東北オステオパシー会

日本を代表するオステオパシーの権威、齋藤巳乗先生がつくった治療法である「誇張法」を学ぶ研修会です。

本物を捉えていない!

2007年06月14日 | Weblog
「本物を捉えていない!!」

六月の講習会は、東北オステオパシーの大先輩で、今尚80才現役バリバリで仕事をされている女性が、人生初めてのギックリ腰を患い、モデルとして参加されました。

本人がX線写真を持参されたので、みんなで見させていただきました。
骨格はしっかりとされているのですが、L4あたりがぼやけて側弯していました。横から写した写真を見るとL5が後ろにズレていました。
しかし先生は「仙骨が後ろに倒れているのであって、L5が飛び出ているのではない」との指摘。あと左股関節の隙間がなくなっていました。
右の膝痛と可動難は、腰の調整で治るとの見立てでした。

斉藤先生は、自身の事を例にあげ、腰椎の動きがなくなると、カルシウム分が溜まり腰椎がぼやけてX線写真でもぜんぜん見えなくなってしまうと言われていました。

「さあ、誰か治してやって下さい。この程度の人を治せないとお金にならないよ」
先生に指名された参加者が、モデルの治療を始めました。
しかし、なかなか思うように緩みません。
どうしてなかなか緩まないのですか?と質問する周りの参加者に

「本物を捉えていない!! だいたいこの辺だろうといい加減に思ってやっても動きません!」 

受講者が、先生にポイントを指摘されながら、ある程度ゆるめると先生が仕上げをしました。
背骨~左股関節を調整すると可動難の右膝をゆっくり何回か屈曲させました。
「先生、右膝は、もう何年も曲がらないよ」(モデル)
「治療したから大丈夫」(先生) と言われながら数回屈曲、伸展を繰り返しているうちに・・・・
「あれ?曲がるわぁ!」(モデル)

首の治療をし始めた時に、仰臥位でモデルに膝を伸ばした状態で右足を挙上させました。
先生が首を治療して、再び足を挙上させると足が更に20センチ近く上に上げられるようになりました。
このことを通して、
「必ず、すべての部分の調整をしてあげること。
 部分療法は決してありえません!必ず全体を治療しないといけない。
これから先起こるであろう所も見つけだし、未病を防いであげる事が大切です」

治療後、太っている受講者、痩せている受講者を並んで立たせて太る体質と太らない体質の背骨の特徴などを教えていただきました。

昼の時間は、東北オステの総会で会計の報告と次回の一泊研修の内容等が決まりました。

午後は、新しいメンバーの為にL5の位置の取り方、自律神経で硬くなっている背中の硬さを触知させ、治療の仕方を教わりました。
そして、二人一組になり、脊椎全体の調整をじっくりやりました。
先生からも調整する時のイメージの取り方などのアドバイスがありました。

毎回感じるのですが、半年度に同じテーマを繰り返して講習会が行われますが毎月参加する度に、新しい気づき、発見、感覚が必ずあります。
今回も先生からちょっとしたアドバイスを受けて、帰ってから仕事をすると格段に治療結果が良くなります。本当に不思議です。
ベテランの治療家にその事を話すと、
「名人と場を共有しているだけで、自分のバイブレーションも自然に影響を受けているんだよ。」と言われました。(納得)