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RVでの小旅行。

日本人は終末論好き?

2012-02-08 21:24:43 | Innocent joke
3.11の惨状を見ても、100年に一度レベルの天災を恐れていた現代人が、1000年に1度レベルの天災を目の当たりにして震え上がっているのだろう。だが、恐らく、その上には5000年に1度レベルの天災や、10000年に1度レベルの天災も控えているのカモ知れない。

3.11の惨状を見て、恐らく大部分の日本人が地震や津波への恐怖を新たにしただろう。語弊があるので過去記事でもそれとなく書いたが、一時の感情で永続的な危機管理を決めるべきでは無いと思う。安心・安全にはコストが伴うが、100年に1度の天災に備えるコストと、10000年に1度の天災に備えるコストは単純に100倍では収まらない筈だ。

過去記事のドコかにも書いたが、1995年1月17日の阪神淡路大震災を私は7階の自宅マンションで経験した。建物の構造的な問題か(建物自体は無傷だったが)その揺れは想像を絶した。この時の恐怖が、マンションを売って納得のいく自宅を建てようと云う最大の原動力となった。構造設計の段階で、設計上の耐震強度で悩んだ。低層建築の場合は・・・構造体がスレンダーな為に全変形量に占める曲げの影響が大きくなってしまう。在来工法では、この曲げに依って耐震壁の剪断破壊が発生してしまう。計算上では、どんな工法でも耐震強度を上げる事は可能だが、コストとの絡みで悩んだ結果、構造合板も強度を優先し柱も増やした2×12のモノコック構造とする事にした。外壁のみならず、内壁も耐火ボードだけにせず28mm構造用合板1級を丁寧に張り込んだ上に耐火ボードを張ったので、壁厚は40cmを越えて、木造建築としては非常に重くなってしまった。18m下の岩盤までコンクリートパイルを打ち込み,パイル周囲をコンクリートミルク工法で固定し地盤の液状化防止も注入した。更に地下のRC構造上に免震基礎も入れ、ライフラインもフレキシブル化した。敷地周囲も打ち込んだコンクリートパイルにRC擁壁で全周を支えた。当時の低層建築物耐震化のカタログの様である。これで耐震強度(水平)2400ガル・・・中越地震の原発で記録した加速度(2.4G)程度だ。子供の頃ならば地震が来るのを愉しみに待ったカモ知れないが、実際の地震で耐震設計の効果を確認する日が来ない事を強く願っている。

1000年に1度の天災なら・・・1100年前には東北地方太平洋沖地震に、富士山噴火、東南海・東海地震が発生しているので、明日にも東海・東南海・南海地震が発生するカモ知れない。現在の地震予知では、東海・東南海・南海地震が発生する事は予知出来るが、これが何年以内に何%で起きるとは予知できない筈だ。10年20年30年~100年と云う人間の尺度で計られる時間は、46億年の地球の時間に比べれば誤差の範囲でしか無い。

3.11の惨状を目の当たりにして日本全体の地震に備える意識が高まっている。これを契機に、常日頃からの防災意識を高める必要は認めるが、何でもかんでも、想定外に備えようと云うのでは、あらゆる経済活動が沈滞化してしまうので注意が必要だ。安心・安全を手に入れる為には、安全な場所に転居し、少しでも設計が新しい頑丈な家に引っ越す必要がある・・・と全員が思ったら・・・・?

30年以内に70%・・・なんて聞くと首都圏では不動産が売れなくなるだろうし、100年に1度に備える耐震基準が1000年に1度に備えて更に厳格化されると建築コストが倍増してしまうだろう。そして10000年に1度の天災には、そもそも人間は対抗できない筈だ。

ニュースショーでは富士山噴火をトピックとして取り上げていた。1100年前の9世紀には貞観地震が起き、富士山が噴火し、その後に東海地震が起きた。だから、今回も富士山が噴火する・・・と云う論理はチョット弱いだろう。だが、立ち読みした週刊誌では、富士山周辺を震源とする地震の頻発を挙げて富士山噴火を誠しやかに語っていた。そうなのカモ知れないし、そうではないカモ知れない。

富士山の噴火が前回(1707年)の宝永噴火程度でも関東には火山灰が10cmほど降り積もったそうだが、その頃と比べて耐震強度は上がっているだろうけど噴火への備えは出来ていない。火山灰が10cmも積もると架線は切れ、航空機等の交通機関が麻痺し、HDD等の電子機器が壊れるだろう。更に、7000年前頃の日本全体の火山活動が活発な時期と同じように富士山が大噴火したら関東圏には人が住めなくなるカモ知れない。1100年前の天災の再来を恐れるなら、7000年前の天災の再来も想定に入れておくべきだろうか?その頃には九州阿蘇山も大噴火し九州全体が被害を受け動植物が死に絶えた。10000年に1度の天災を想定すると、国内でも安全な場所は数少ない。日本人は緩やかな破滅論が大好き(心地良いと思う?)なのだろうが、息を詰めて天災が起こるのを待っていては愉しい人生にはなりそうにない・・・と思う。

地震が来ない事を願いつつ、無理のない範囲で常日頃から継続的に一歩一歩確実に防災に努める・・・しか無いだろう。

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