東北オステオパシー会

日本を代表するオステオパシーの権威、齋藤巳乗先生がつくった治療法である「誇張法」を学ぶ研修会です。

背骨だけで治す

2010年05月29日 | Weblog
「四肢をいじらなくても、背骨だけで治すこころづもりでやってください。」
いつも齋藤先生が受講生に強調されていることです。

背骨を完全な状態にすれば、関節の故障を治せるだけでなく、内臓疾患も背骨に兆候がでているので治療することができます。
また、将来起りうるであろうと予測される疾病も見つけ出し予防することができます。

関節の怪我を訴える患者さんに対して施術をする前に、自分の不調箇所又は、本人が気付かなくても術者が不具合を感じる箇所を、本人に可動性、痛みの有無、むくみ具合などを意識させます。

その後に、故障原因となっている背骨の箇所を調整します。
そして再び、本人に故障箇所がどういう風にいい状態に変化しているかを確認させます。

この様にして関節そのものではなく、背骨が根本原因だということを認識させれば(本人が納得すれば)、治療後患者さん自身が日常の姿勢、身体の使い方を注意するようになります。

そして日常の姿勢、仕事の仕方(目ではなく胸で仕事をする)、適度な運動(歩行)を実践されることにより1回だけでも劇的に変わります。

齋藤先生はおっしゃいます。

「うちでは、次にいつ頃来て下さいとは言いません。若い人がギックリ腰で来られたら2~3年は来ません。」(笑)

「普通の人でも治療した後、最低1~2ヶ月は、いい状態を保てるような治療をして下さい。」

「100% 関節を弛めることができるようになるまで、あきらめないで勉強して欲しい。それができればどんな病気でも完全に治すことができます。頑張って下さい。」

4月は肋骨と脊椎全体がテーマでした

2009年04月07日 | Weblog
会員から4月の講習会感想が届きました。
今月は、肋骨と脊椎全体の調整法でした。

午前中は肋骨の調整。
まず上肢をテコに前面から肋骨を緩めます。
「五十肩のある方は先に治しておくこと」との齋藤先生の指導。
慣れて手の感覚が上がれば上肢を使わずとも調整出来るとのこと。
次に背面からの肋骨の調整です。
齋藤先生から指標から探して正確に触れることを教わりますが、なかなか難しいものです。

午後からは浮肋骨、そして脊椎全体の調整を学びました。
仙骨の歪みが脊椎全体に及す影響を実技・デモを通し紹介されました。
仙骨の調整技法は「誇張法」でも複数ありそれぞれを明確に用いていないと脊椎全体まで全く違った形に調整されてしまいます。
解剖の知識、手の感覚・圧の方向などの総ての正確さが問われます。

今回は足を捻挫している方が来られており、齋藤先生が調整を行いました。
整形外科で巻かれたテープ・包帯で固めてある上から検査・調整を行って、痛みをほとんどその場でとってしまいました。
正確に触診し調整出来ること、そのための知識と技術の不足を改めて実感した1日でした。

先生の手を目指して今後も研鑽を積んでいきたいと思います。

※来月は齋藤先生の誇張法・頭蓋骨の調整です。
頭蓋仙骨系についても講義があるでしょう。
クラニオ(頭蓋仙骨療法)を実践されている方には復習・そして新たな技法の習得の良い機会だと思います。

会場は4月と同じ郡山市内職業訓練センターになります。


齋藤先生から学ぶことはたくさんある

2009年03月11日 | Weblog
2月の講習会感想
今年最初の誇張法講習会では、足関節と腰椎の調整法を学びました。

実臨床では脊柱の調整でかなりの割合で、四肢の愁訴まで改善がみられます。 しかしだからといって四肢の調整を学ぶことをおろそかにしてはならない、と思っています。

斎藤先生は、いつも一人一人についてみてくれます。間違いがあれば指摘し、患者さんに何が必要で今どこに触れているかを常に考えて治療を行うよう指導されます。私も、距踵関節の調整時、調整の角度が甘い、と指摘されました。
私はこれまで何人も捻挫の方を早期に改善させてきた経験がありますが、その調整も甘かった、ということになります。
逆をいえば誇張法はそれだけ優れており、本当に調整出来ればこれまで以上に捻挫の患者さんの回復を助けることが出来るということでしょう。

腰椎の調整では仙骨を使っての腰椎の側弯の調整等学びました。

齋藤先生のデモでは腰痛を訴える先生のうち二人が自律神経の問題と診断され、それぞれ頭蓋骨、頚椎の調整を受けました。
齋藤先生は「原因をみつけ治療しなさい」と言います。

穏やかな頚椎の調整で腰だけでなく頭を含め全身まで緩めていく、その高い技術にいつも憧れます。
質疑応答では小児の調整に関して問題が起こる原因の一つとして、分娩が長引くこと、またそれによりお腹を圧されり、鉗子で頭を引っ張られたりされることで赤ん坊の頭を締め付けてしまう、等話がありました。

齋藤先生から学ぶことは沢山あります。
これからも齋藤先生と先生の創始した誇張法に魅せられた受講者の方との学びを大切にしたいと思います。

手の感覚をみがく

2007年07月17日 | Weblog
7月の講習会に参加した会員からの投稿です。

先生が新しい受講者の質問に答えて
「感覚をみがくために、家で1人でできる鍛錬方法があったら
    教えていだだきたいのですが?」(受講者)
「(感覚は) 自分で努力しない限りはわからないです・・・
  これから、ほねおって努力し勉強してみたいと思うなら・・・
小学校3~4年生の女の子のからだをいじらせてもらえばいい。
  そこで骨を確実に自分の手で掌握する・・
骨の形がどういう形をして、どこに骨があるか?
  それさえできれば、大丈夫です!」
「・・・難しいことは、覚悟しないと。そうしないと、
  百枚以上重ねた紙の下に何が入っているのかわかることはできません!」
「まぁ・・大変な事です。
   10年選手で確実にわかる方は、まだでてきてません。
      そこまで、やってみてください!」(先生)

 私も新人の受講者の気持ちになって、また新たに頑張ろうと決意しました!

技術の習得には時間がかかります。1つ1つ積み重ねるしかありませんね。


本物を捉えていない!

2007年06月14日 | Weblog
「本物を捉えていない!!」

六月の講習会は、東北オステオパシーの大先輩で、今尚80才現役バリバリで仕事をされている女性が、人生初めてのギックリ腰を患い、モデルとして参加されました。

本人がX線写真を持参されたので、みんなで見させていただきました。
骨格はしっかりとされているのですが、L4あたりがぼやけて側弯していました。横から写した写真を見るとL5が後ろにズレていました。
しかし先生は「仙骨が後ろに倒れているのであって、L5が飛び出ているのではない」との指摘。あと左股関節の隙間がなくなっていました。
右の膝痛と可動難は、腰の調整で治るとの見立てでした。

斉藤先生は、自身の事を例にあげ、腰椎の動きがなくなると、カルシウム分が溜まり腰椎がぼやけてX線写真でもぜんぜん見えなくなってしまうと言われていました。

「さあ、誰か治してやって下さい。この程度の人を治せないとお金にならないよ」
先生に指名された参加者が、モデルの治療を始めました。
しかし、なかなか思うように緩みません。
どうしてなかなか緩まないのですか?と質問する周りの参加者に

「本物を捉えていない!! だいたいこの辺だろうといい加減に思ってやっても動きません!」 

受講者が、先生にポイントを指摘されながら、ある程度ゆるめると先生が仕上げをしました。
背骨~左股関節を調整すると可動難の右膝をゆっくり何回か屈曲させました。
「先生、右膝は、もう何年も曲がらないよ」(モデル)
「治療したから大丈夫」(先生) と言われながら数回屈曲、伸展を繰り返しているうちに・・・・
「あれ?曲がるわぁ!」(モデル)

首の治療をし始めた時に、仰臥位でモデルに膝を伸ばした状態で右足を挙上させました。
先生が首を治療して、再び足を挙上させると足が更に20センチ近く上に上げられるようになりました。
このことを通して、
「必ず、すべての部分の調整をしてあげること。
 部分療法は決してありえません!必ず全体を治療しないといけない。
これから先起こるであろう所も見つけだし、未病を防いであげる事が大切です」

治療後、太っている受講者、痩せている受講者を並んで立たせて太る体質と太らない体質の背骨の特徴などを教えていただきました。

昼の時間は、東北オステの総会で会計の報告と次回の一泊研修の内容等が決まりました。

午後は、新しいメンバーの為にL5の位置の取り方、自律神経で硬くなっている背中の硬さを触知させ、治療の仕方を教わりました。
そして、二人一組になり、脊椎全体の調整をじっくりやりました。
先生からも調整する時のイメージの取り方などのアドバイスがありました。

毎回感じるのですが、半年度に同じテーマを繰り返して講習会が行われますが毎月参加する度に、新しい気づき、発見、感覚が必ずあります。
今回も先生からちょっとしたアドバイスを受けて、帰ってから仕事をすると格段に治療結果が良くなります。本当に不思議です。
ベテランの治療家にその事を話すと、
「名人と場を共有しているだけで、自分のバイブレーションも自然に影響を受けているんだよ。」と言われました。(納得)

一泊研修会のお知らせ

2006年06月29日 | Weblog
東北オステオパシー会の毎年恒例となっております一泊研修会を、下記要領で行います。現在会員でない方も参加できますので、この機会に齋藤巳乗先生の「誇張法」を一緒に勉強してみませんか。

夜は宴会となり、お酒が好きな齋藤先生から、師匠の古賀先生の話や治療家として心がけなど、いろいろなお話を聞くこともできます。

今回のテーマは、『誇張法による頭蓋骨調整法』です。頭痛、めまい、耳鳴りをはじめ、顎関節、自律神経失調、メニエルなど、頭蓋骨の調整で改善できる症状はたくさんありますので、すぐに役立つ技術が習得できます。

参加ご希望の方には、詳細を書いたご案内をお送りします。
ご参加をお待ちしております。

日程:平成18年9月2日(土)13:00集合
   平成18年9月3日(日)12:00終了
場所:新舞子ハイツ(いわき市)TEL0246-39-3801
参加費:26000円(1泊2色付き)
申込み:メールにて、住所・氏名・電話番号(携帯も)・男女別をお送りください。追って、参加申込書をお送りします。
メールアドレス:kairo_higenki@ybb.ne.jp 鳥居まで
申込み締め切り:平成18年8月10日(木)

6月のセミナーから

2006年06月14日 | Weblog
6月の講習会は、手の指と手首の操作でした。操作するのに1番扱いやすい部位は、手の人差指の第1、第2関節です。その関節面の左右の回旋、左右側屈そして前後の動き(6方向)でいちばん関節面に動きがない方向を感じとり、わずかな力(2~5g)でその反対方向(いちばん動きのある方向)に誘導して治療をする練習をしました。 

斎藤先生曰く、「関節の動かす幅が髪の毛一本分の動かし方になります。それ以上大きな動かし方をすると 検査をしてもわからないし、治療にもなりません。与える圧は2~5g(皮膚に触れて皮膚の表面が凹むと10グラム以上の力がかかっている)、自分の触った指の爪の色が変わらない程度の圧で操作して下さい。背骨の操作よりも指の操作の方がはるかに難しいです。」       

「例えば、突き指は、触っただけでも痛いですが、触っても痛くない程度に触れて治療をしないと効果はでません。指がパンパンに腫れあがっている状態で、治療をしている時に目に見えるかたちで腫れが引いて痛みがなくなる様でないと突き指は治りません」と言われました。

☆『指を治せる様になって、はじめて一人前の治療家だそうです!!』

手首は、構成される8個の骨の1つ1つの動きの有無を調べて、個々の骨が同じに動く状態を作る練習をしました。 その後、背屈障害、底屈障害を簡単に治す直接法の練習をしました。 また、指の感覚をさらに良くする頚椎の調整。その時、実際に先生が頚椎を施術している指の間に受講者が指をさしこんで、頚椎の椎間板がどの様に動くかを勉強させていただきました。 いろいろな動き方がありました。本当に生きた勉強になります。

受講中、先生はどんな質問にも答えていただけます。私は、眩暈をよくおこすサッカー選手の高校生を治療をした時に、かなり頚椎と側頭骨が歪んでいたのを幼少からのヘディングのし過ぎからかなと思っていたのですが・・先生に質問すると「まったくヘディングは問題ない。幼少であっても。なぜなら、その行為をする際に意識して筋肉を使っているから壊れない。逆に電車で座って熟睡し船を漕いでいる人が壊してしまう。筋肉を弛緩した状態で刺激が加わる事がいけない」と言われました。

毎回の講習会を大事して、そして努力していけば必ず結果を出せる治療家になれます!先生の本物の治療を実感する事がその最短の道です。美術館で絵を鑑賞しても、いい絵をいつも見ていないと飾ってある絵がいい絵かどうかわからない様に、いい絵を鑑賞する機会を増やす事が大事なのです。そうすれば、いい絵の基準が自然に備わってきます。斎藤先生の施術は、すばらしく、深く、味わいのあるものです。そう、芸術の域に達しているレベルなのです。最初は、わからなくて当たり前。でも、皆んなで楽しく努力していく雰囲気が東北オステにはあります。少しでも興味のある方、一緒に勉強をしましょう

5月のセミナー録

2006年05月24日 | Weblog
午前中は顔面骨の調整、午後は頭頂骨と側頭骨の調整を勉強しました。
内容に伴い、参加者のなかから、永年に渡って鼻のとおりの悪い方と、車の移動で車酔いをしてしまった方の治療デモもありました。
お二人ともに脊柱および頸椎の調整から入り、顔面骨、頭頂骨をそれぞれメインに治療されました。
齋藤先生に、鼻のつけねの変位のみかたを示していただき、参加者全員で左変位を確認しました。
その後、先生による、前頭骨と上顎骨の調整が行われました。
治療後、参加者全員で変位していた部分を確認すると、改善されていました。

とにかく勇気づけられるのは、いつも習っている手技で、あらゆる変位を改善できることを示して下さることです。
習っている手技がマスターできれば、永年の症状で苦しんでいる方々の力になれる
ということを、また実感したセミナーでした。
ただ、マスターするのはそう簡単ではない、ということも、実感しています。

次回は最初に戻って、手指の調整をするそうです。

今月の講習会

2006年05月02日 | Weblog
今月の東北オステオパシー会の研修会は、
5月7日(日)9:45~16:00
テーマは「頭蓋骨の治療法」
会場は、郡山市労働福祉会館です。(TEL024-932-5279)

人数が少ないので、齋藤先生の指導を個別レッスンのように受けることができますから、勉強したい方にはこの上ない環境です。「誇張法」は決して簡単ではありませんが、「治せる技術」が学べます。

体験治療も歓迎します。どこへ行っても治らない方など、齋藤先生の治療が受けられますので、ぜひお越しください。(一部研修生のモデルにもなっていただきます。)

勉強したい方も、治療を受けてみたい方も、遠慮なく直接郡山の会場へ直接お越しください。そちらで対応させていただきます。

4月のセミナー

2006年04月06日 | Weblog
とても有意義でした。
患者さんの訴えとは違うところに原因があるケースをみることができました。
「顎が原因でさまざまな症状に苦しんでいる」という訴えの方に対する、齋藤先生の診断は、とてもシンプルでした。
それは誇張法の基本であり、要でもある腰椎の5番でした。
5番の調整で腰椎の後湾がのび、円背がのびると、こごんだ肩がひき、その方の肩幅が広くなり背中がひとまわり大きくなりました。
顎のゆがみは、単に顎関節の問題と思っていたら実はそうではなく、頸椎1番と2番の間の問題(長年の腰椎の後湾の影響)からくるとの診断で、頸椎の調整をすると、顎の歪みがその場で変化しました。

やはり基本が大事。
それから的確な診断も大事。
その2点をつくづく感じた4月の会でした。
(それにはまずやっぱり、手の感覚を養わなければ…と今回もつくづく思い知りました)

※この記事は、一部内容に誤りがありましたので、4/18に修正しました。