を甲斐甲斐しく焼いていました。小柄で地味なおじさんでした。

本当に愛されてると、見ていて思いました。でもおばちゃんは、旦那さんに対してとても冷たく反抗的で、きかん坊で

子どもみたいに駄々をこねて跳ねっ返して、困らせていました。

「イヤ イヤ イヤーー!!><」 「イヤだって言ってるでしょー?!><」「要らない!!」とか叫んでました。

旦那さんはそんな彼女にとても優しく、無限に包容しているように見えました。

 

見ているだけで、色々な物語が漂っていました。

洗面所で彼女と一緒になった時に、「とっても優しい旦那さんですね」と言いました。

「えー そうかしら 優しくなんか …」 その時も別の世界に行ってしまい、しばらく戻って来られませんでした。

もう彼女の個性として馴染んでいたので、戻って来られたら、気づいていない彼女と

微笑み合って、互いの個室に戻りました。

 

アル中のおじちゃんに続く。         関連動画:ノンストップ・ママ           

 


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