管理職も行政も教えてくれない 学校の「今のあたりまえ」 若い教師に伝えたいこと

今当たり前と思っていることも、よくよく考えてみれば、問題だらけ。若い人には、ぜひ読んで、考えてもらいたいものばかり。

大阪に見る「ゼロトレランス」 教育放棄への第一歩

2018-01-14 10:10:44 | 生活指導、学校のきまり
レベル1
 問題行動:授業をさぼる。自分の机等に落書き。
 学校等の措置:固執での個別指導と家庭連絡。奉仕活動または学習課題。
レベル2
 問題行動:授業をさぼり校内でたむろする。先生に対しバカにしたようなことをしたり言う。
 学校等の措置:個室での複数教職員による個別指導と家庭連絡、数日間の奉仕活動または学習課題
レベル3
 問題行動:他の子のものを壊したり捨てたりする。押す。プロレスの技をかけるなど暴力をふるう
 学校等の措置:一定期間の個室での個別指導と学習指導、警察へ相談
レベル4
 問題行動:金品を奪う、盗む、たかる。殴る、蹴るなど強い暴力をふるう。
 学校等の措置:出席停止措置、警察へ通報
レベル5
 問題行動:極めて重い暴力、傷害行為、脅迫、強要、恐喝行為
 学校等の措置:警察、こども相談センター、児童自立支援施設等における対応

 これは原発の事故対策ではない。子どもを対象とした「罰則規定」である。

 「大阪市教育委員会は暴力や犯罪、いじめといった市立学校に通う子供の問題行動を5段階に分類し、学校の対応を明示した「学校安心ルール」を定めることを決めている。ルールは一覧表にして児童や生徒に配布する。保護者らの相談窓口を市教委に設けることでルール順守を徹底する。
 ルールのうち、最も軽い段階のレベル1では、子供の「学校をずる休みする」「(他の児童や生徒を)無視する」といった問題行動に対し、教職員が「その場で注意」「別室での個人指導や家庭連絡」といった対応を行うとしている。
周囲への暴力や傷害、恐喝といった犯罪行為を含む問題行動は最も重いレベル5に分類。学校が警察などの外部機関に対応を委ねることも盛り込んでいる。
 大森不二雄委員長は「学校を安全安心な場所とするには、最低限の“法秩序”が必要だ」と話している。」(産経)

 これは教育活動ではない。教育によらず、罰則を設けて児童・生徒を管理するものだ。
 ルール違反には奉仕活動。家庭連絡。固執に追いやって隔離。警察に通報。

 実際大変なのだから、この程度ならやむを得ないという考えもあるだろうが、私たち教師からすれば、権威で、罰則で対処しようとする「敗北」でしかない。発表を聞いて、思わず笑ってしまったほど、馬鹿馬鹿しい、低俗なものだ。
 1人1人の行動の原因、背景を、ていねいにくみ取り、対話と説得を通じて、問題の解決策を探っていく教育の原点が、完全に抜け落ちている。
 単純にマニュアル化された指針は、学校にはなじまない。

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